詳細を見る

欧州で人気の暗号資産デビットカード7選

29 mins
記事 Iulia Vasile

暗号資産(仮想通貨)のデビットカードは利便性があり、その人気は高まってています。現在、暗号資産市場に参加する人が増えていますが、通信インフラ事業者もより参加しやすい市場環境を求めています。

ヨーロッパも、暗号資産デビットカードが広く使用されている地域です。この記事では、欧州の暗号資産デビットカードのトップ7を紹介します。

暗号資産デビットカードとは何ですか?

暗号資産(仮想通貨)デビットカードは、個人がオンライン、または対面で製品やサービスを購入するときに暗号資産の使用を可能にするものです。暗号資産カード所有者は、この現物のカードを使って取引やATMでの引き出しができます。デビットカードに暗号資産をあらかじめ入れておくことで、暗号資産デビットカードとして機能し、商品の購入時に相応するフィアット(不換通貨)分のみが自動的に交換されて(清算される)仕組みです。

ここ数年、暗号資産の広い地域における普及にともない、ヨーロッパでは暗号資産デビットカードの利用が増加しています。提供されるカードサービスには、キャッシュバック還元、利息、モバイルアプリに関する有益な分析情報などの特典があります。こうしたデビットカードは、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ライトコイン(LTC)など、いくつかの暗号資産に対応しています。

暗号資産デビットカードの仕組みは?

暗号資産デビットカードは、他のカードと同じように買い物に使用できます。プリペイドカードと似たようなかたちで、暗号資産をカードにロードする(読み込む)ことで、暗号資産を受け付けていない店舗においても、店内またはオンラインで購入できるようになります。

ヨーロッパで暗号資産デビットカードを申し込むには、暗号資産デビットカードを発行している会社に口座を開設する必要があります。カードを使用するにあたっては、本人確認と当該口座への暗号資産の預け入れが必要です。

どのカードを持っているか、どの暗号資産を選ぶかによって、それぞれ条件が異なります。どの暗号資産デビットカードにも、暗号資産リストが用意されています。言うまでもなく、最もよく利用されている暗号資産は、ビットコインとイーサリアムです。

これらの暗号資産デビットカードの大半は、暗号資産ウォレットをソフトウェアで備え、カード所有者はアプリを用いて当該カードに暗号資産またはフィアット(不換通貨)をロードする(読み込む)ことができます。カードや口座の管理も、アプリで操作できます。このアプリにはまた、オンラインでの商品購入時に使用できる仮想(バーチャル)カードの機能もあります。

いったんカードを読み込むと、普通のデビットカードと同じように、ATMや加盟店などで利用できるようになります。何よりうれしいのは、カードの現物が届くのを待つ必要がないことです。口座開設してすぐに仮想カードを使うことができるのです。

また、暗号資産カードの多くは、通常のポイントカードと同様、特定の商品カテゴリーにおける購入時に定額ポイント還元や キャッシュバックを受けられます。

暗号資産デビットカードを使用するメリット

現在、暗号資産は世界中の多くの人々に利用されています。デジタル資産が人々の日常生活の一部になっているため、それをどのように支払いに使えるかに関心を持つ人が増えています。

しかし一方で、現時点では、大半の企業で暗号資産そのものによる支払いは受け付けていないものの、暗号資産デビットカードの利用により、間接的に商品やサービスに対して暗号資産で支払っていることになります。ここでは、ヨーロッパで暗号資産デビットカードを使用する主なメリットを紹介します:

  • 年会費が安い:銀行は、高い手数料と年会費を請求することでよく知られています。しかし、暗号化されたカードは、手数料がずっと低く抑えられます。
  • 外貨両替手数料が無料: 銀行発行のカードの多くは、外貨両替が必要です。特に旅行中は、こうした手数料がかさむことがあります。暗号資産デビットカードは、外貨両替手数料がかかりません。ただし、VISAやマスターカード利用の際は標準的な手数料を支払う必要があります。
  • 1枚のカードでさまざまな通貨にアクセスできる:暗号資産デビットカードの多くは、暗号資産だけでなく、不換通貨にも対応しています。
  • キャッシュバック特典がある:暗号資産デビットカードで支払うだけで、キャッシュバックポイントを得ることができます。各暗号資産カードプロバイダーはさまざまな特典を設けており、取引ごとに3%またはそれ以上のポイント還元を獲得できる場合もあります。

欧州の暗号資産デビットカード 7選

暗号資産の投資家および保有者であれば、デジタル資産をできるだけ手軽に使いこなしたいと思うものです。幸いなことに、ヨーロッパに居住していれば、暗号資産デビットカードのオプションがたくさん用意されています。欧州における暗号資産デビットカードのトップ7は以下の通りです:

