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柴犬コインは実用性のないただのミームコイン?|将来性はあるのか

21 mins

ヘッドライン

  • 柴犬コイン(SHIB)は2020年にミームコインとして誕生したが、ShibaSwapやShibariumの開発を通じて実用性のあるエコシステムへと進化しつつあります
  • エコシステム拡大のカギとなるのがShibariumの成功とdAppsの普及となります
  • レイヤー2技術やDeFi、NFT、メタバース分野での発展もプロジェクトの成長を左右すると見られています

柴犬コイン(SHIB)は単なるジョークから始まったミームコインでしたが、コミュニティ主導でエコシステムを拡大してきました。ドージコインに触発されて生まれたSHIBは、2021年に価格が一時50万倍以上となり、多くの億万長者(億り人)を生み出しました。本稿執筆時点でも依然として時価総額トップ20内に位置しており、「より実用性のあるプロジェクトへ進化できるか」が注目されています。そこで、柴犬コインが単なるミームを超えて本当に実用的な暗号資産へと成長するがあるのかについてわかりやすく解説します。

柴犬コイン(SHIB)とは?

柴犬コインは、2020年7月に「Ryoshi」という名の開発者によって誕生したERC-20規格のミームコインです。イーサリアムブロックチェーンを基盤とし、「分散型コミュニティの実験」としてスタートしました。

このプロジェクトはコミュニティ主導で成長を続けており、分散型取引所(DEX)「ShibaSwap」やNFTマーケットプレイス、メタバース、レイヤー2ブロックチェーン「Shibarium」など、さまざまな領域へと展開を広げています。

2021年には、イーロン・マスク氏の発言をきっかけに急騰し、価格は一時50万倍以上に上昇。時価総額ランキングでトップ10入りを果たし、大きな注目を浴びました。また、イーサリアム共同創設者のヴィタリック・ブテリン氏がSHIBの供給量の半分をバーンしたことで、市場に大きな影響を与えました。

こうした要因から、柴犬コインは単なるミームコインの枠を超え、暗号資産市場で独自のポジションを確立しています。

SHIBはミームコインの枠を超えた将来性のあるコインになり得るか

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結論から言えば、柴犬コインは確実にミームコインの殻を破りつつあり、一定の実用性を備える暗号資産へと成長していると言えます。ShibaSwapを始めとしたDeFiプラットフォームで金融商品として機能し​、NFTやメタバースでデジタルコンテンツと結びつき、独自ブロックチェーンのL2展開で技術基盤も強化された現在のSHIBは、もはや単なる冗談や投機の対象ではありません。コミュニティによる分散ガバナンス体制も整備され始め​、ブロックチェーン業界内での存在感も増しています。

その一例としてシバリウムの成功により、低手数料環境が整い、ShibaSwapでの取引、Yield Farming、NFTゲームの利用が現実的になり、ユーザー体験が大幅に改善されました。さらには、メタバースのローンチで仮想世界での経済活動にもSHIBが活用される見通しです。

しかし総供給量が多く、価格上昇には限界があるため、プロジェクト側はバーンの重要性を強調しています。現実問題として、SHIBの供給量が大幅に削減されない限り、1円や10円という価格は非現実的です。例えば、1枚3円になると時価総額は約2000兆円に達し、これは全暗号資産市場規模を遥かに超えるため実現は困難です。ただし、SHIBが今後エコシステム拡充やメタバース、dAppsなどで実用化されれば、緩やかな成長は期待でき、長期的視点での投資には依然として魅力があります。

つまり、dAppが流行し莫大なSHIBがバーンされれば、供給削減と需要増加の効果で価格上昇が期待できることを鑑みると、エコシステムの「キラーアプリ」創出が鍵となります。

関連記事:“柴犬コインで億り人”はもう遅い?|2025年は買い時なのか

SHIBトークンの供給とバーン施策

柴犬(SHIB)価格の強気と弱気のケース

SHIBの初期供給量は1京枚(1,000兆枚)であり、その大量発行が特徴でした。プロジェクト発足時のSHIBトークン供給量は、以下のように配分されました。

  • 初期総供給量:1京枚
  • バーン(焼却)済み:約410兆枚(ヴィタリック・ブテリン氏による焼却分)
  • 現在の流通供給量:約589兆枚

柴犬コインが将来的に価格を大幅に上昇させるためには、供給を減少させる仕組み(トークンバーン)が不可欠です。

トークンバーンの仕組みと現状

  • ShibBurnポータルの導入
    SHIBコミュニティが主体的にSHIBをバーンできる仕組みとして、『ShibBurnポータル』が2022年に導入されました。
    具体的には、ユーザーが任意のSHIBをバーンアドレスに送ることで、その見返りとして報酬(例えばRyoshiトークン)を得る仕組みが導入されています。
  • シバリウムを通じた自動バーン
    また、シバリウムで行われるトランザクションの手数料収入の一部は自動的にSHIBバーンに充てられます。これは公式で以下のように説明されています。

