分散型ストレージシステムを提供する、FileCoinが年初来より175%近くの上昇
P2Pの分散型ストレージシステムを提供する、FileCoinが年初来より175%近くの上昇を見せている。直近では2022年8月以来、約半年ぶりの高値である$9.5をトライする動きを見せており、その価格上昇の勢いが伺える。
上昇の背景には何が起きているのか
大手暗号資産分析企業のMessariが1月末に発表した2022年第4クォーターの分析レポートによると、FileCoinのアクティブ取引によるファイルコインの使用例は前年の第4クォーターで比117%増、前年同期比では1,798%増となるなど、価格の上昇とともにユースケースの数も伴って上昇していることが伺える。
Filecoinは来月3月にスマートコントラクトのFilecoin Virtual Machine(FVM)をローンチ予定であり、3月1日にはFVMローンチのカウントダウンイベントも開催予定だ。これらも価格上昇に寄与していると言えるのではないか。
Filecoin Virtual Machine(FVM)は、Filecoinネットワーク上でアクターとも呼ばれるスマートコントラクトの実行環境だ。これらのスマートコントラクトはSolidityで書くことができ、最終的にはWASMにコンパイルできる任意の言語がサポートされる予定だそうだ。スマートコントラクトにより、FileCoinユーザーはネットワーク上のデータの保存とアクセスに関するルールを作成し、実施することが可能になるという。
FileCoinとは?
Filecoinは2020年にProtocol Lab社のJuan Benet氏がローンチした、IPFSと呼ばれる中央管理者がいない分散型のストレージシステムを採用した、ユーザー同士でストレージの貸し借りを行う分散型ストレージシステムである。
IPFSは、世界中のデバイスからストレージが保存可能な場所を見つけて、P2Pの分散ストレージを提供するという仕組みを採用している。FileCoinは分散ストレージでを採用しているため、データセンターのようにデータを一つの場所に集約する必要がないため、高速かつ、ハッキング等に対しても強いシステムである。
Filecoinは、ゼロ知識証明でストレージを定期的に検証するインセンティブモデルを使用しており、報酬はネットワークのネイティブトークンであるFILで報酬を与えられる。また、データが取り出せなかったり、ストレージに障害が発生したりすると、ストレージプロバイダーは切り捨てられる仕組みとなっている。データを取り出すためには、Filecoinユーザーは検索プロバイダーにお金を払ってデータを取り出すシステムとなっている。オンチェーンでの取引を伴うストレージ取引とは異なり、検索取引は支払い用のチャネルを使用しオフチェーンで支払いを決済するため、高速な検索を提供している。
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