米金融大手JPモルガンのアナリストらはこのほど公開したメモで、24年にイーサリアムがビットコインや主要な他の暗号資産を上回る可能性を示唆した。同分析は、イーサリアムの24年予定の重要なアップグレード「Dencun」と、その一環であるEIP-4844の影響に基づいている。
JPモルガンのニコラオス・パニギルツォグロウ氏率いるチームは、ビットコインに関する来年の現物ETFの承認や半減期などの強気要因が市場に織り込まれると分析。同時に、イーサリアムが暗号通貨エコシステム内でのシェアを再び獲得し、主導権を握るとを予想した。24年上半期に予定されるDenCunアップグレードに含まれるプロト・ダンクシャーディングは、イーサリアムネットワークの性能向上に寄与し、L2ネットワークの効率が向上し、トランザクションコストの削減が期待される。
JPモルガンはさらに、分散型金融(DeFi)が既存金融システムとの融合に課題を抱えていると指摘。ユニスワップの開発元であるユニスワップラボは5月に行ったDeFiに関する独自調査で、多くの米国のCeFi(中央集権金融)ユーザーがDeFiを使うことに興味を示しているが、教育資料、UXの改善、サポートの提供があれば、参入障壁が低下するだろうとの結論づけている。
同社はまた、現物資産(RWA)のトークン化は進展が遅れており、プラットフォーム間の断片化、協力と相互運用性の不足、中央銀行デジタル通貨の導入の遅れ、規制の未整備などが、進展を阻害しているとの見解を示している。
JPモルガンのジェイミー・ダイモンCEOは、7日の米国上院公聴会で「私は常に暗号通貨やビットコインなどに深く反対してきた」と発言。これを受けETFストアのネイト・ゲラシ代表は、同社がスポットビットコインETFを立ち上げる可能性あるとの持論を展開した。「彼らは以前、初のETFを14年にローンチしていた。最初のETFから21年後に立ち上げるまで革新的なETFに反対していたが、その姿勢は変わった」と主張した。JPモルガンはブロックチェーン関連製品の開発や、暗号資産企業とのPoCなどを行ってきた。
各金融機関の暗号資産の24年の市場予測は一貫して楽観的
Matrixportの週次市場レポートで、マーカス・ティーレン氏は24年の仮想通貨市場の見通しを公開。SEC(米国証券取引委員会)がビットコイン現物ETFを承認しなくても、暗号資産市場は上昇相場に転ずる可能性が高いと指摘した。ビットコインの価格上昇は流動性の増加によって引き起こされるとした。更に、米大統領選においてドナルド・トランプ前大統領の再選可能性が高く、彼の政策が経済を押し上げ、株価や仮想通貨価格にも影響を与える可能性があると期待を寄せた。
米Bitwiseは12日のレポートで、2024年の暗号資産市場に関する予測を発表。現物ビットコインETFは5年以内に米国ETF市場の1%、約10兆円を獲得するとの見込みを示した。同社は、イーサリアムの手数料低減が普及に貢献すると予測。2024年のアップグレード「Dencun」により手数料が1.4円未満に抑制され、L2ネットワークがマイクロペイメントやソーシャルメディア、大規模ゲームでの採用が期待されるとした。同社はイーサリアムネットワーク上の手数料収入は2024年に約7,100億円に達すると予想している。
米資産運用会社ヴァンエック(VanEck)は7日の市場予測レポートで、24年第4四半期にはビットコイン価格が10万ドルに達するが到達すると予想した。これは英大手銀のスタンダートチャート銀と同様の見解だ。これらはSECが現物ビットコインETFを承認することを織り込んだ予測だ。こうした予測に対し、ブルームバーグのジェームズ・セイファート氏は13日、ETF承認後の資金流入に関しては、一部で過大評価されている可能性があると指摘した。
Follow us on:
X(Twitter):@BeInCryptoJapan
Telegramチャンネル:@BeInCrypto Japan オフィシャルチャンネル
免責事項 - Disclaimers
当ウェブサイトに掲載されているすべての情報は、誠意をもって作成され、一般的な情報提供のみを目的としています。当ウェブサイトに掲載されている情報に基づいて行う一切の行為については、読者ご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。