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【2024年版】ベストAIセキュリティ・ソリューション・ガイド

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著者:
Shota Oba

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編集:
Shigeki Mori

21日 8月 2024年 19:30 JST
Trusted-確かな情報源

デジタルセキュリティは、一歩間違えると危険な領域です。暗号資産ウォレットの保護、スマートコントラクトのセキュリティ、さらには中央集権型のITシステムの保護を目指すにあたって、信頼性のあるAIセキュリティソリューションは非常に重要なツールです。そこで今回は、デジタル資産と運営を安全に保つためのトップツールを紹介します。

キーポイント

  •  AIセキュリティ・ソリューションのトップはWallet CheckerとSentinel。
  • これらのソリューションは、個人ユーザーだけでなく、組織にとっても魅力的なユースケースを持っています。
  • 分散型エコシステムの枠を超え、Web2とWeb3の両方に有効です。

注目のトップAIソリューション

詳細に入る前に、同ガイドで紹介するおすすめのAIソリューションのリストをご覧ください。

  • Wallet Checker: 暗号資産ウォレットのセキュリティ状態を評価するツール
  • Sentinel: 暗号資産取引を監視し、疑わしい活動を検出するツール
  • AGIS: コード監査者として脅威パターンを分析し、サイバー攻撃を予測するツール
  • CryptoGuard: 暗号資産取引のセキュリティを確保するためのセキュリティ統合ツール
  • Darktrace: 脅威を特定するAI駆動のサイバーセキュリティソリューション
  • Vectra AI: ネットワーク異常を継続的に監視し、検出するツール

それでは、各ツールの詳細を見ていきましょう。

関連記事:暗号資産詐欺プロジェクト:偽トークンを見破る方法

1. Wallet Checker

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Wallet Checkerは、暗号資産ウォレットのセキュリティを分析し、潜在的な脆弱性について包括的なレポートを提供するツールです。ユーザーはウォレットを接続し、リスクがないか確認することができます。

ai security solutions wallet checker
出典: Wallet Checker

使用例

ウォレットのセキュリティを確保したい暗号資産保有者に最適です。ユーザーはMetaMaskウォレットを接続してシームレスな体験ができます。

プロセス

  • まず、リンクをたどってWallet Checkerにアクセスします。
  • 次に、ウォレットを接続するか、分析したいアドレスを入力して選択します。

MetaMaskウォレットを使ったデモも提供されていますが、AgentLayerのテストネットに接続する必要があることを覚えておきましょう。

  • 接続後、テストを実行します。問題がなければ、Wallet Checkerはポジティブな通知を返します。

Wallet Checkerの有用性

初心者から上級者まで、多くのユーザーがWallet Checkerに頼れるでしょう。たとえば、未知の送信者から暗号資産を受け取った場合、それが疑わしい活動に関連していないか確認するために、MetaMaskウォレットを接続してチェックすることが可能です。

上記はイーサリアム共同設立者であるヴィタリック氏のウォレットアドレスと最近開始された取引です。ウォレットチェッカーでは、各アドレスをコピーして、すべてが一致しているか、または赤信号があるかどうかをチェックすることができます。

Wallet Checkerのようなエージェントは、フィッシングや他の攻撃に関連する不正なウォレットアドレスを排除する手助けもしてくれます。

例として、2024年7月にインドの暗号取引所WazirXで発生した攻撃では、ハッカーによりユーザー資金2億3000万ドルが盗まれましたが、これはCEXの総準備金の約45%に相当します。このような事例は、Wallet Checkerのような包括的なツールの必要性を浮き彫りにしています。

2. Sentinel

Sentinelは、分散型エコシステム内のすべてのオンチェーン取引を監視するブロックチェーン監視ツールです。高度なAIとリアルタイム監視を使用して、疑わしい活動や潜在的な脅威を検出します。

トークンアドレスが提供された場合の動作のスナップショットを以下に示します:

How Sentinel secures transactions: AgentLayer
出典: AgentLayer

使用例

詐欺を防ぐために、取引の継続的な監視を必要とするアクティブなトレーダーや機関に最適です。同AIセキュリティソリューションは、ICOに参加する予定がある場合にも役立ちます。

Sentinelを取引アカウントにリンクすると、異常な取引パターンを検出し、すぐにユーザーに警告することで、詐欺を事前に防ぎます。即時のアラートや行動可能なインサイトを得るために、同AI監視ツールと連携することもできます。

