主要アルトコインの一角であるイーサリアム(ETH)は、ビットコイン(BTC)に対して相対的な弱さを示している。過去数セッションではBTCに比べてパフォーマンスが劣後し、相対的な強さが低下している兆候が見られる。
BTCが昨日、新たな過去最高値を更新した一方で、ETHはそれに追随できず、ここ4日間は横ばい推移を続けている。テクニカル指標では買い意欲の鈍化が確認されており、勢いが回復しなければさらなる下落を招く可能性がある。
イーサリアム、ビットコインに対して弱含み
ETH/BTC比率は過去数日間で下落基調にあり、ETHがBTCに対してパフォーマンス面で劣勢に立たされていることを示している。本稿執筆時点で、この比率は0.036付近で推移している。
Sponsoredこの比率は、ETHがBTCに対してどの程度の価値を保っているかを示す相対指標であり、下降傾向はETHがBTCに劣っていることを意味する。したがって、BTCが最高値を更新してもETHを押し上げるには至らず、アルト市場全体が短期的に横ばいもしくは軟調に推移するリスクを抱えている。
さらにETHの日足チャートでは、資金フローを示すチャイキン・マネー・フロー(CMF)が過去数セッションで停滞し、下降に転じつつある。これはETHへの資金流入が鈍化していることを示唆し、5000ドルを目指す上昇の勢いが一服している可能性を示す。
CMFは資産への資金流入と流出を測定する指標であり、横ばいから下落へ転じる動きは、買い圧力の低下と売り優勢への転換を意味する。これにより、BTCが上昇してもETHは同調しにくく、短期的な上昇モメンタムを欠く展開が続く可能性が高い。
市場の不透明感で停滞するイーサリアム:次は4211ドルか、それとも4957ドルか
横ばい推移と勢いの鈍化は、市場参加者の間での迷いを反映している。現在は買い手・売り手いずれも優位を確立できていない状態だ。下落圧力が強まれば、より大きな調整局面が到来するリスクもある。
この場合、ETHは4211ドル付近まで下落する可能性がある。
一方、強気派が勢いを取り戻した場合、ETHは8月24日に記録した過去最高値4957ドルへの再挑戦が視野に入る。そのためには、まず直近の抵抗線4766ドルを明確に上抜けることが条件となる。