「シバリウムの取引手数料の一定割合は、SHIBの市場からの買い戻しとバーンに充てられます。これにより継続的なトークン供給削減が行われ、希少性の向上を目指します Shibarium公式ドキュメント

同エコシステムは、トークンの供給量を減らし希少性を高めるためのデフレメカニズム「Shib Torch」を導入しています。 同コミュニティ主導のバーンポータルは、ユーザーが自発的にSHIBトークンをバーンすることを可能にし、トークンの価値向上を目指しています。 2024年8月のShibarium上でのローンチ以降、Shib Torchは活発に稼働しており、2025年1月には約10億枚のSHIBトークンがバーンされ、バーンレートが43,325%急上昇するなど、供給削減に大きく寄与しています。 さらに、Shib TorchはEIP-1559機能を組み込み、取引手数料の一部を自動的にバーンする仕組みを導入するなど、持続的なデフレ効果を促進しています。

関連記事:柴犬コイン(Shiba Inu)バーンの仕組みを解説

SHIBエコシステムの現状

柴犬コインが実用性を持つ暗号資産へと進化しているかどうかを見極めるために、まずはSHIBエコシステムの最新動向と今後の展望を整理します。

Shibarium(シバリウム)の導入とその現状

シバリウムとは、柴犬コインが独自に展開しているイーサリアムのレイヤー2(L2)ネットワークのことです。レイヤー2とは、イーサリアムの上位に構築されたネットワークであり、取引速度を向上させると同時に取引手数料(ガス代)を大幅に削減するための仕組みです。

  • 導入経緯と目的
    従来、柴犬コイン(SHIB)はイーサリアムネットワーク上で発行されたERC-20トークンであり、取引手数料が高騰するといった問題を抱えていました。これを解決するために、独自のレイヤー2チェーンであるシバリウムが導入されました。
  • 技術仕様(TPSと手数料)
    シバリウムの処理性能は、イーサリアムの15~30TPSと比較すると大幅に高く、1秒間に最大約200件のトランザクション処理が可能と公式にアナウンスされています。また、手数料も従来のイーサリアムの数十分の一以下に抑えられており、実用面での利便性が高まっています。

以下、TPSを他の主要チェーンと比較した表を示します。

チェーン名最大TPS(取引処理速度)手数料の目安
シバリウム(SHIB)200PS約0.01ドル未満
イーサリアム(ETH)15~30TPS数ドル~数十ドル
ソラナ(SOL)50,000TPS極めて低い(0.0001ドル以下)
BNBチェーン約300TPS約0.1ドル以下

シバリウムはBNBやソラナには劣りますが、イーサリアムに比べると速度・手数料ともに優れており、実用性は高いと言えます。

  • シバリウムの進捗と成果
    シバリウムは2023年8月にメインネットがローンチされ、その後急速に普及が進んでいます。2024年初頭には累計1億トランザクションを突破し、ユーザー数も急増しました。2025年時点でも順調に拡大を続けており、他チェーンとのクロスチェーン連携(Chainlink CCIP経由)など新たな展開を見せています。

開発責任者のシャイトシ・クサマ氏のコメント(2023年8月):シバリウムは、単なるレイヤー2ソリューションではなく、SHIBエコシステム全体を支える基盤となる。取引の効率化はもちろん、バーン機能を通じたトークン経済の強化にも大きく貢献することになる

関連記事:柴犬コインの「シバリウム」とは?特徴や将来性を解説

ShibaSwapのDeFi展開

柴犬コインがミームコインの枠を超えるために取り組んでいる重要な要素が、DeFi(分散型金融)サービスです。SHIBエコシステム内にはShibaSwapという独自の分散型取引所が存在します。

  • ShibaSwapの主な機能
    • Swap(スワップ)
      SHIB、BONE、LEASHを含むERC-20トークンの交換が可能。
    • Bury(ステーキング)
      SHIBや関連トークンをステーキングして報酬(xSHIB、xBONE、xLEASH)を獲得。ロック期間に応じた報酬配分。
    • Dig(流動性供給)
      流動性提供によりBONEを獲得。ShibaSwapの取引手数料を収入源とする。
    • Woof(報酬の収穫)
      提供した流動性から発生した報酬を引き出す機能。
    • DoggyDAO(ガバナンス投票)
      トークンをステーキングすることでエコシステムの方向性決定に参加できる。

開発リーダーのシャイトシ・クサマ氏のコメント:
ShibaSwapはコミュニティ主導の分散型金融を具現化した場所であり、単に投機的な収益ではなく、コミュニティ全体の持続可能な利益を生む場を目指している

さらに、ShibaSwap2024年10月26日に「ShibaSwap 2.0」として大幅アップグレードを実施。特定の価格範囲で流動性提供を行い報酬効率を向上させる「集中流動性機能」や、流動性を引き出さずに報酬請求が可能となる改善が導入されました。また、複数のトークンを経由して交換を行う「マルチホップスワップ」機能の追加、流動性プールにおける年利(APR)の透明性向上、0.05%、0.30%、1.00%の3段階から選べる変動型手数料の導入など、取引の利便性と効率性を高めるアップグレードが行われました。