1. フルーイドファイナンス(Fluid Finance)

フルーイドファイナンス(Fluid Finance)は、スイスに本拠を置く銀行サービスソリューション企業です。フルーイドは、従来の銀行がもつ長所すべてを暗号資産に組み入れており、個人がデジタル資産を現実社会で使用できるよアプリを提供しています。

フルーイドファイナンスが特別なのは、従来の銀行(機能)に代わる、ウェブ3ウォレットへの接続を初めて実現していることです。

フルーイドの口座は使いやすく、カードの口座登録および本人確認をすれば、誰でも利用できます。同社の暗号資産デビットカードは多通貨対応カードなので、暗号資産投資家は利回りの獲得、暗号資産への投資および使用をすべて同一のアプリで操作できます。

フルーイド口座を利用する主なメリットは、以下の通リです:

  • 世界中で資金の受け渡しが可能(フルーイドFiトークンを1つ以上保有する必要があります)
  • ATMからの引き出しは月400ユーロまで無料
  • 預金は100%保険適応
  • すべての口座に4%の預金利息
  • 毎月の維持費は無料
  • 自身の口座をWeb3暗号資産ウォレットに接続できる

また、マスターカードが使える地域であれば、食料品などの現物の支払いに、仮想(バーチャル)カードと現物のカード(の両方)を使用できます。なお、今後はEU/EEA/英国地域に住む個人は、従来の銀行口座も開設できる予定です。

フルーイドの口座は100%保証されています。預金はすべて、同社の提携銀行によって信託保全されています。フルーイドのデジタルキャッシュは、提携銀行が1対1の割合で交換できる不換通貨の価値と同等です。

また、同社はブロックチェーン予測分析会社であるマーキー・サイエンス(Merkle Science)と提携し、オンチェーンおよびオフチェーン取引のすべてを査定しています。フルーイドの口座はこちらから登録できます。

2. ネクソ(Nexo)

ネクソは、長年にわたりよく知られた暗号資産プラットフォームです。個人および投資機関双方にサービスを提供しており、特に個人向けサービスは充実しています。

サービスの1つに、暗号資産を売却せずに使用できる「ネクソ(Nexo)カード」があります。このカードは、暗号資産を担保にして、世界中の数百万の店舗で使える仕組みになっています。また商品の購入や資金の引き出しのたびに、ユーザーには何らかの還元利益が提供されます。

ネクソカードの多岐にわたる機能には、次のようなものがあります:

  • ネクソなら2%(ビットコインは0.5%)が(取引収入として)得られる
  • クレジットライン(信用限度額)金利は年利0%から
  • アップルペイ、グーグルペイと連携
  • 毎月の最低返済額なし

ネクソは他にも個人向け機能を揃えているので、ネクソカードと合わせて利用するのも魅力的かもしれません。同社のサービスをくまなくチェックしてみる価値はあります。

3. エンビリー(Embily)

エンビリーは、VISAカードが使える場所であればどこでも使えるカードです。ビットコイン、イーサリアム、ステーブルコインなどの主要コインなどいくつかの暗号資産に対応しています。

エンビリープラットフォームの最も際立った特徴の1つは、ユーザーエクスペリエンスです。大変使いやすいように設計されています。ユーザーエクスペリエンスの良さと、VISAが使える店舗での利用が相まって、多くのユーザーにとって非常に便利なオプションとなっています。

エンビリーカードの特徴をまとめると以下の通リです:

  • 現物カードとデジタル(仮想)カードの両方が利用可能
  • キャッシュバック機能を準備中
  • カード利用を紹介された人は、現物のプラスチックカードで10ドル、仮想(バーチャル)カードで5ドルの割引を受けられ、一方紹介者は同じ金額とトップアップ(被紹介者の入金)額から0.10%を受け取ることができる
  • 他のサービスとの差別化を図った料金体系となっている

4. コインベースVISAカード

コインベースは、2012年に設立された最も有名な暗号資産取引所の1つです。コインベースカードの所有者は、VISAデビットカードが使える地域であればどこでも暗号資産が利用できます。このカードは、複数の通貨に対応しており、為替換算も容易なため、ヨーロッパで暗号資産デビットカードを探している人にとっては最適です。また、セキュリティもトップレベルに位置します。

コインベースカードを使用する主なメリットは、以下の通リです:

