Trusted

暗号資産の税金が発生するタイミングと注意点

17 mins
更新 Shota Oba

ヘッドライン

  • 仮想通貨取引で得た利益は雑所得に分類され、5%から45%の税率が適用される
  • 仮想通貨取引においては、あらゆるタイミングで税金が発生する
  • 海外の税制と比較した際に、日本の税制が不利だと感じる人も多く、現在は税制も見直しが進んでいる

暗号資産(仮想通貨)の取引が近年ますます活発化する中、暗号資産にかかる税金も注目を集めています。取引で得た利益は雑所得に分類され、総合課税の対象となるため、他の所得と合わせて算出した総所得金額に応じて、5%から最大110%の税率が適用されるのが、現在の法律となっており、規制緩和の動きを求める声が高まっています。

そこで本稿では、暗号資産の税金が発生するタイミングとその注意点について解説します。暗号通貨に投資をしている人、これから投資を始めたい人は、ぜひ最後までご覧ください。

暗号通貨にかかる税金の仕組み

暗号資産は、その性質上、課税の対象となるのか、どのような税金がかかるかという議論が続いてきましたが、国税庁は24年12月「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)」を更新し、各取引における課税方法を明記しました。

暗号資産取引にようる一般的な課税方法である総合課税とは、他の所得と合わせて算出した総所得金額に応じて、5%から45%の税率が適用される課税方式です。そのため、暗号資産で得た利益が大きい場合、他の所得と合わせて計算した総所得金額に応じて、高い税率が適用されることになり、税制問題は、日本の暗号通貨業界の進展を阻んでいるもっとも大きな要因にもなっています。

暗号資産で税金が発生するタイミング

暗号通貨税

暗号資産に関する以下の取引では所得税や法人税が発生する可能性があります

  • 暗号資産の売却
    • 売却価格から取得価格を差し引いた利益に課税される。
    • 例)1BTCを100万円で購入 → 150万円で売却 → 利益50万円に課税。
  • 暗号資産での支払い(商品購入)
    • 暗号資産で商品やサービスを購入すると、使用した暗号資産の価値が課税対象となる。
    • 例)10万円の商品を0.1BTCで購入(購入時のBTC価格120万円)→ 0.1BTCの価値は12万円2万円が利益として課税
  • 暗号資産同士の交換
    • ビットコインをイーサリアムに交換する場合も、「売却」とみなされ課税対象となる。
    • 例)1BTC(100万円相当)を10ETH(120万円相当)と交換 → 20万円の利益が発生し課税対象
  • 暗号資産の寄附
    • 暗号資産を寄附すると、その時の時価で評価される。
    • 例)2BTC(寄附時の価値300万円)をNPO団体に寄附 → 300万円分の寄附金控除が適用可能
  • 暗号資産の取得価額
    • 購入時の価格+手数料が取得価額となる。
    • 例)2BTCを200万円で購入+取引手数料5000円 → 取得価額は200万5000円
  • マイニング・ステーキング
    • 報酬として得た暗号資産は取得時の市場価格で課税される。
    • 例)マイニング報酬で0.5BTCを取得(取得時価50万円) → 50万円が課税対象
  • 相続・贈与による暗号資産の取得
    • 被相続人(親など)が死亡した時の時価で評価される。
    • 例)1BTC(500万円相当)を相続 → 500万円が相続税の課税対象
  • 暗号資産の給与支払い
    • 給与として暗号資産を受け取る場合、日本円換算で課税される。
    • 例)月給30万円分のBTCを支給 → 30万円に所得税がかかる

これらに加え、エアドロップで報酬を得たときにも課税される仕組みになっています。エアドロップとは運営プロジェクトがユーザーに対してトークンを無料で配布するイベントです。プロジェクトの認知度向上やユーザーの獲得を目的として行われることが多く、暗号資産業界では「給付金」として人気のあるイベントの1つとなっています。エアドロップの報酬は、雑所得に分類され、総合課税の対象となります。