Sentinelの有用性

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投資家として、ウォレットアドレスを迅速に追跡し、それが過去に詐欺に関連していたかどうかを確認することができます。たとえば、ウォレットアドレス0x9876a5bc27ff511bf5da8f58c8f93281e5bd1f21は、コピーしたウォレットアドレスを変更するマルウェアに関連しており、49万713ドルの損失を引き起こしました。このような事例においても、Sentinelを使用して追跡することが可能です。

関連記事:暗号資産プロジェクトのセキュリティ:早期の脅威検知ガイド

3. AGIS

AGISは、スマートコントラクトのセキュリティを確保するために開発者を支援するAI駆動のブロックチェーンコード監査アシスタントです。任意のブロックチェーンプログラミング言語をサポートし、ユーザーはコードの一部を入力して分析することができます。

agis
出典: AGIS

AIセキュリティソリューションの機能については、以下の通りです:

  1. コード監査
  2. 実際のエクスプロイト解析
  3. 検出された脆弱性の2重チェック
  4. コードディスカッションを分解するための組み込みチャット機能
chat support
出典:AGIS

使用例

スマートコントラクトのデプロイ前に、そのセキュリティを確保したいブロックチェーン開発者に最適です。

開発者はスマートコントラクトのコードを入力し、AGISがそのコードを分析してセキュリティ上の欠陥を指摘し、改善策を提案します。これにより、潜在的な攻撃が防止され、コントラクトのセキュリティが確保されます。

AGISの有用性

例えば、あなたが新しい分散型金融(DeFi)アプリの開発者だとします。スマートコントラクトのセキュリティを確保するために、AGISを使ってコードの脆弱性をチェックすることができます。以下は、AGISが検出できるバグのあるコードの例です。

function withdraw(uint _amount) public {
    require(balances[msg.sender] >= _amount);
    (bool success, ) = msg.sender.call{value: _amount}(“”);
    require(success);
    balances[msg.sender] -= _amount;
}

このコードは「リエントランシ攻撃」に対する脆弱性を含んでいます。リエントランシ攻撃とは、スマートコントラクトが自身の状態を更新する前に、外部のコントラクトに対して外部コールを行うことで、悪意のある再エントリや繰り返しの操作(例えば、連続した出金)が可能になる攻撃です。AGISはこのような問題を特定することができます。

4. CryptoGuard

Web3に特化した包括的なAIセキュリティソリューションを求めているなら、ChainGPTのCryptoGuardに注目してください。同ソリューションは、Web3空間内のフィッシング、マルウェア、その他のサイバー脅威に対するエンドツーエンドの保護を提供します。また、ブラウザ拡張機能としても利用可能です。

connect your wallet
出典: CryptoGuard

CryptoGuardの主な機能は以下の通りです:

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  1. Web3アンチウイルス
  2. フィッシング・サイト・ブロッカー
  3. マルウェア検出
  4. スマートコントラクトのリスクスコア
  5. 複数のチェーンをサポート: ポリゴン、バイナンススマートチェーン、イーサリアム
ai security solutions crypto guard
出典:CryptoGuard 

使用例

CryptoGuard拡張機能をお気に入りのブラウザ(Chrome、Opera、Brave、Edge)にインストールすることで、リアルタイムの保護と暗号取引およびインタラクションのリスク分析が可能となります。同ツールは、タイムリーなアラートと詳細なセキュリティ評価を提供することで、詐欺や不正行為を防ぎます。

features crypto guard
出典: CryptoGuard

CryptoGuardの有用性

頻繁にNFTを取引し、さまざまな分散型アプリケーション(DApps)とやり取りしているとしましょう。

ある日、人気のあるNFTマーケットプレイスから期間限定のプロモーションを提供するメールが届きます。そのメールにはリンクが含まれており、クリックすると、正規のマーケットプレイスに見せかけたサイトに誘導されます。しかし、実際には、あなたの認証情報を盗むためのフィッシングサイトです。

CryptoGuardのサポート:

  1. CryptoGuardは、このフィッシングの試みを検出し、サイトをブロックして、機密情報が漏洩しないようにします。
  2. すぐに疑わしいサイトに関する警告を受け取り、詐欺を避けることができます。

関連記事:人工知能(AI)関連の暗号資産に投資するには?

