自称ビットコイン発明者のクレイグ・ライト博士は、開発者16人を相手に訴訟手続きを進めているが、今後広範な影響が出る可能性がある。
オーストラリアのコンピュータ科学者である博士と同氏の持ち株会社であるチューリップトレーディング(Tulip Trading Ltd.)は、ビットコインの開発者がビットコインネットワークのコントロールに関して「受託者義務」(fiduciary duties)と「注意義務」(duties of care)を負うと主張している。
チューリップトレーディングは、ハッキングにより、2つのアドレスに保管の暗号資産にアクセスできなくなったため、開発者に同資産をアドレスに再統合できる修正を行うよう訴えた。すなわち、30億ポンド以上の価値のあるビットコインの回収の要求である。
チューリップトレーディングは、ビットコイン(BTC)、ビットコイン・サトシ・ビジョン(BSV)、ビットコイン・コア(BTCC)、ビットコインキャッシュ(BCH)、ビットコインキャッシュABC(BCHABC)を現在保有中。
裁判所は、全員一致で、開発者がユーザーに対して義務を負うかどうかについては判断しないとした。しかし、本件は “審理されるべき重大な問題を提起している “とした。英国裁判所は、ライト博士のケースは正式な裁判で審理されるべきであるとしたが、来年早々にも実施される見込みである。
正式な裁判は来年行なわれる予定
判事の”Birss”氏は、ネットワーク開発者には受託者責任があるというチューリップ・トレーディングの主張は「現実的」であるとした。
「この場合、義務を判断するのは、事実が確定してからである」と同判事は語った。また、「今回の判断が示しているように、チューリップのケースを議論の余地がないと断定するには、被告である開発者に有利な事実があったとみなされなければならず、今回のやり方では解決できない。」と述べた。
過去においては、英国高等裁判所は「開発者は常に替わっているので、そこまでの責任はない」と判断し、博士の請求を棄却していた。
多くの開発者の代理人である”James Ramsden”勅撰弁護士は、正式な裁判は “より大きな法的確実性をもたらす “とし、以下のように述べた:
「この裁判の結果は、英国内だけでなく、その他に大きな影響を与えることになる。また影響は、英国政府が最終的にどのような規制を取るかに関係なく及ぶことになろう」
一方、チューリップの代理人である”ONTIER LLP”のパートナー、フェリィシティ・ポッター(Felicity Potter)氏は次のように述べている。「この裁判の結果は、デジタル資産へのアクセスを喪失または奪われた場合に、人々が従うべき先例となる。これは、適切に規制され管理されたデジタル資産のエコシステムに向けた一歩であり、現在およびこれから持つであろうコイン保有者双方が歓迎すべきことだ。裁判でチューリップの訴えが通ることを望んでいる」
クレイグ・ライト博士は、自分がビットコインの生みの親であるサトシ・ナカモト(偽名)であると主張している。しかし、博士の一連の主張は、これまでのところ暗号資産コミュニティには懐疑的に受け止められている。
ビーインクリプト(BeInCrypto)は裁判所の決定についてライト博士にアプローチしたが、コメントは拒否された。
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