関連記事:エアドロップとは?事例や受け取り方を解説

暗号資産の税金に関する注意点

  • 取引履歴を正確に記録し、売却日や為替レートを把握することで、スムーズな申告が可能になる。
  • 損失が発生した場合は、所得金額から差し引くことで税負担を軽減できる。
  • 年間取引報告書を活用し、取得価額を正しく計算することが推奨される。
  • 海外取引所での売買も日本国内で納税義務が発生するため注意が必要。
  • レンディングやDeFi運用(ステーキング・流動性提供)による収益も課税対象となる。
  • 確定申告を怠ると、無申告加算税(最大20%)、延滞税(最大14.6%)、重加算税(35%~40%)のリスクがある。

暗号資産の損益計算におすすめのツール

暗号資産の損益計算や確定申告は、複雑で手間のかかる作業ですが、取引や投資を行う際には、正確な損益計算が必要です。暗号通貨の損益計算におすすめのツールとしては「クリプタクト」がオススメです。

クリプタクトは、暗号資産の損益計算を行うためのツールで、取引所からダウンロードした取引履歴をアップロードするだけで、自動で損益計算や確定申告書の作成が可能。

国内外の取引所やウォレットに対応しており、複数の取引所やウォレットをまたいだ取引も自動で計算が可能です。シンプルなステップではじめることができ、ユーザー数も国内No.1のサービスとなっています。

暗号資産の節税対策

アナトリー・アクサコフ、中央銀行デジタル通貨、CBDC銀行、ロシア

少しでも納税額を減らすために、以下の節税対策を活用しましょう。

  • 必要経費を最大限活用する
    • 取引手数料や関連費用をしっかり記録し、経費計上する。
  • 損失を繰越控除する
    • 暗号資産の損失は、翌年以降の利益と相殺できる可能性がある。
  • 事業所得として申告する
    • 収益が300万円を超える場合、事業所得として申告すると**青色申告特別控除(最大65万円)**が適用可能。

日本の暗号資産の税金は、今後どうなるのか?

現在は、暗号資産の取引で得た利益は総合課税の対象となり、他の所得と合わせて5%から45%の税率が適用されます。ただし、その課税方法には論争があり、現在も検討が進んでいます。

暗号資産の分離課税導入に向けた議論

現行の暗号資産の税制では、最大55%の累進課税が適用されており、これは株式や投資信託の一律20%の分離課税と比較しても非常に高い水準となっています。この不均衡に対し、仮想通貨業界や投資家からは、暗号資産取引にも一律20%の分離課税を適用するよう求める声が強まっています。

分離課税が導入されれば、暗号資産の税負担が軽減され、より投資しやすい環境が整うと期待されています。

金融庁や経済産業省は、金融庁や経済産業省は暗号資産に関する税制改正を求めていますが、本稿執筆時点では分離課税への移行は正式な改正には至っていません。政府内部でも慎重な議論が続いており、2025年の税制改正での方針転換が注目されています。

一方で、2024年度の税制改正では、以下の2つの重要な変更が暗号資産に関連する項目として取り上げられました。

① 期末時価評価課税の適用除外(特定暗号資産)

法人が保有する暗号資産については、従来、期末時点での時価評価に基づく課税が求められていました。しかし、譲渡制限がある暗号資産に関しては、法人が「原価法」または「時価法」のいずれかを選択できる制度が導入され、これにより特定条件を満たす暗号資産は期末時価評価課税の対象外となることが認められました。

この変更により、企業の税負担が軽減されると考えられています。

② 非居住者の暗号資産取引情報に関する報告制度

OECDが策定した**「暗号資産等報告枠組み(CARF)」**を踏まえ、日本国内の暗号資産取引業者に対し、非居住者の取引情報を税務当局へ報告する義務が課されました。この仕組みにより、各国の税務当局間で非居住者の暗号資産取引データが自動的に共有され、税の透明性向上が図られることになります。