  • VISAカードが使える地域であればどこでも利用可能
  • 各種暗号資産ウォレットで支払いできる
  • さまざまなセキュリティ機能がある

ただし、注意する点として、コインベースカードの利用を開始するには、コインベースの口座を持っている必要があることです。このカードを使って支払う際には、自分のお気に入りの暗号資産を自動的にコインベースウォレットに換金して保管できるため、不換通貨を別に持つ必要はありません。

コインベースカードは、モバイルウォレット、2要素認証、即時カード凍結、利用状況追跡システムなど、セキュリティと利便性に優れた多くの機能を備えています。カード会員は、店舗やオンラインでの購入、世界中いたるところで、VISA ATMでの現金引き出しができます。

コインベースカードの場合、ヨーロッパおよび英国の居住者は、4.95ユーロまたは相応の発行手数料を支払う必要があります。なお、米国在住者は無料でカードを入手できます。その他、コインベースは2.49%の清算手数料など、いくつかの手数料を徴収しています。

5. ワイレックス(Wirex)

ワイレックスは、現物のデビットカードを提供するフィンテック・プラットフォームです。同社の暗号資産デビットカードは、暗号資産取引所との連動が可能です。創業は2016年、ロンドンで設立されました。創業は

ワイレックスの暗号資産デビットカードの優れている点は、デビットカードでの支払いを受け付ける業者すべてに対し、暗号資産または不換通貨で支払いができることです。

ワイレックスの最も一般的な使用例は次のとおりです:

  • 毎日支払/決済ができる
  • 国際送金が可能
  • マシンツーマシン(Machine-to-machine)決済

ワイレックスは、革新的な1つのアプリを通じて迅速かつ安全に資金を移動させる方法を提供することを、大きな目標に掲げています。商品やサービス購入時に最大8%のキャッシュバックというポイント還元率を組み合わせることで、従来の銀行取引に代わる魅力的な手段を提供しています。

6. クリプト・ドットコム(Crypto.com)

クリプト・ドットコムは、100種類以上の暗号資産の購入と使用をサポートしています。ユーザーは、クリプト・ドットコムVISAデビットカードで購入した商品に対して最大8%の還元利益を得ることができます。

また、暗号資産に加えて不換通貨をカードに追加することもできます。クリプト・ドットコムは20種類以上の不換通貨に対応しています。同社のカードは、VISAカードが利用できるすべてのショップで支払いができます。暗号資産を対価として、他の支払い手段と同様にUSドルの使用もできます。

さらに、購入または預け入れした暗号資産トークンの量によって、カードのランク(tier)が決定されます。ただし、KYC(本人確認義務)の検証は、ユーザーが自ら行わなければなりません。

ヨーロッパでクリプト・ドットコムのデビットカードを使うメリットは以下の通りです:

  • 80種類以上の暗号資産に対応
  • 月額費用や発行手数料は無料
  • ストリーミングサービスでのリベートが可能
  • ATMで1,000ユーロまで無料で引き出せる(カードの種類によって異なる)
  • 月会費・年会費は無料
  • カード会員はキャッシュバック報酬をCRO(クリプト・ドットコムのネイティブトークン)で受け取ることができる

よく名前の知られた取引所には多くのメリットがありますが、その分費用もかさみます。

カードを持つための手数料は無料ですが、カードを持つための条件が厳しいのです。高額のキャッシュバック還元の恩恵を受けるために上位のカードを取得しようとすると、その必要条件も増えます。たとえば、Obsidianカードを注文して、8%のキャッシュバックと毎月1000ユーロまでのATM引き出し手数料無料を享受したい場合、35万ユーロ相当のCROトークンを購入し、180日間保持しなければなりません。

7. バイナンスカード(Binance Card)

バイナンスは2017年に設立され、その後、世界最大の暗号資産取引所として成長してきました。2020年、バイナンスはスワイプ(Swipe)と提携し、8%のキャッシュバックを行なうVISAデビットカードを提供しています。

ヨーロッパで暗号資産デビットカードを使いたいと思っているなら、バイナンスVISAカードは他のすべてのカードと同様の機能を持つので便利です。月々の手数料や発行手数料はかかりません。暗号資産を自分のウォレットに保管し、商品購入時に必要な分だけを換金します。このカードは、VISAが利用できる地域であればどこでも、店舗やオンラインでの購入時に使用できます。

バイナンスの暗号資産デビットカードを使用するメリットは、以下の通りです:

  • 最大8%のキャッシュバック
  • 月額費用や発行手数料は無料
  • 暗号資産をオンデマンドで換金

ただし、各種取引およびATMからの引き出しには、0.9%の取引手数料がかかります。ATM事業者が別途手数料を徴収する場合もあります。一方このカードは、ビットコインやイーサリアムなど、多くの暗号資産に対応しています。

