マネックスグループが円に連動したステーブルコインの発行を検討していることが26日、分かった。松本大会長がテレビ東京の取材で明らかにした。同社は暗号資産交換業のコインチェックを傘下に持ち、デジタル金融分野での海外買収も加速する方針だ。世界的なデジタル通貨市場での競争力強化を狙う。
「世界に追いつく」必要性強調
松本氏は「ステーブルコインに取り組まなければ世界に追いつけない」と述べた。発行には大規模なインフラと資本が必要になると説明した。世界の金融市場が急速にデジタル通貨に適応する中、こうした取り組みは避けられないと強調した。
Sponsored1999年に設立されたマネックスは東京を拠点とするオンライン証券会社だ。フィンテック事業にも注力し、コインチェック買収やWeb3分野への投資を通じて暗号資産事業を拡大している。
計画中の円建てステーブルコインは日本国債で価値を裏付けする。国際送金や企業間決済、小売取引での利用を想定する。普及に向けてコインチェックやマネックス証券といった既存プラットフォームを活用する予定だ。
日本と海外で高まる規制の動き
ステーブルコインを巡る規制環境は改善している。7月に米議会がドル連動ステーブルコインを通貨として法的に認める「ジーニアス法」を可決した。銀行や決済会社での普及を促す内容で、業界の安定性向上につながると期待される。
日本でも動きが活発だ。今月初めに金融庁がスタートアップのJPYCを国内初のライセンス保有ステーブルコイン発行者として認可した。SBIホールディングスも住友三井銀行と連携してステーブルコイン流通の検討を発表している。規制とイノベーションの両立を図る日本の姿勢が鮮明になっている。
マネックスは海外買収も強化する。松本氏は欧州のブロックチェーン関連企業の買収交渉が最終段階にあると明かした。数日内に発表予定という。昨年12月にはコインチェックグループをナスダックに上場させており、グローバル展開の足がかりとしている。