2025年の税制改正に向けた今後の焦点

分離課税の導入をめぐる議論は継続しており、業界団体や投資家の間では、2025年度の税制改正で具体的な進展があるかどうかが大きな焦点となっています。現時点では、政府の慎重な姿勢が続いているものの、議論の方向性が変わる可能性も指摘されています。

① 分離課税と損益通算の導入

  • 暗号資産取引の税率を一律20%に統一
  • 最長3年間の損失繰越控除を認める
  • デリバティブ取引にも同様の措置を適用

② 仮想通貨間取引の非課税化

  • トークンスワップやNFT売買時の課税撤廃
  • グローバルな決済環境に適応した制度設計

③ 企業向け税制の整備

  • 法人保有の暗号資産に関する評価方法の柔軟化
  • 期末時価評価課税の適用範囲の見直し

業界団体の提言内容

仮想通貨業界では、より明確で公平な税制環境を求める提言が行われています。各団体が政府に提出した主な要望を以下にまとめます。

団体名提案内容
新経済連盟– 申告分離課税(20%)への移行
– 仮想通貨ETFの実現
– レバレッジ規制の柔軟化
JBA(日本ブロックチェーン協会)– 仮想通貨間取引の非課税化
– 損失繰越控除の適用
– 取引所の税務報告義務の見直し
JCBA・JVCEA(共同提案)– 暗号資産の寄付に関する税制整備
– 仮想通貨取引の課税ルールの簡素化

業界団体は引き続き、政府への提言活動を継続しながら、暗号資産の投資環境整備を求めていく方針です。

まとめ:暗号資産の税金タイミングを理解して取引することが大切

本稿では、暗号資産の税金が発生するタイミングと注意点について解説しました。暗号資産の取引がますます活発化する中、税金の問題も重要な課題となっていますが、暗号通貨で得た利益は総合課税の対象となり、他の所得と合わせて5%から110%の税率が適用されます。

今後、日本の暗号資産に対する税金制度が変更になる可能性も高いと考えられています。業界の進展が進む中、税金制度の改正も求められていますが、しっかり現在も法制度の中でも取引ができるように、税金のタイミングを理解して取引を行なっていくことが大切です。

暗号資産の税金に関するよくある質問

Q1:暗号通貨で得た利益を確定申告する場合、どのように申告すればよいですか?

Q2:DeFiでの収益に対する税金の取り扱いはどうなりますか?

ベスト暗号資産取引所
Bitget Bitget 見る
Phemex Phemex 見る
Margex Margex 見る
Bybit Bybit 見る
Coinrule Coinrule 見る
ベスト暗号資産取引所
Bitget Bitget 見る
Phemex Phemex 見る
Margex Margex 見る
Bybit Bybit 見る
Coinrule Coinrule 見る

Follow us on:

X(Twitter):@BeInCryptoJapan
Telegramチャンネル:@BeInCrypto Japan オフィシャルチャンネル

免責事項 - Disclaimers

当ウェブサイトに掲載されているすべての情報は、誠意をもって作成され、一般的な情報提供のみを目的としています。当ウェブサイトに掲載されている情報をもとに読者が取る行動は、あくまでも読者自身のリスクで行うものとします。「Learn」サイトでは、質の高い情報を提供することを第一に考えています。私たちは、読者にとって有益な教育的コンテンツを特定し、調査し、作成するために時間をかけています。この基準を維持し、素晴らしいコンテンツを作成し続けるために、私たちのパートナーは、私たちの記事への掲載に対して手数料を支払う場合があります。しかし、これらのコミッションは、偏りのない、誠実で有益なコンテンツを作成するためであり、私たちの活動プロセスに影響を与えることはありません。

Frame-2204.png
Ikkan Kawade
2020年よりBTC投資をはじめる。同時に、暗号資産ブログとSNSの運用を開始。DeFiでの資産運用・Play to Earnゲーム・国内NFTへの投資も積極的に行う。メタバースに深い関心があり、「メタバースへの移住」が目標。
READ FULL BIO
スポンサー
スポンサー