仮想通貨SUI(スイ)は高性能なブロックチェーン「Sui Network」で使われるトークンで、日本でも取扱い取引所が増加中の注目銘柄です。ただし初心者が安全に購入するには、金融庁登録済みの国内取引所を利用することが重要となります。
本稿では、SUIの概要から国内全取引所の比較、具体的な購入方法、さらには取引時の注意点まで詳しく解説します。
仮想通貨SUI(スイ)とは何か?

SUI(スイ)は、次世代型レイヤー1ブロックチェーン「Sui Network」で使われる基軸仮想通貨です。開発を手掛けるMysten Labs社は、Meta(旧Facebook)のブロックチェーンプロジェクト「Libra(後のDiem)」に関与したエンジニアが中心となっています。Sui Networkは、独自のスマートコントラクト言語「Move」を採用し、高速処理と高いスケーラビリティが特徴です。
基本情報・特徴
- 高速処理とスケーラビリティ: 1秒間に最大12万件のトランザクションを処理可能で、並列処理技術によりDeFiやNFTゲームなど大規模DAppsに対応。
- 安全なスマートコントラクト: Move言語により、安全性を高めつつ並列処理を実現し、迅速な取引を可能にしています。
- 開発チームとパートナーシップ: Mysten Labs社が開発・運営。Google、Alibaba、日本国内では電通、グリー、gumiなどとの提携を発表しています。
トークンエコノミクス

