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AI画像生成ツールCraiyonとは?

22 mins

Craiyon(旧DALL-E Mini)はOpenAIのDALL-Eと同様、テキストプロンプト(文章による質問)を入力するだけで、美しい画像を作成してくれるAI画像生成ツールです。ただし、CraiyonはOpenAIの製品ではありません。実際には、OpenAIのDALL-Eの成果を、オープンソース・モデルで再現したもので、最近Craiyonにブランド名が変わりました。この記事では、Craiyonの機能について紹介するとともに、Craiyonでできること、できないことについて、また、ビジネス利用での今後の展望やその課題について解説します。

Craiyonとは?

ユーザーインターフェース: Craiyon

Craiyonは、以前はDall-e Miniとして知られていましたが、もともろはコーディングコンテスト(ハッカソンのこと:アプリやシステムの開発を担当するエンジニア、デザイナー、プログラマーなどが集まり、集中的に開発を行うイベント)用に、ボリス・デイマ氏が開発したテキストから画像へ変換するAI画像生成ツールです。機械学習エンジニアで起業家の同氏は、OpenAIの技術からヒントを得て、膨大な画像コレクションについて(技術的)トレーニングを施し、この生成AIツールを開発しました。

Craiyonは、テキストの記述によって画像の構成要素を認識するようにトレーニングされています。つまり、このAIツールは、膨大な数の視覚データと自然言語処理を統合して、視覚的な対象を理解し言語に関連付ける機能を備えています。

Craiyonは、デイマ氏の努力とオープンソースコミュニティの協力により、短期間で高品質な画像を生成できるようになりました。

なお、DALL-E MiniからCraiyornへのブランド名の変更は、OpenAIがユーザーの混乱を避けるためにDaymaに製品名の変更を依頼したためです。

OpenAIのオリジナルモデル「DALL-E」とは?

OpenAIは、大規模言語モデル(LLM)分野とその消費者向けアプリケーションにおいて、他社の先頭を走っています。DALL-E 2とその基盤となるテキストから画像への変換技術は、OpenAIが誇る技術の1つです。

これは、ユーザーが入力したテキストプロンプトをAIが解釈し、視覚的に魅力的な画像に変換するという最先端の技術ツールです。テキストの記述をもとに画像を生成するという技術的インパクトは非常に大きく、デザイン、エンターテインメント、教育など、様々な分野での応用が期待されています。

OpenAIのテキスト画像変換ツールのトレーニングは、インターネット上にある多数の画像のレビューという大掛かりな作業になります。これらの画像にはそれぞれ、キャプションを用いた(テキストの)「説明」が付されます。これらのテキスト-画像の組み合わせを分析して、ツールはテキスト入力に対応した画像を作成する能力を高めていきます。このツールは、記憶したものから特定のコンセプト(組み合わせのパターン)を呼び起こすことができますが、複数のアイデアを組み合わせた新しいビジュアル画像の構築もできます。

以下は、OpenAIのテキスト画像変換ツールの主なコンポーネントです:

  • 生画像を数値列に変換する画像エンコーダー(符号器)
  • シーケンスを画像に戻すデコーダー(復号器)
  • テキストプロンプトを符号化された画像に変換する機能
  • 生成された画像の品質を評価し、より効果的なフィルタリングを行う機能

Craiyonの仕組みは?

Craiyonは、OpenAIのオリジナルモデルであるDALL-Eを小型化したものです(そのため、DALL-E Miniと呼ばれています)。トランスフォーマー(transformer)とジェネレーター(generator)という2種類のニューラルネットワークを組み合わせています。Craiyonのジェネレーターは、Generative Adversarial Network(GAN:敵対的生成ネットワーク:2種類のニューラルネットワークを戦わせながらAIのデータ学習を進めていく考え方)に似ていますが、従来のGANの枠には当てはまりません。

Craiyonのジェネレーターは、テキスト記述を入力として処理し、その記述に対応する画像を作成します。入力されたテキストをある種の表示に変換するトランスフォーマー・ネットワークを利用し、その表示をもとに畳み込み(convolutional)ニューラルネットワーク(CNN)を用いて画像を作成します。ジェネレーターのトレーニングには、reconstruction loss(正確な画像の再構成)とadversarial loss(より写実的で鮮明な画像の生成)の組み合わせが用いられていますが、後者はGANで用いられるアプローチと似ています。

Craiyonのトレーニングは、ウェブ上にある無数の画像と、それに対応するキャプションの組み合わせをレビューして行われます。これは、Craiyonがテキストプロンプトを解釈して画像の作成を学習するプロセスとなります。似たような画像を記憶することで、対応するコンセプトを呼び起こすこともできますが、「赤い惑星で波に乗るイヌ」など、複数のアイデアを組み合わせて、まったく新しいビジュアル画像を作り出すことも得意です。

上記のきれいな画像は、以下のコンポーネントの調和により実現しています:

  • 画像エンコーダーとデコーダーのペアによる原画像⇔数値列の相互変換
  • テキストプロンプトの円滑な符号化画像への変換
  • 生成された画像の品質評価と洗練されたフィルタリングの実現

Craiyonは、上記の要素を組み合わせることで、ユーザーが思い描くビジュアル画像を生成します。

アート・広告・ゲームなどのクリエイティブ分野で効果的

Craiyonによるテキストプロンプトを素晴らしいビジュアル画像に変える機能は、アート、デザイン、広告、マーケティング、エンターテインメント、ゲームなどに対する、私たちのこれまでの取り組み方を大きく変える可能性を秘めています。ただし、留意すべき点は、この大変革を迎えるにあたって、Craiyonの他にも、テキストから画像に変換するAIツールは今後競争が激しくなりそうです。

