オープンAIがジャスティン・サン氏による初の100万ドル数学賞の受賞者に選ばれたものの、同社はこの賞金を受け取らずに放置している。数週間前にクレイ数学研究所から授与された同額の賞についても同様であった。
この賞は、AIによるナビエ–ストークス方程式の証明に与えられるものだった。流体力学分野で数十年にわたり数学者たちが解明に挑み続けてきた難題である。2人の研究者は、この業績が自身の未発表研究に基づくものであると主張するが、オープンAIはこれを否定している。
オープンAIが賞金の受け取りを辞退し続ける理由
オープンAIは、9月8日に3次元ナビエ–ストークス問題の証明を公開した。同社は「1万体のAIエージェントが88時間かけて問題を解き、その後、別モデルのGPT-6 Astraがさらに17時間かけて論理を検証した」と説明した。
クレイ数学研究所は、2000年にこの問題を7つのミレニアム懸賞問題の一つとして設定。各問題の賞金は100万ドルで、同研究所はウェブサイト上でいまも未解決扱いとして掲載している。
オープンAIは当時、「クレイ数学研究所の賞金は受け取らない」と公言していた。その後、この証明が誰の業績によるものかについて疑義が生じたことで事態はさらに注目を集めた。
2人の数学者が、自身の未発表研究がオープンAIの製品内に取り込まれていると主張。しかし会社側はこの主張を否定している。
「彼らのモデルが何をどうやったのか、私には分からない。我々のデータが使われたのかも分からない。私は誰かを非難するつもりはない」とニューヨーク大学のトリスタン・バックマスター教授は述べた。
2つ目の賞金、再び辞退
この論争が発生してから8日後、ジャスティン・サン氏のチームは同じ問題への独自の回答を発表した。ジャスティン・サン賞を創設し、従来型の査読ではなく、機械による検証可能な証明に基づく懸賞制度とした。
サン氏のリストに登録された各問題は2回まで賞金を支払うことができる。最初は証明を提出した人物に、もう1回はその証明をコード化した人物に対して。サン氏のチームは、ナビエ–ストークス証明の初回100万ドルトップ賞の受賞者としてオープンAIの研究チームを指名した。
ナビエ–ストークス問題はリストの5番目である。解決済みと表示され、オープンAIチームが貢献者として記載されており、受給資格があるものの、賞金はいまだ未請求となっている。
サン氏の規則によると、問題がリストに追加される前にすでに解かれていた場合、賞金はその証明を機械が理解できる形式に翻訳した人物に支払われ、証明者本人には支払われない。
「私が気にするのは結果だけであり、貢献者が人間か機械かは問わない」とジャスティン・サン氏は語った。
サン氏のリスト上でも、同問題の記載には注意書きが添えられている。オープンAIの発表は査読されたものではなく、数学界での正式な承認も確認されていないという内容である。