- 総供給量と配分: 総供給量は100億枚。初期流通は約5%で、残りは段階的にロック解除されます。約50%がコミュニティ向け、20%が開発チーム、14%が投資家、10%がMysten Labs社、6%がコミュニティ報酬に割り当てられています。
- ステーキングと利回り: Proof of Stake方式で、トークンをステーキングすることで報酬を得られます。2025年時点の国内取引所経由のステーキング年率は最大4.28%程度です。
- アンロックスケジュール: トークンは定期的にアンロックされ、2025年5月1日には7,400万SUIが追加供給される予定です。投資家はこれに伴う価格変動リスクを意識する必要があります。
2024年のSUIのパフォーマンス評価と2025年の展望について、SUI財団マネージングディレクターのクリスチャン・トンプソン氏が25年2月17日、就任後初のアジアツアーでBeInCryptoに語っています:
2024年はSUIの技術的な安定性とスケーラビリティを確立する年だった。DeFiのTVL(預かり資産総額)は175億ドルを超え、直近3ヶ月で200億ドルに拡大。DEX(分散型取引所)の取引量は350億ドル、ゲーム分野では1日あたりのアクティブユーザー数(DAU)が30万人に達した。2025年はマーケティング、エコシステム、コミュニティに積極的に取り組み、数千人の開発者がWeb3で活動し、数十億人が利用可能な環境作りを目指す。
関連記事:SUI財団、2025年計画とブロックチェーンゲーム、リブラなどを語る
SUIを購入できる国内暗号資産取引所の一覧・比較
現在、日本の金融庁に登録されている暗号資産取引所のうち、SUIを取り扱っているのは以下の4社です。【OKCoin Japan(オーケーコインジャパン)】【BitTrade(ビットトレード)】【BITPoint(ビットポイント)】【Binance Japan(バイナンスジャパン)】で、いずれも2023年以降に取扱いを開始しています。全ての取引所で日本円(SUI/JPY)による現物取引が可能であり、金融庁認可のもと運営されているため信頼性も高いです。
取引所名 | SUI取扱開始日 | 取引形式 | 取引ペア | 取引手数料(取引所/販売所) | 主な対応サービス・特徴 |
---|---|---|---|---|---|
OKCoin Japan(OKJ) | 2023年10月20日 | 取引所・販売所・積立・入出庫 | SUI/JPY | 0.02~0.07% / 無料 | ステーキング(年率1.88%~4.28%)、積立、コールド管理 |
BitTrade(ビットトレード) | 2024年8月21日 | 販売所(積立含む)・入出庫 ※取引所非対応 | SUI/JPY | 無料(販売所はスプレッドのみ) | 貸暗号資産、キャンペーン多数、ハッキング実績なし |
BITPoint(ビットポイント) | 2024年10月17日 | 取引所・販売所・積立・入出庫 | SUI/JPY | 無料(販売所はスプレッドのみ) | ステーキング(年率約3~4%)、貸暗号資産、出金手数料無料、SBIグループ運営 |
Binance Japan(バイナンスジャパン) | 2024年3月5日 | 取引所・販売所・入出庫 | SUI/JPY | 0.1%(BNB保有で割引あり)/ 無料 | Simple Earn(利息付与サービス)、取扱通貨数最多、チャットサポート |
これら4社は、取引所形式(ユーザー間でのオーダーブック取引)または販売所形式(即時取引)に対応しており、ステーキングや暗号資産運用サービスも提供しています。手数料については、取引所形式での取引手数料はOKCoinとBinanceに設定されていますが、BitTradeとBITPointは無料となっています。販売所形式ではいずれも手数料無料ですが、実質的にはスプレッドがコストになります。以下では、各取引所の詳細情報を解説します。
OKCoin Japan(オーケーコインジャパン)
OKCoin Japan(OKJ)は、世界展開するOKXグループの日本法人(関東財務局長第00020号)。2020年の開業以来、豊富な銘柄と高いセキュリティが特徴です。2023年10月、国内最速でSUIの取扱いを開始しました。
販売所(500円〜)と取引所(2円〜)でSUIを日本円(SUI/JPY)取引可能。2024年から国内でもいち早くSUIのステーキングを提供しており、年率は1.88~4.28%(60日固定で4.28%)です。最低20 SUIから申請可能。
セキュリティ対策はトップクラスで、顧客資産は100%コールドウォレットで管理。マルチシグ(二重署名)や外部監査を導入し、創業以来ハッキング被害ゼロを誇ります。
メリットとデメリット
- メリット
- 銘柄数が豊富で積立・ステーキングなどサービスが充実
- セキュリティが非常に高く安心できる
- 最低取引額が少額で初心者にも試しやすい
- デメリット
- 板取引の手数料が若干発生する
- サポートがメール中心で即時対応が難しい場合あり
BitTrade(ビットトレード)
BitTradeは旧Huobi Japanからリブランドした取引所(関東財務局長第00007号)。40種類以上の銘柄を扱い、2024年8月からSUIを提供しています(販売所形式のみ)。
最低2円という少額から購入可能。積立購入や貸暗号資産(レンディング)サービスも充実しており、通常年率1〜3%、特別キャンペーンでは88.88%と高利回りを実施した実績があります。ただし、ステーキングサービスはありません。
セキュリティ面はHuobi譲りの高水準で、顧客資産を100%コールドウォレットで管理。創業以来、ハッキング被害ゼロです。
メリットとデメリット
- メリット
- 取引手数料が無料でコストパフォーマンスが良い
- 少額取引(2円~)や積立サービスがあり初心者向き
- レンディングの高利回りキャンペーンが魅力
- デメリット
- SUIの板取引が非対応で、スプレッドが割高になる場合あり
- ステーキングによる長期運用ができない
BITPoint(ビットポイント)
BITPointはSBIグループ傘下の老舗取引所(関東財務局長第00009号)で、約30銘柄を取扱い。2024年10月にSUIを上場し、販売所(500円〜)と取引所(極小単位〜)の両方に対応しています。
販売所・取引所とも取引手数料無料、日本円入金無料、出金も月1回無料(以降330円)。積立、レンディングに加え、国内でも希少なステーキング(年率約3〜4%)を2024年末から提供開始しています。
過去(2019年)のハッキング被害を受けて以降、セキュリティ体制を全面的に強化。現在はSBIグループの下、極めて安全な運用が行われています。
メリットとデメリット
- メリット
- 全般的に手数料無料で低コスト運用可能
- 積立、レンディング、ステーキングなど投資機能が充実
- スマホアプリが初心者にも使いやすい
- デメリット
- 過去のハッキング事件によるマイナスイメージ(現在は改善済み)
- 他社より取扱銘柄数が若干少ない傾向がある
Binance Japan(バイナンスジャパン)
Binance Japanは世界最大手バイナンスの日本法人(関東財務局長第00031号)で、国内最多50銘柄を提供。2024年3月からSUIを取り扱っています。
販売所(約1,000円〜)・取引所(十数円〜)の両方に対応し、手数料は一律0.1%(BNB払いで0.075%に割引)。またSimple Earnを提供し、フレキシブル運用(2~3%)や定期運用(4~5%)も可能です。
セキュリティは世界トップクラスで、顧客資産をマルチシグおよびコールドウォレット管理。24時間監視体制を整備し、不正検知も徹底されています。
メリットとデメリット
- メリット
- 取扱銘柄数が国内最多で、多様な投資が可能
- 流動性が高く、大口取引にも適している
- チャットサポートの対応が早く充実している
- デメリット
- 他社に比べて標準の取引手数料が若干高い(割引制度あり)
- 国内での運営期間が短く、まだ信頼が定着している段階ではない
目的別のおすすめ取引所
- 手数料を抑えてお得に取引したい
- BitTrade、BITPoint
- ステーキングで積極的に運用したい
- OKCoin Japan、BITPoint
- 豊富な銘柄を取引したい
- Binance Japan
取引所ごとの特徴を理解して、自分に最適な選択をしましょう。
なぜ国内取引所の方がいいのか?|海外取引所の使用は違法?

