暗号資産取引所ゲートは9月30日、株式配当を誤った契約に充当した。価格がほとんど動かなかったにもかかわらず、これで下落に賭けていたトレーダーは全損となった。
ゲートは、同じ名称を持つ2つの資産が原因と説明した。約200口座が影響を受けたとしており、損失は全額補填する方針。
ゲート配当誤充当の経緯
月曜日にゲートは、米資産運用会社フランクリン・テンプルトンを傘下に持つフランクリン・リソーシズの 告知 を掲載した。同社の1株当たり0.33ドルの配当金について、水曜日の協定世界時8時に「BENUSDT」という契約で付与するとした。
BENUSDTは 無期限先物契約であり、原資産の価格に連動する賭けだが満期がない。ゲートのルールでは、上昇に賭けるロングはこの配当を受け取り、下落に賭けるショートは支払うこととなっていた。
しかし、トレーダーが共有したスクリーンショットでは、BENUSDTは株価水準ではなく0.000585ドル付近で取引されていた。これは同じティッカーを持つ低価格暗号資産トークンの価格である。
この価格に対して0.33ドルの調整をすると、契約価格の約564倍となる計算。
なぜ価格変動がなくてもショートは損失を被ったのか
レバレッジ取引では、「証拠金」と呼ばれる現金預託金によって損失をカバーする。証拠金が尽きると、取引所が強制的にポジションを決済する。これをロスカットという。
今回の配当調整だけで証拠金が枯渇した。ゲートの通知は、証拠金が足りなくなる場合には配当金支払いがロスカットの要因となると警告していた。
複数のポジションで同じ証拠金プールを用いるアカウントもあり、他の建玉も一斉決済された。X(旧Twitter)ユーザー @SmallPig0526 が共有した1件のスクリーンショットでは、口座残高がマイナス146万ドルとなっていた。
一方、ロングには多額の入金が記帳される逆転現象も発生した。これらの資金が実際に出金されたかどうかは確認されていない。
ゲート「ユーザーは損失負担せず」
ゲートのクリエイターコミュニティ責任者ゴドー氏によれば、ゲートは数分以内に問題箇所を特定し修正したという。同氏はまた、残高の復旧作業を進めているほか、全体の損失をゲートが負担する方針を表明した。
「本日16時(UTC+8)、2日前の告知に従いBEN契約のファンディングレート処理中に、名称の重複によるエラーが発生し、合計200口座に影響しました…この結果生じたユーザー残高表示の問題は順次解消を進めております。全ユーザーは一切損失を被っておらず、全責任をゲートが負うものとします」と、ゴドー氏は投稿した。
ゲートは詳細な事故報告書を公表していない。取引所は今年8月に開始した 日本株取引など株式関連サービスを拡充する中で発生したトラブルとなった。
競合他社も同様の展開を進めている。ニューヨーク証券取引所(NYSE)は最近、 トークン化米国株を暗号資産投資家に提供する契約を締結した。
ゲートはロングに入金された額の取り扱いについては、現時点で方針を示していない。









