ビットコイン採掘を手掛けるIRENはこのほど、共同CEO2人に約7億ドル相当の制限付きストックユニット1820万株を付与したと発表した。付与額は時価総額の約5%に相当し、株式は2033年度まで譲渡制限が課される。報酬は創業者であるダニエル・ロバーツ氏とウィリアム・ロバーツ氏に付与され、今後10年間にわたり権利が確定する仕組みである。
2033年まで運用される設計の付与プラン
IRENは、AI向けに再編を進めるビットコインマイニング銘柄の1つ。取締役会は6月30日、両兄弟それぞれに909万9328ユニットの付与を承認した。ユニットは4年間かけて権利確定し、各トランシェごとに2年間の売却制限が課される。
最後の株式が自由化されるのは、2033年度のみ。いずれの経営者も、2031年度以前に新たな自社株報酬は取得できない。
このスケジュールは偶然ではない。IRENは2021年にナスダック上場を果たし、両兄弟はそれぞれ1株のBクラス株式(1株につき普通株15個分の議決権)を保有する。これはIPOの目論見書に記載がある。
この格差は大きい。8月時点で各創業者は持株比率2.3%だったが、議決権は21.8%(IRENの委任状説明書による)。2人合わせてほぼ44%に及ぶ。
これらの権利は2033年11月頃に期限を迎える。機関投資家評議会は二重株構造の期限を7年以内とするよう推奨している。
希薄化により支配力はさらに低下する。発行済み株式数は昨年8月の約2億7200万株から、今年3月までに3億4100万株に増加。AIコンピューティング分野への転換資金に充てられた。
投資家は事実売りに動く
IREN株は7月2日、約10%下落し38.82ドルとなった(TradingView調べ)。この下落は暗号資産マイニング関連銘柄特有の値動きを考慮しても大きい。
著名空売り投資家ジム・チャノス氏は今回の規模に警鐘を鳴らした。同氏は、この報酬額がIRENの2027年度から2030年度までの累積調整後純利益予想の約17%に相当すると指摘。付与基準が業績ではなく在任年数である点も強調した。
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IREN取締役会は、まず業績連動型やハイブリッド型報酬を慎重に検討したと説明。今回の付与は複数年計画の完了と位置付けた。
「本株式報酬は、共同CEOによる次成長フェーズへのリードと長期戦略実行を確実にするためのものである」とIRENは提出書類で述べた。
創業者の議決権縮小と新たな株式の2033年までの制限。今回の動きが経営陣との利害調整なのか、経営陣の保身なのかは、今後のマイニングからAIへの転換が進むかどうか、そして両兄弟の成果による見通し。









