ツイッター共同創業者のジャック・ドーシー氏が、ベンチャーキャピタリストのチャマス・パリハピティヤ氏によるオープンソースAIの全面採用提唱を公然と支持した。
ドーシー氏は、パリハピティヤ氏が「米国によるオープンモデル制限は経済的に壊滅的だ」と警告した投稿に「イエス」と応じた。
パリハピティヤ氏は、オープンソースAIを制限すれば、米企業は海外の競合が1トークン当たり0.5〜1ドルで入手できる知能に、100万トークン当たり26〜56ドルも支払わねばならないと主張。その格差は持続不可能と強調した。
議論の背後にあるAI価格格差
パリハピティヤ氏の主張は、コストと能力の格差拡大に基づく。オープンウェイトモデルは独自開発システムとの差を大幅に縮めたが、価格差は依然として大きい。
中国の研究機関がこの変化を牽引してきた。北京拠点のMoonshot AIによる新モデルKimi K3は今月、コーディングベンチマークで首位となった。これにより米国の半導体株にも動揺が広がった。
他にも、中国と米国システムの能力格差が狭まっていることを示唆するリリースが続く。
パリハピティヤ氏は、AIが将来の経済活動を下支えする存在であるにもかかわらず、米国企業が世界の競合に比べ構造的なコスト劣位に直面すれば、これは容認しがたい状況だと主張する。
同氏は「知能は経済の原動力と輸入プレミアム商品の両立は不可能」と端的に指摘した。
経済だけでなく軍事的論点も
パリハピティヤ氏は論点を国防分野にも拡大した。米国のシステム防御に100万トークン数十ドルを支払う一方、敵対勢力ははるかに低価格で攻撃できる、このバランスの崩壊は国防分野でも同様だと指摘した。
デービッド・サックス氏もこの見方に同意。研究者のセバスチャン・マラビー氏の「危険な能力は規制に関係なくやがて広まる」との見解に賛同した。
マラビー氏は、アンソロピック社のClaude Mythosモデルを巡りMythosレベルのサイバー能力への懸念が示されている点を指摘。世界は「ほぼ誰も持っていない」状態から「ほぼ全員が持つ」段階へと急速に変化すると論じた。
サックス氏は、中国のモデルが数か月以内に高度なサイバー能力に達すると予測していた。同氏は、ワシントンが同様の安全保障上の懸念からGPT-5.6のリリースを段階的に実施した点を説明。それでもゲートキーピングは諸外国の進展を抑制できていないとした。解決策はAI活用のサイバー防御であり制限ではないとの立場を示した。
ワシントンのAIゲートキーピングのジレンマ
こうした論争は、米政策当局者が高度AIモデルをどこまで厳格に管理するか議論する中で生じた。関係者は、安全保障リスクを抑えつつ中国への競争力を維持しようと、AIモデル公開前の審査案を模索している。
サックス氏は、同等の能力が世界中でダウンロード可能となった今、この方法が機能しないと主張する。
パリハピティヤ氏の論点も経済面から同じ結論を導く。両氏とも、開放ではなく制限こそが米国の競争力低下リスクと見なす。
ドーシー氏の一言による支持は、同氏が長年公に推進してきたBlock社のオープンソースAIエージェント「Goose」とも重なる。
ワシントンがこうした警鐘に耳を貸すか、それとも規制を継続するかによって、今年の米企業のコスト競争力にも影響を与える。
パリハピティヤ氏の投稿は数時間で数十万回閲覧され、議論がシリコンバレーの枠を超えて波及していることを示した。








