暗号通貨の資金調達方法として、ICO(Initial Coin Offering)が注目を集めていましたが、近年、IEO(Initial Exchange Offering)が台頭しています。IEOは、暗号資産取引所が企業やプロジェクトを精査し、トークン発行を通じた資金調達を支援する仕組みです。
本記事では、IEOのメリットやデメリット、注意点について解説します。IEOに興味がある人はぜひ最後までご覧ください。
IEOとは?

暗号通貨のIEO(Initial Exchange Offering)とは、暗号資産取引所が企業やプロジェクトを精査し、トークン発行を通じた資金調達を支援する仕組みのこと。
IEOを実施するプロジェクト側の流れとしては、以下です。
- IEOを実施したいプロジェクトが、暗号資産取引所にトークン発行の申請を行う
- 取引所は、トークンの設計やプロジェクトの実現可能性などを審査
- 基準を満たすと判断された場合、IEOの実施を承認
承認されたIEOでは、取引所がトークンの販売を行います。投資家は、取引所に口座を開設し、募集開始日にトークンを購入することができます。IEOで集められた資金は、プロジェクトの開発や運営に使用されます。
IEOは、ICO(Initial Coin Offering)と似ていますが、以下の2つの点で異なる点があります。
- トークンの販売は、暗号資産取引所が行う
- トークンは、IEOを実施した取引所に上場する
ICOは、企業やプロジェクトが直接投資家から資金調達を行うため、詐欺などのリスクが懸念されていました。 しかしIEOでは、暗号資産取引所がトークンの審査を行うため、ICOに比べてリスクを軽減できると考えられています。
また、IEOでは、トークンが取引所への上場が前提になっているため、投資家はトークンをすぐに売却して現金化できるというメリットがあります。IEOは、暗号資産業界の新たな資金調達の手段として注目を集めていおり、今後も、IEOを実施する企業やプロジェクトが日本国内からも増えることが予想されます。
IEOのメリット

IEOのメリット3つについて解説します。
- 詐欺などのリスクが軽減できる
- トークンをすぐに売却して現金化できる
- 取引所ユーザーなら誰でも参加可能
IEOのメリット①:詐欺などのリスクが軽減できる
ICOでは、詐欺などの目的で、トークンが不正に販売されるなどのリスクがありました。IEOでは、暗号資産取引所がトークンの審査を行うため、これらのリスクを軽減することができます。
また、取引所は、自社のブランドや信用をかけてIEOを実施するため、不正なプロジェクトを審査に通すメリットはありません。そのため、取引所の審査を通過したIEOは、ある程度の信頼性があると判断できます。
IEOのメリット②:トークンをすぐに売却して現金化できる
IEOでは、トークンが取引所への上場が前提になっているため、IEOでトークンを購入した投資家は、トークンをすぐに売却して現金化できるというメリットがあります。
IEO実施後、すぐに取引所で取引が開始されるため、高い流動性が確保されます。ICOの場合、トークンが市場で取引されるまでに時間がかかることがありますが、IEOではそのプロセスがスムーズになるため、利益を確定したい投資家にとっては大きなメリットといえます。
IEOのメリット③:取引所ユーザーなら誰でも参加可能
IEOでは、取引所ユーザーなら誰でも参加することができます。
ICOでは、プロジェクトのウェブサイトなどからトークンを購入する必要がありました。そのため、海外のプロジェクトに参加するためには、海外の取引所に口座を開設する必要がありました。IEOでは、取引所がトークンの販売を行うため、取引所ユーザーなら誰でも参加することができる点も、IEOの大きなメリットです。
IEOのデメリット

