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高齢者を狙う暗号資産詐欺が連続で発生=兵庫・長崎

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高齢者を狙う特殊詐欺が社会問題化する中、兵庫と長崎で8日、暗号資産を利用した詐欺が連続発生したことがわかった。

兵庫県警は8日、西宮市のパート女性(59)が「警察官を名乗る男らに約2459万円をだまし取られた」との被害届が県警西宮署に出されたことを発表した。同署は特殊詐欺事件として捜査中。

被害女性は9月23日、厚生労働省の職員や警察官を名乗る男らから「保険証を使って規制薬品が購入された」「あなたの銀行口座がマネーロンダリングに使われた」などと電話があり、女性は相手の指示に従い暗号資産口座を開設。10月7日までに3回にわたって計約2459万円の暗号資産を送金してという。

長崎では暗号資産を絡めたSNS型投資・ロマンス詐欺事件

長崎・佐世保署は8日、70代の会社員男性がSNSで知り合った女性から約3250万円相当の暗号資産をだまし取られたと発表した。

同署によれば、男性はウェンディと名乗るシンガポール人女性とメッセンジャーアプリで知り合い、LINEを交換。その後、シンガポール人女性から、「元金の7倍くらいの利益が出る」「私の言うとおりに投資をすれば損はしない」などと暗号資産への投資を勧められ、従ったという。

男性は、暗号資産取引所「ビットトレード」のアカウントを開設し、指定されたウォレットアドレスに7月31日までに、計13回にわたって約3250万円相当の暗号資産を女性に送金した。

事件が発覚したのは8月6日、ビットトレードが「口座の動きがおかしい」と連絡し被害男性が7日、同署に相談した。

件数減少も被害額は増加傾向

こうした特殊詐欺事件は今年、8月末までで認知件数1万2362件(前年同期比-184件、増減率-1.5%)とやや減少傾向にあるが、被害額は350.3億円(前年同期比+78.6億円、増減率+28.9%)と被害額が大幅に増加していることが懸念されている。

暗号資産への投資は当時の岸田政権が2023年、「資産所得倍増元年」とスローガンを銘打ち、NISAを非課税にするなど国民の投資意欲を喚起していた。それに比例するように特殊詐欺の被害額も増加している。

暗号資産投資詐欺においては、複雑かつ新しい仕組みのため、高齢者が騙されるケースが相次いでいる。

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Shigeki Mori
大阪府出身。日本では雑誌編集者、読売テレビ広報記者、豪州では日系メディア編集・記者などを経てフリーに。日本とオーストラリアで20年以上、ジャーナリスト、編集者、翻訳者、ウェブプロデューサーとして活動してきた。近年は暗号資産関連の記事の執筆や翻訳、コンテンツ・マネジメントを行っている。
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