先週末の市場急落で、複数のアルトコインが数分で90%以上の価値を失う中、暗号資産市場は回復の初期兆候を見せ始めている。
中でも注目を集めているのがプライバシー特化型のデジタル資産DASHで、過去24時間で35%上昇し、10か月ぶりの高値を記録。今日のトップゲイナーとして市場をけん引している。ただし、裏側のデータを見ると慎重な見方も浮かび上がる。
SponsoredDASHの上昇に現実の試練
プライバシーコインへの関心の高まりが、先週以降のDASH価格の上昇を支えている。現在の取引価格は57.87ドルで、過去7日間で約70%の急騰を記録している。
しかし、この上昇局面は終盤に差し掛かっている可能性がある。オンチェーンデータやテクニカル指標は、買い手の疲れが蓄積しており、近く反転を迎える兆しを示している。
Coinglassのデータによれば、直近2回の取引セッションでDASHの先物市場ではショートポジションが増加傾向にある。本稿執筆時点のファンディングレートはマイナス0.037%とネガティブに転じており、弱気姿勢が強まっている。
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ファンディングレートとは、先物市場でトレーダー同士が契約価格と現物価格の乖離を是正するために支払う手数料のことだ。
レートがプラスの場合、ロングポジションの保有者が優勢であり、強気相場を示すシグナルとなる。ロング側がショート側に手数料を支払う意欲があることを意味するためだ。
Sponsored一方で、DASHのようにファンディングレートがネガティブに転じると、価格下落を予想するトレーダーが増えていることを示す。これは上昇の勢いが鈍化し、価格調整が近い可能性を示唆している。
DASHの強気派、勢いを失い始める
現物市場データも、DASHが買われすぎ水準にあることを示している。現在の相対力指数(RSI)は84.45で、過熱気味の状況にある。
RSIは資産の買われすぎ・売られすぎを測定する指標で、70を超えると上昇過熱、30を下回ると売られすぎと判断される。
DASHの現在のRSIは、資産が明確に買われすぎの領域に入り込んでいることを示している。これは短期的な高騰が持続困難であることを示唆しており、トレーダーが利益確定を進めることで一時的な調整局面が訪れる可能性が高い。
52ドルのサポートは維持されるか、それとも50ドルを割り込むか
現行価格で、DASHは52.05ドルのサポートフロアを上回って取引されている。買い勢が弱まれば、この水準を試す展開も想定される。もし維持できなければ、価格は50ドルを下回り、44.64ドル付近まで下落するリスクがある。
一方で、アルトコイン全体への資金流入が続く場合、DASHの価格は61.48ドルを突破し、さらなる上昇余地を見せる可能性もある。