以下のように、業界にとらわれないユースケースがあります(ただし、これらに限定されるわけではありません):

AIが生成するアート&デザイン

Craiyonは、AIが生成する革新的なアートとデザインへの道を開き、アーティストやデザイナーがユニークなビジュアル画像を生成できる最新ツールを提供します。クリエイターはテキストプロンプトを書き込んで、プロジェクトに華を添えるパーソナライズされたオリジナルイラストを作成できます。

クリエイティビティにつながるビジュアルコンセプト

Craiyonを使えば、プロジェクトにおけるブレインストーミングに新たな広がりが生まれます。Craiyonの技術は、文字だけの記述から既成概念にとらわれないビジュアルコンセプトを作り上げるのに役立ち、担当チームはより効果的にアイデアを探り、練り上げることができます。

広告・マーケティングへの効果

Craiyonのテキストから画像への変換機能は、広告主やマーケティング担当者へも新たな可能性をもたらします。AIが生成する画像により、視覚的にインパクトのあるマーケティング資料や広告が作成でき、ターゲットとなる顧客を魅了し、ブランド力を高められます。

以下は、2020年から2028年までの世界のマーケティングにおけるAIの市場価値の予測です。

AI市場価値予測:Statista

エンターテインメントとゲーム開発

Craiyonの技術は、エンターテインメントやゲーム業界においても大きな可能性があります。ゲーム開発者やコンテンツ制作者は、AIが生成した画像を利用して、没入感のあるゲーム環境、個性的なキャラクター、プレイヤーや視聴者を惹きつける視覚的効果のあるグラフィックを開発できます。

悪用や権利侵害などのデメリットも

Craiyonのような、テキストから画像へと変換してくれるAIツールはとても便利ですが、懸念点もあります。

AI生成画像が悪用される?

例えば、悪意のある人がこれらのAIツールを使って、中傷的または不適切な画像を作成した場合を想像してみてください。フェイクニュースが蔓延する世界では、AIが生成した画像が悪用されて偽情報キャンペーンの展開や、世論操作、また個人への危害が起きる可能性があります。

おぞましい例としては、人為的に捏造されたAI生成の画像や動画が、特定の人々を描写する「ディープフェイク」の流行があります。Craiyonは動画操作用には設計されていないものの、こうしたフェイクは、テキストから画像への変換技術に伴う潜在的なリスクを如実に表しています。

知的財産の侵害になる?

また、AIが生成した画像の知的財産権(IP)への影響も考慮すべき倫理的側面です。生成されたアートワークやデザインの権利は、ユーザー、AI、AI開発者のどこに帰属するのでしょうか。こうしたツールが普及するにつれ、知的財産権をめぐる問題が継続するとみられます。アーティスト、デザイナー、企業は、ますます複雑化する法的な枠組みに対処する必要があります。

クリスティーズ(ロンドンを拠点とするオークションハウス)がオークションに出品した、AIが生成した肖像画、通称 「Edmond de Belamy」 を思い起こしてください。Generative Adversarial Network(GAN)を用いて作成されたこの作品は、架空の人物を伝統的な肖像画の手法で表現していますが、画期的な作品として、オークションでは432,500ドルの高値がつきました。しかし、このAI生成による作品は、従来の手法で肖像画を制作してきたアーティストの知的財産権を侵害しているのではないかという議論が噴出しました。

私たちは、以上の事を考慮したうえで、Craiyonのようなテキストから画像への変換を行うAIツールがもたらす今後の可能性をうかがう一方で、その使用に当たっては倫理的配慮を行うことが重要です。

「AIを開発または使用し、データを管理または処理するすべての組織は、責任と透明性をもってそれらを行う必要があります。企業は、自身のデータの使い方だけでなく、他人のデータの信頼できる管理者であるかどうかでも(信頼性が)判断されるようになっています。[中略] どの企業を信頼するかは、社会が決めることです」

ジニ・ロメッティ(前IBM CEO兼エグゼクティブ・チェアマン)

IBMニュースルーム

Craiyonの競争力と今後の見通し

Craiyonの画像生成機能は便利ですが、このAI画像生成ツールはまだ未完成です。時には、その出力が望ましい品質でないこともあります。特に、リアルなビジュアル画像や抽象的で複雑なリクエストのレンダリング(数値データの演算により、画像を生成し表示させること)に関しては、その傾向が強く見られます。クエリ(命令文)の複雑さが増すと、生成される画像の精度が低下する傾向もあります。これは、MidjourneyDALL-E 2Lensaのようなより高度なツールにも(影響の程度は低いですが)当てはまります。

Craiyonは、生成AIソフトウェアとして、これまで長い道のりを歩んできました。そして、このツールは、一般ユーザーが楽しめる娯楽用ツールとしての魅力を保ちながらも、企業やビジネスユーザーにとって価値あるリソースであることが証明されつつあります。Craiyonは、現在の機械学習と生成AIモデルの急激な進歩により、同業他社と同様、急速な発展の最中にあります。常識の枠にとらわれないこのAIツールによる創造的なビジュアル画像が、多くの業界の姿を変えてゆく期待が高まっています。

よくある質問

DALL-E Miniとは何ですか?

DALL-E Miniはどのような仕組みになっていますか?

なぜ「DALL-E Mini」と呼ばれるのですか?

Dalle Miniは無料で使用できますか?

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Takashi Higashi
国際広報、海外の先端技術調査、海外企業との提携等をこれまで行ってきました。ここ数年、暗号資産に関心を持ってウオッチしています。
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