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DeFiプロジェクト - クジラ投資家が影響か

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記事 Martin Young

ヘッドライン

  • 主要なDeFiプロジェクトでクジラ投資家がトークンサプライを左右
  • リド、GMX、フラックスファイナンス、カーブなどにクジラの存在
  • クジラ投資家がガバナンスをコントロールすれば、DeFiに懸念も
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分散化は、あらゆる暗号資産ネットワークの重要な構成要素である。しかし、業界をリードするDeFiプロジェクトの中には、いまだに大量のトークン供給が創業者やベンチャーキャピタルによってコントロールされているものがある。

DeFiリサーチャーであるThor Hartvigsen氏による最近の調査で、クジラ投資家が、一部のトップクラスの暗号資産プロジェクトをどの程度までコントロールできるかが明らかにされた。

2月28日、同氏は8つの 「強力なパフォーマンスを持つプロトコル 」において、トップクラスのクジラ投資家を追跡して得られた結果を公開した。

同調査結果は目を見張るものがあるが、暗号資産プロジェクトの資金調達の性質を考えると、驚くには当たらない。大半のプロジェクトはベンチャーキャピタルの支援を受けているが、こうした巨人集団は今なおトークンが詰まった大きな袋を抱え込んでいるのである。 

DeFi クジラ投資家の戦い

リキッド・ステーキングプラットフォームのリドは、この1年で目覚ましい成長を遂げたため、最初に(調査の)分析対象となった。(調査の結果)、ベンチャー企業のパラダイム・キャピタル(Paradigm Capital)とドラゴンフライ・キャピタル(Dragonfly Capital)がLDOト-クンの供給量のなんと10%を支配していることが判明した。

これは、現在のLDO価格で推定3億900万ドルとなる約1億個のトークンに該当する。ただし「パラダイムの1億LDOの権利確定ラウンドは2023年5月に終了し、ドラゴンフライは2023年8月25日に1千万LDOトークンを追加でアンロックする」とHartvigsen氏は注意を促している。

分散型永久取引所GMXも、クジラ投資家の影響力が大きい。流通供給の約7%は、トップのアーサー・ヘイズ(Arthur Hayes)氏を含むわずか4つのホエールアカウントによって保有されている。ちなみにヘイズ氏は1,500万ドル相当の200,500 GMXトークンを保有している。

さらに、フラックスファイナンス(Frax Finance:ステーブルコインプロトコル)には多くのVC投資家がおり、その多くがFXSトークンでいっぱいのホエールウォレットを今も管理している。Hartvigsen氏の調査結果によると、FXSの流通量のなんと15%がたった5つのホエールアカウントによって保有されているとのことである。

DeFiステーブルコインの利回りプラットフォームカーブ(Curve)もまた、クジラ投資家が影響を及ぼしている。Hartvigsen氏は、一握りの創業者ウォレットが4億近いCRVトークンを保有していることを発見したとしている。CRVトークンの現在の流通供給量は7億5,200万だが、これらのファウンダートークン(founder tokens)は今後数年間は権利確定用にロックされている。

(他にも)クジラ投資家の支配力が強いプラットフォームとして、dYdX、シンセティクス (Synthetix:SNX)、ポリゴンMATICなどがある。ポリゴンは、5つのVCホエールアカウントがMATICの全供給量の約8%を保有している。

分散化をめぐる議論

暗号資産プロジェクトでは、特にDeFiにおいては、いかに非中央集権的であるかを誇示することが好まれる。しかし、一握りのクジラ投資家がその巨大な(トークンの)袋でガバナンスの投票に影響を与えることができる場合、事はそう簡単には運ばない。

加えて、彼らはその高額の隠し場所を気の向くまま清算することができ、(そうなれば)その時のトークン価格に影響を与えることになる。そうした事態が発生した場合、被害を被るのはきまって小規模な個人保有者になってしまう。

最近の最も顕著なは、アンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)がUniswapのガバナンス投票に影響を及ぼしたことだ。2月初め、同社は1,500万UNIトークンの投票ブロックを使って、ある提案に反対票を投じた。この提案は、BNBチェーン上のUniswap V3の展開にWormholeブリッジを使用するというものだった。a16zは、Uniswap V3の展開に傾くライバルのブリッジプラットフォームLayerZeroに多額の投資を行っているのだ。

DeFiの 「分散化 」については、いくつかのプラットフォームで再考される必要があるように思える。

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Takashi Higashi
国際広報、海外の先端技術調査、海外企業との提携等をこれまで行ってきました。ここ数年、暗号資産に関心を持ってウオッチしています。
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