バイナンスカードは、カードで購入する際に、毎回キャッシュバックを受けることができます。その際、バイナンスウォレットのバイナンスコイン(BNB)保有量に応じて、キャッシュバックの還元率が変わります。8%のキャッシュバックを受けるには、カード所有者は自身の口座に最低600枚のバイナンスコインを保有しておく必要があります。

欧州で最適な暗号デビットカードを選ぶには

ところで、読者に日々の支払いのために暗号資産をフィアット(不換通貨)に変える効率的な方法をこれまで調べた経験があれば、ここ数年で市場がどれほど変化したかをご存じでしょう。

暗号資産クラスが日常的な用途においてさらに普及すると考え、またすでに多額の暗号資産を保有しているのなら、暗号資産デビットカードの利用は望ましいといえます。それは、日常の経費を抑えるのに暗号資産は便利な手段になりうるからです。

加えて、暗号資産を頻繁に利用するのであれば、購入した商品のキャッシュバックを多く受け取りたいと思うかもしれません。この場合、各カードのキャッシュバック還元のランク(tier)をすべて調べておく必要があります。また、カードによって取引手数料が異なる場合があることも忘れないでください。

暗号資産デビットカード等につい詳細な情報をご希望でしたら、ビーインクリプト(BeInCrypto)テレグラムグループにご参加ください。メンバーの多くが快くサポートし、質問には詳しく答えてくれるはずです。

よくある質問

ークリプト・ドットコムカードはヨーロッパで使えますか?

2021年3月より、ヨーロッパでクリプト・ドットコムカードが利用できるようになりました。カード会員は、クリプト・ドットコムVISAカードをオンラインおよび店舗での購入時に使用できます。

ー暗号資産を購入できるデビットカードは?

ヨーロッパには、ユーザーが銀行口座と同じように暗号資産を利用できる、数多くの暗号資産デビットカードがあります。暗号資産の購入に最も人気が高いデビットカードには、クリプト・ドットコム、コインベースカード、バイナンス、ワイレックスがあります。

ー最もお勧めできる暗号資産デビットカードは?

それぞれの暗号資産デビットカードには、カードのランク(tier)によってさまざまな機能およびメリットがありますので一概には言えません。これらのサービスの多くは、暗号資産ウォレットに保管されている暗号資産の量に応じて提供されます。

ー暗号資産デビットカードを作るにはどうすればいい?

暗号資産デビットカードを作るには、利用可能なサービスの1つを選択し、口座に登録する必要があります。さらに本人確認を行い、現物のカードを注文してください。また、カードの使用を開始するにあたって、暗号資産を用いて資金をウォレットに入れておく必要があります。

ー暗号資産デビットカードは何に役立つのか?

暗号資産デビットカードを持つことで、暗号資産保有者は日常の買い物に暗号資産を積極的に使うことができるようになります。不換通貨での使用と同様に、暗号資産を食料品などの支払いに使用することができます。暗号資産デビットカードで支払う際は、保有している暗号資産を、必要となる正確な量の不換通貨に自動的に換金して、支払いに充てるという流れになります。

ベスト暗号資産取引所

Trusted

Follow us on:

X(Twitter):@BeInCryptoJapan
Telegramチャンネル:@BeInCrypto Japan オフィシャルチャンネル

免責事項 - Disclaimers

当ウェブサイトに掲載されているすべての情報は、誠意をもって作成され、一般的な情報提供のみを目的としています。当ウェブサイトに掲載されている情報をもとに読者が取る行動は、あくまでも読者自身のリスクで行うものとします。「Learn」サイトでは、質の高い情報を提供することを第一に考えています。私たちは、読者にとって有益な教育的コンテンツを特定し、調査し、作成するために時間をかけています。この基準を維持し、素晴らしいコンテンツを作成し続けるために、私たちのパートナーは、私たちの記事への掲載に対して手数料を支払う場合があります。しかし、これらのコミッションは、偏りのない、誠実で有益なコンテンツを作成するためであり、私たちの活動プロセスに影響を与えることはありません。

Shigeki_Mori.jpg
Shigeki Mori
大阪府出身。KADOKAWA 雑誌編集者、読売テレビ広報記者、豪州日系メディア編集・記者などを経てフリーに。日本とオーストラリアで20年以上、ジャーナリスト、編集者、翻訳者、ウェブプロデューサーとして活動してきました。近年は暗号資産関連の記事も執筆しているほか、SEOスペシャリスト、マーケティング関連業務に従事。 専門分野:SEO、WordPress、マーケティング、編集、翻訳
READ FULL BIO