JPモルガンは13日、スペースX(SPCX)の目標株価を240ドルで維持した。月曜日の終値135ドルから約80%高い水準である。ダグ・アンムス氏によると、その根拠はロケット事業ではない。
同行は生成AIに賭ける姿勢を示す。240ドル評価時のスペースX時価総額は3兆ドル超となる。AIモデル「Grok」と、新たに買収したCursorがその大半を担う見通し。
JPモルガンがスペースX株をAI関連銘柄と位置付ける理由
スペースXは8月14日にCursorの買収を完了した。同コーディングプラットフォームの年間経常収益は6月時点で約40億ドル。その約75%が法人顧客から得られている。
これは2つの理由で重要となる。既にCursorを利用する企業に、今後Grokの販売提案が容易となるためだ。加えて、数百万件の本物のコーディングセッションが学習データに活用される。
スペースXはコーディング関連資産を強く求めていた。今月は競合スタートアップのCognitionにも買収を打診したが、拒否された。
「スペースXのAIへの取り組みがより明確になりつつあり、われわれはGrokに対して一段と強気である」とアンムス氏は指摘した。
JPモルガンによれば、既に成果は現れ始めている。CursorのデータがGrokの追加学習に活用され、直近のモデル性能も目に見えて向上した。
Grok 4.6、Grok Bot、9月のロック解除
Grok 4.6は8月12日にリリースされた。デビュー時にスペースXの時価総額を5000億ドル押し上げた。
JPモルガンはこのモデルがパレートフロンティア上に位置すると説明する。つまり、これより高性能で低価格なものはなく、これより廉価で賢いものも存在しない。こうした組み合わせは開発者や企業の支持を集めやすい。
さらなる展開も控えている。同行は12月までほぼ毎月、新たなモデルが登場すると予測。年内にGrok 5も予定される。さらに、Grok Botのローンチにも触れる。同エージェントは法人顧客向けの業務支援タスクを担う。
イーロン・マスク氏は今後の学習のために、SpaceXのエンジニアリングデータ提供を約束した。JPモルガンは20年以上にわたるロケット開発ノウハウが、Grokの現実世界の工学領域での優位性につながるとみる。
ただし、リスクがないわけではない。スペースXのAI部門は直近四半期に12億6000万ドルの損失を計上し、資本支出の86%を吸収した。
直近の試練は需給面にある。9月9日・10日には約3億7000万株がロック解除され、流通株式数が約20%増加する見通し。SPCXは6月の上場来高値後、苦戦が続いており、本稿執筆時点で137.85ドル。
JPモルガンは、法人向けGrok販売が今後スペースXのAI収益の比重を高めると展望する。目先の焦点はシンプルだ。AIストーリーが株式供給増加の波を上回れるかどうか。