関連記事:ShibaSwapを使って柴犬コインのパッシブインカムを得る方法

柴犬コインエコシステム関連トークンの役割

柴犬コインのエコシステムには、各々独自の機能を持つトークンが複数存在します。

トークン名役割発行枚数
BONEガバナンス・ガス代(シバリウム上での手数料支払い)2億5000万枚
LEASH特典・限定イベントへの優先参加権、NFT・メタバース内の土地購入権10万7646枚
TREATエコシステム内の報酬トークン(NFT、メタバース内利用、ステーキング報酬)100億枚

これらトークンの役割分担により、エコシステム内で循環経済を構築し、SHIB単体だけでは不可能だった多彩な実用性が提供されています。

関連記事:柴犬コイン関連銘柄「BONE・TREAT・LEASH」とは?

メタバース構想の現状と今後のロードマップ

SHIBメタバースは2024年末に早期アクセスが始まりました。
開発は『TheThirdFloor社』との提携で進められており、以下のロードマップで今後の展開が示されています。

  • 2025年第1四半期:土地NFTの一般販売および一般ユーザー開放
  • 2025年Q2〜Q3:メタバース内での土地開発ツール提供開始
  • 2025年末までに全面オープン、各種経済活動(NFT売買・イベント開催など)活性化へ

その他エコシステムの拡充

​Shiba Inuプロジェクトは、自己主権型アイデンティティ(Self-Sovereign Identity, SSI)の導入を通じて、ユーザーが自身のデジタルアイデンティティを完全にコントロールできる環境を目指しています。 このSSIシステムは、ユーザーが自らのデータを所有し、必要に応じて選択的に共有することを可能にします。 また、「.shib」ドメインの導入も計画しており、これは分散型アイデンティティエコシステムの構築に向けた重要なステップとされています。 この取り組みは、Web3技術と従来のインターネットインフラストラクチャの橋渡しを目指しています

さらに柴犬コインは、ゲーム部門の人員を拡充し、新たなゲーム(例:Agent Shiboshi、Shiboshi Rush)のリリース。これにより、Web3ゲーム業界での存在感をさらに強化することを目指しています。

柴犬コイン今後の展開

柴犬価格分析、柴犬保有者、SHIB価格

​Shiba Inuエコシステムは、今後以下のような主要プロジェクトの展開を計画しています。​

プロジェクト名概要
Shib Hubエコシステムの中心となるスーパーアプリ。資産管理、ステーキング、DeFi、NFTマーケットプレイス、Web3ゲームなどを統合し、AI技術を用いてユーザーが独自のdAppsを作成可能。
新たな金融パートナーシップWeb2とWeb3をつなぐ金融レイヤーパートナーとの提携を予定。企業がSHIBの技術基盤を容易に活用できる環境を目指す。
Shib MarketplaceNFTや限定グッズなどのデジタル資産を取引するマーケットプレイス。SHIB経済の核として、クリエイターやコレクターの活動を促進。
DAOや政府レベルの提携高度なホワイトペーパーの作成・発表を通じて、本格的なDAOの運営を計画。政府レベルの提携を視野に入れ、SHIBが現実世界のガバナンスシステムに影響を与える可能性を探求。

上記に加えて、柴犬コインは現在、Shibariumの普及に向けてメタマスクなど主要ウォレットやブロックチェーンブラウザとの統合も進行中です。また、AIやFHEなどの先端技術に基づく革新的なLayer3ブロックチェーンの研究開発が進行中などの複数のプロジェクトが進行中で、実現すればSHIBが単なるミームコインを超えて、ブロックチェーン業界の先端プロジェクトへ成長する可能性があります。SHIBエコシステムの拡大と深化を目指しており、ユーザー体験の向上や新たなユースケースの創出を通じて、暗号資産の実用性と価値を高めることを目的としています。

関連記事:柴犬コインの未来を決める「Doggy DAO」の役割と参加方法

まとめ:柴犬コインの開発に注視して、慎重に投資判断をしよう

柴犬シバリウム

柴犬コインはミームコインの枠を超え、実用的なプロジェクトとして積極的な開発を進めています。Shibariumなどレイヤー2ソリューション導入により実用性が高まり、NFT、メタバース、DeFiなど幅広い分野に進出しています。ただし、技術基盤の整備は他の著名プロジェクトに比べ遅れており、競争力の面で課題も残ります。バーンによる供給量の削減が成功すれば一定の成長は見込めますが、著名プロジェクトを淘汰できるかは未知数です。また、アルトコイン市場では既に淘汰が進行しているため、SHIBへの投資を検討する際には最新情報の収集を徹底し、慎重な判断を下すことが重要となります。

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国際関係の大学在籍中に国内ブロックチェーンメディアでのインターンを経て、2つの海外暗号資産取引所にてインターントレーニング生として従事。現在は、ジャーナリストとしてテクニカル、ファンダメンタル分析を問わずに日本暗号資産市場を中心に分析を行う。暗号資産取引は2021年より行っており、経済・社会情勢にも興味を持つ。
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