グレイスケール、VanEck、フィデリティは4日、米国証券取引委員会(SEC)にビットコイン上場投資信託(ETF)のForm 8-A証券登録フォームを提出した。
SECのForm 8-Aは、企業が公開市場で証券を取引するために必要な書類で、企業は特定の証券取引所に株式や債券を上場可能になる。Form 8-Aは、証券の詳細や取引所のルールを含む。提出が受理されると、企業は公開市場での資本調達の機会を得る。一方で、SECは不備や法違反がある場合、Form 8-Aを拒否する権限を持つ。承認されなければ、企業は修正に努める必要がある。受理後、上場まで数日から数週間かかることが一般的。この期間、企業は最終承認を待ち、上場準備を進める。上場日程は証券取引所と企業の調整により決定される。
ブルームバーグのジェームズ・セイファート氏によれば、グレイスケールやVanEckが提出したForm 8-AはETF上場プロセスの一環であるが、それだけで承認が得られたことを意味するわけではない。同氏はForm 8-Aの提出は、申請者のS-1ファイリングの有効性に依存しており、S-1ファイリングは、SECが19b-4フォームを承認することに基づいているとした。セイファート氏はさらに、SECの承認は米国時間の5日ではなく、予想されている8-10日後に行われる可能性が高いと述べている。
業界関係者によると、SECは取引所に19b-4申請の改訂と最終化を要求している。最終決定は未定だが、情報源はSECが現地時間5日に発行者に承認を通知し、取引は来週にも開始されると予測している。ETFストアのネイト・ゲラシ代表は4日、SECがビットコインETFのスポット申請を承認しない場合は申請側による訴訟もあり得るとした。
SponsoredETF承認で盛り上がっているのは暗号資産界隈だけなのか?
BitwiseとVettaFiの調査結果によると、ファイナンシャルアドバイザーの61%が今年ビットコインETFが承認されるとは見込んでいない。この結果は暗号通貨投資家などの1月に承認される可能性を88%と予想する見解と対照的だ。一方でビットコインを購入に関心を持つアドバイザーの88%がETF承認後のマーケットに対応できるように待機しているという。

調査では、アドバイザーの88%が昨年暗号資産に関する問い合わせを受けたと回答し、顧客の暗号資産への関心が根強いことが明らかになった。59%のアドバイザーは顧客が独自に暗号通貨に投資していることした。
投資ポートフォリオに関して両社は、アドバイザーは24年の投資計画で暗号資産ETFへの関心を高めていると指摘。71%のアドバイザーがビットコインをイーサリアムに優先して選んでおり、前年と比べて顕著な変化であるとした。しかし、64%が懸念する規制の不確実性と47%が懸念するボラティリティは、暗号通貨の大衆への関心を阻んでいる問題点であるとした。
ビットコイン価格は上昇も視野に入るもETF承認を契機に短・中期の価格調整か
From this perspective, the governing pattern behind #Bitcoin price action since September 2023 appears to be an ascending parallel channel.
— Ali (@ali_charts) January 4, 2024
If this technical formation holds true, $BTC could advance toward the channel's upper boundary around $48,000, face rejection, and retrace… pic.twitter.com/5HhEoxtd1c
当社最高ニュース部門責任者アリ・マーチン氏は、「23年9月以降のビットコイン価格行動の背後にある主なパターンは、上昇平行チャンネルに基づいているように見える」とコメント。同氏はチャネルでの価格推移が続けば、ビットコインはチャンネルの上限の4万8000ドルに向かって進み、3万4000ドルのチャネル下限に戻った後に5万7000ドルのレジスタンスに再び反発する可能性があるとした。加えて同氏は「ビットコインが4万1800ドルを上回る位置を維持する限り、見通しは強気である」と主張。同氏はオンチェーンデータをもとに、同水準は100万BTC以上を保有する241万アドレスによって形成される大規模なサポートゾーンによって強化されているとした。さらに、前方の抵抗は比較的小さく、価格の安定または上昇の可能性をさらに強化している。
業界の重鎮として知られるビットメックスのアーサー・ヘイズ元CEOは5日に更新したブログで、「3月初旬までに達した水準からビットコインは20%から30%の健全な調整を経験すると予想している」とした。同氏は米国内で上場するビットコインETFの取引が既に開始されている場合、この下落はさらに深刻になる可能性があると主張。ヘイズ氏は、「これらのETFに将来的に何百億ドルもの資金流入するとの期待がビットコインを6万ドル以上に押し上げ、21年の最高値7万ドルに近づけた場合、ドル流動性の急激な引き上げにより30%から40%の調整が起こり得る」と予見した。