IEOのデメリットについても解説します。以下の2つです。
- 参加者多数の場合は抽選になる
- 上場後、トークンの価格が下落するリスクがある
IEOのデメリット①:参加者多数の場合は抽選になる
IEOは取引所で口座を持っている投資家であればだれでも参加できますが、将来性のあるプロジェクトには多くのIEO参加希望者が出る可能性があります。参加者が多い場合は取引所によって抽選が行われ、IEO抽選に外れると取引所ユーザーであってもIEOに参加できなくなってしまいます。
抽選が行われることで、参加者全員が必ずしも購入できるとは限らないということは、認識しておきましょう。
IEOのデメリット②:上場後、トークンの価格が下落するリスクがある
IEOでは、トークンが取引所への上場が前提になっているため、IEOでトークンを購入した投資家は、上場後にトークンを売却して利益を上げることができます。
その結果、上場後の価格が下落するリスクもあり、大きな損失を一時的に出してしまう可能性もあります。IEO実施直後は、ボラティリティが非常に大きくなるため、IEO後に投資を行おうと考えている場合は、注意するようにしましょう。
IEOの参加方法
IEOに参加するには、以下の手順を踏みます。
- IEOを実施する取引所に口座を開設する
- IEOのプロジェクトの情報収集をする
- IEOの参加条件を確認する
- IEOの参加申し込みをする
- 抽選に当選した場合、トークンを購入する
IEOの参加方法①:IEOを実施する取引所に口座を開設する
IEOに参加するには、IEOを実施する取引所に口座を開設する必要があります。取引所の口座開設には、以下の手順が必要です。
- 取引所のウェブサイトにアクセスする
- 「口座開設」のページに進む
- 必要事項を入力する
- 本人確認書類をアップロードする
- 住所確認書類をアップロードする
- 口座開設の申請をする
口座開設の申請が承認されると、口座開設完了となります。
IEOの参加方法②:IEOのプロジェクトの情報収集をする
IEOに参加する前に、IEOのプロジェクトの情報収集を行いましょう。プロジェクトの概要やトークンの詳細、投資するかどうかを判断するのがオススメです。
プロジェクトの情報は、プロジェクトのウェブサイトやホワイトペーパー、プレスリリースなどで確認でき、また、取引所のウェブサイトやSNSなどで、IEOのプロジェクトに関する情報を発信している場合があります。
IEOの参加方法③:IEOの参加条件を確認する
IEOの参加には、いくつかの条件が設けられている場合があります。例えば、取引所の口座開設期間や保有資産の額、抽選の参加条件など。参加条件を満たしていないと、IEOに参加できないので、必ず確認しましょう。
参加条件は、IEOのプロジェクトのウェブサイトや取引所のウェブサイトなどで確認できます。
IEOの参加方法④:IEOの参加申し込みをする
IEOの参加申し込みは、取引所のウェブサイトから行うことが可能。参加申し込みには、トークンの購入金額を入力します。
参加申し込みの期限は、IEOのプロジェクトごとに異なります。期限までに参加申し込みをしないと、IEOに参加できないため、その点には十分注意してください。
IEOの参加方法④:抽選に当選した場合、トークンを購入する
抽選に当選した場合、トークンを購入することができます。トークンの購入は、取引所のウェブサイトから行われる場合が多いです。
また、トークンの購入には、取引所の口座に十分な資金があることが必要になります。IEO参加前に必要資金を準備するようにしましょう。
国内の暗号通貨取引所では、コインチェックやGMOコインなどがIEOを実施しているため、ぜひ参考にしてみてください。
IEOを始める際の注意点

- 中身を理解できないプロジェクトには投資しない
- IEOへの参加は、必ず余剰資金で行う
IEOを始める際の注意点①:中身を理解できないプロジェクトには投資しない
IEOに参加する際には、まずトークンのプロジェクトについて十分な情報収集を行うことが大切です。
ビジネスモデル、収益の見込み、トークンの用途など、投資を決定する上で重要な要素を理解しておきましょう。SNS等で大きな話題になっていたとしても、自分が理解できないプロジェクトに投資することは、高いリスクを伴うため、注意しましょう。
IEOを始める際の注意点②:IEOへの参加は、必ず余剰資金で行う
IEOの投資にも一定のリスクがあります。十分な理解と情報収集を行わないと、損失を被る可能性があるため、IEOへの参加は、必ず余剰資金で行うようにしましょう。
余剰資金で投資することで、仮に投資で損失を被ったとしても、生活に支障をきたすことはないため、投資を行う際はぜひ注意するようにしてください。
まとめ:IEOは大きな利益を出せる可能性がある

本記事では、暗号通貨のIEOについて、メリットやデメリット、注意点などを解説しました。IEOは、新しいトークンの発行者が取引所を通じてトークンを売り出す方法で、ICOと比較して投資家保護やトークンをすぐに売却して現金化できるといったメリットがあります。しかし、IEOの普及に伴い、投資や価格変動リスクも懸念されています。IEOに参加する際には、これらのリスクにも注意が必要です。
IEOによる資金調達は、プロジェクトの発展に必要な資金を調達するための手段として、今後も多くの企業やプロジェクトに利用されることが期待されます。今後のIEOの普及展開に期待しましょう。
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