5. Darktrace

Darktraceは、単なるソリューションではなく、企業そのものが自律学習AIを活用して、さまざまなデジタル環境全体にわたる包括的な保護を提供します。このAIはリアルタイムでサイバー脅威を検出、分析し、対応します。さらに、最小限の人間の介入で脅威に適応します。

Darktraceの主な特徴には以下が含まれます:

  • アクティブなAIサポート
  • エンドポイント、メール、クラウド環境などに対する包括的なカバー
  • 自律学習型のAI
Features of DarkTrace: DarkTrace
出典: DarkTrace

使用例

Darktraceは、既存のインフラに統合できる適応型サイバーセキュリティソリューションを求める、あらゆる規模の企業に最適です。

Darktraceの有用性

Darktraceは、ITソリューションやインフラを保護します。以下は、Darktraceの保護機能がどのように機能するかの具体例です。

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オリオン・オフィスREITでは、1GB以上のデータが生成AIツールにアップロードされようとした事件が発生しました。Darktraceはこの異常な活動を検知し、データ漏えいを防止しました。

また、2022年カタールで開催されたFIFAワールドカップでも、重要なインフラや機密データを狙った複数のサイバー攻撃が発生しました。Darktraceは、このイベントをサイバー攻撃から保護するために配備され、ステークホルダーはAIの能力に頼って、リアルタイムでデジタル環境を監視し、安全を確保しました。

6. Vectra AI

最後に紹介するのは、AI駆動のアタックシグナルインテリジェンスを活用した高度なサイバーセキュリティソリューションを提供するVectra AIです。同ソリューションは、リアルタイムでサイバー脅威を検出、優先順位付け、調査、対応します。また、ネットワーク、アイデンティティ、クラウド、SaaS環境をカバーするXDR(拡張検出および対応)機能も提供します。

vectra ai
出典:Vectra

XDR(拡張検出および対応)機能は、ネットワーク、クラウドサービス、ユーザー識別情報など、さまざまなソースからセキュリティデータを収集し、潜在的な脅威を全体的に把握することを可能にします。これにより、組織は問題を迅速に発見し、より効果的に対応できるため、システムを攻撃から安全に保つことができます。

使用例

Vectra AIは、内部調査(観察)や認証情報の悪用に関連する異常なパターンを検出します。このプラットフォームはこれらの活動を関連付け、セキュリティチームに協調攻撃の可能性を警告します。AIセキュリティソリューションは、ハイブリッドクラウド環境全体で機能し、セキュリティチームが迅速に対応できるように、正確で実用的な機能を提供します。

Vectra AIの有用性

Vectra AIがどのように役立つかは既に記述しましたが、ここでは実際にツールが脅威を軽減した例をご紹介します。

SolarWindsの侵害に関連するSUNBURST攻撃は、歴史上最大のサプライチェーン攻撃の一つでした。攻撃者は、SolarWindsのOrionソフトウェアにバックドアを仕込み、それが政府機関やFortune 500企業を含む多くの組織に配布されました。

Vectra AIは、クラウドとネットワークのメタデータを分析することで、ネットワーク内の隠れたC2(指令と制御)活動を特定しました。この早期検出は、攻撃による被害を最小限に抑え、さらなるデータ侵害を防ぐ上で非常に重要であったとされています。

なぜWeb3とWeb2のセキュリティソリューションを一緒に議論するのか?

暗号資産の保護に加えて、AIセキュリティソリューションは、ユーザーや開発者に取引やスマートコントラクトが悪意のある活動から安全であるという安心感を提供します。特に、AIセキュリティソリューションの有用性はWeb3領域にとどまらず、DarktraceやVectra AIのようなプラットフォームが示すように、従来のWeb2環境においてもAI駆動のサイバーセキュリティ対策は非常に重要です。

AIをセキュリティフレームワークに統合することで、組織はデジタル領域にかかわらず、サイバー脅威に対する耐性を強化することができます。これらの組織が将来的に何らかの形でWeb3領域に進出する可能性があるため、Web2ツールとWeb3セキュリティソリューションの重なりは、より安全で統合されたデジタル未来を築く助けとなるでしょう。

関連記事:Web3.0の始め方とメリット・将来性を解説

よくある質問

AIセキュリティソリューションとは?

最適なAIセキュリティソリューションの選び方

Web2とWeb3のAIセキュリティソリューションの違いとは?

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