米ニューヨーク拠点でステーブルコインUSDCを手掛けるCircle Internet Groupは、第3四半期に全従業員の約5%を削減した。同社の利益増加を示す決算報告書の脚注で明らかになった。
この人員削減には910万ドルがかかり、大部分は退職手当と通知給付によるもの。USDCの裏付けとなる現金や米国債の運用利息が減少する中で実施した措置である。CRCL株主が保有するビジネスの約4分の3は、こうした収益源によって維持される。
利益増の四半期に、なぜCircleがレイオフを実施したのか
Circleはこの削減について、「事業構造を戦略とオペレーティングモデルに合わせるため」と決算書資料で説明している。
主要指標は堅調である。営業利益は5%増の2億2600万ドル。総収入と準備金収益は17%増えて8億6500万ドルとなった。
ただし、これには一時的な要因が大きく寄与した。Circleは独自のArcブロックチェーン向けトークン「ARC」の先行販売によって1億8200万ドルを計上した。Arcブロックチェーンは9月16日にローンチされた。
このARC販売など非利息収入を除くと、準備金収益は前年の約7億1100万ドルから約6億5800万ドルに減少したと報告している。
Circleが準備金で得る金利は3.5%に下がり、0.61ポイント低下した。米連邦準備制度の利下げごとに、USDCの裏付けとなる米国債の利回りも減少する。
USDCの成長でCircleのコスト増は吸収可能か
USDC流通額は9月末時点で739億ドルに達し、前年と横ばい。ドル建てステーブルコイン市場でのシェアは1.83ポイント減って27%となった。
一方、営業費用は16%増の2億4490万ドルに拡大した。Circleは通年の調整後費用見通しを5億7000万〜5億8500万ドルと据え置き、最終的な数値は採用人数次第と説明した。
今回が初の人員削減ではない。2024年12月にも全従業員の「6%未満」を削減している。
今回の開示資料では生成AI(人工知能)への言及は見当たらない。ただし5月には、ジェレミー・アレールCEOが「Circle従業員の85%が毎週AIツールを利用している」と述べていた。
「AIエージェントが仕事の進め方や労働市場へ与える影響は、現段階ではまだ始まったばかりだと思う」
ユースケース拡大の一方で、CircleがUSDC流通パートナーに分配する利息(ディストリビューションコスト)は4億920万ドルに減少した。前年同期の4億4720万ドルから縮小した。
Circleは利息収入以外で何に賭けるのか
Circleは新規事業拡大にも力を入れる。決済ネットワークの年間取扱高は413億ドルに達し、決済企業Tazapayの買収契約も結んだ。
今回の決算は、BlockやRiot Platformsとともに暗号資産業界の決算シーズンを迎えるなかで公表された。USDCの年間成長率40%という中長期目標は据え置いており、流通額が横ばいでもこの見通しに変更はないとした。











