スマートコントラクトのバグ報奨金プラットフォームであるImmunefiは、生成型人工知能ツールChatGPTによって作成されたバグレポートを提出したとされる15人を追放した。
ホワイトハットハッカー報奨金プラットフォームは、ChatGPT には、人間が問い合わせに回答する以上の技術的能力がないため、バグを特定できないと主張した。
ChatGPTはホワイトハット・レポートに代わるものではない
Immunefiによると、ホワイトハットは人工知能言語ツールではなく、自分の言葉で問題を説明することで、ソフトウェアのバグを迅速に解決することができるという。
Immunefiは、Aave、Compound、Synthetixなどの分散型金融プロジェクトを動かすスマートコントラクトの問題を発見したホワイトハットに報酬を与えるバグ報奨金プラットフォーム。このプラットフォームは2022年9月までにホワイトハットに6,500万ドルを支払い、さらに将来1億3,800万ドルを支払う見込み。
ソフトウェアプロジェクトのオーナーは報奨金と引き換えに、製品のセキュリティを倫理的にテストするホワイトハットを雇う。このような「善良な」ハッカーは、セキュリティ上の欠陥を犯罪的に利用するブラックハットとは対照的である。一方、いわゆるグレーハットは、プロジェクトオーナーの許可を得ずにバグを発見する。
それでもなお、Immunefiは、このツールが浮き彫りにした本物のバグは適切なルートで報告されるべきだと述べている。
ChatGPTは、GPT-3という大規模な言語モデルを用いて、人間と自然に会話することができる。その主たる機能は、言葉よりも質問の意図に着目して回答する機能である。検索エンジンは、一般的にリンクの量と質でランキングされている。
ChatGPTのCEO、ツールはまだ未完成と語る
ChatGPTは、学習データに偏りがあるため、常識や文脈を無視した回答をしてしまうことがある。さらに、低品質な情報を誇張して表現してしまうこともあるという。プログラミングフォーラムStackOverflowのモデレータはこのほど、このツールの洗練されたプレゼンテーションが、しばしば不正確な回答をうまく隠していることを確認した。
Immunefiと同様に、StackOverflowはChatGPTの回答をそのプラットフォームにおいて禁止した。
こうした明白な制限にもかかわらず、ChatGPTを開発したOpenAIの最高責任者は、このツールが有能な職場ツールに進化することを確信している。
「人間のように自然言語で依頼を受ける”AIオフィスワーカー”を想像できる 」と、サム・アルトマン氏は昨年、ブログ記事で語った。スマートコントラクトの監査プラットフォームであるCertiKは、このプラットフォームはバグを見つけるのが「半端じゃない」と指摘した。同時に、カナダのソフトウェアエンジニア、トミワ・アズウィダム氏は、このツールを使って暗号化ルールを教え、暗号ウォレットを作成することに成功したと報告されている。
DogecoinのプロモーターでTeslaのCEOであるイーロン・マスク氏は2022年12月にChatGPTのAIは「恐ろしく優秀」だと述べ、Next47のベンチャーキャピタリスト、ケイト・レズニーコバ氏は、わずか5日間で100万人のユーザーを獲得したChatGPTの驚異的なユーザー導入率についてツイートした。
しかしながら、アルトマン氏はChatGPTの発展途上の能力を「進歩のプレビュー」と呼び、ミッションクリティカルなことに使うべきではないと注意を促している。
「今すぐ何か重要なことに頼るのは間違いだ」と彼は述べている。
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