日本の居住者が海外の暗号資産取引所を利用すること自体は違法ではありません。現行の日本法では、暗号資産取引所の運営者に対して金融庁への登録義務が定められていますが、取引所を利用する側の個人ユーザーについては規制が適用されません。
法的な根拠について
日本における暗号資産取引に関する法的根拠は、「資金決済に関する法律」(平成21年法律第59号)に記されています。同法の第63条の2によれば、暗号資産交換業務を行う者は必ず内閣総理大臣(実務は金融庁)の登録を受けなければなりません。
暗号資産交換業は、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ、行ってはならない。(資金決済法 第63条の2)
ここで重要なポイントは、この法律が規制対象としているのはあくまで取引所の運営側、つまりサービス提供者に限られるということです。従って、日本で登録を受けていない海外の暗号資産取引所が国内向けにサービスを提供すること自体は違法行為になりますが、それを利用する日本の個人ユーザーが処罰されることはありません。
ただし、日本の金融庁は無登録業者の利用について繰り返し警告を出しており、ユーザーが予期せぬトラブルに巻き込まれるリスクも存在するため、利用にあたっては十分な注意が必要です。
分離課税への変更対象外になる可能性との指摘も
金融庁は2025年4月に暗号資産の分離課税導入を検討中ですが、海外取に関しては、金融庁への未登録や規制外という理由で適用が難しいとされています。また、海外取引所は信頼性やCARF(暗号資産に関する報告枠組み)対応の課題があり、規制強化の動きも見られます。背景にはTerra-LUNA崩壊や、海外取引が約70%を占めるという国税庁の調査結果が影響しています。
初心者向け:SUIの買い方(ステップバイステップ)

- ① 取引所の選択と口座開設
- BITPointなど手数料無料で初心者サポートが充実した取引所がおすすめです。公式サイトまたは公式アプリで新規登録し、メールアドレス、基本情報を入力後、本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカード)提出と顔認証(eKYC)を済ませます。早ければ即日口座開設が可能です。
- ② 日本円の入金
- 口座開設後、日本円を取引所口座へ入金します。方法は銀行振込または即時入金サービス(住信SBIネット銀行やPayPay銀行など)が利用可能で、即時入金なら通常すぐに反映されます。
- ③ SUIを購入する
- 日本円の残高が確認できたら、SUIを購入します。「販売所」と「取引所(板取引)」の2通りの方法があります。初心者には簡単な「販売所」がおすすめで、希望の数量や金額を入力して購入ボタンを押すだけです。取引所(板取引)は指値注文ができ、価格を指定して購入できますが、初心者には少し難易度が高いです。
- ④ 購入したSUIの保管
- 購入後、SUIは取引所内のウォレットに保管されます。短期トレードならそのままで問題ありませんが、長期間大きな金額を保有する場合は公式ウォレット(Sui Wallet、Phantomなど)やハードウェアウォレットへ移動するのがおすすめです。
- ⑤(任意)SUIを運用する
- SUI購入後、ステーキングやレンディングなどの運用サービスを利用し、保有資産を増やすことも可能です。まずは購入と売却に慣れてから挑戦するとよいでしょう。
口座開設さえ済ませれば、以降の購入はとても簡単です。各取引所のガイドやサポートも活用しながら、スムーズに取引を進めていきましょう。
安全に仮想通貨SUIを取引するためのポイント

二段階認証(2FA)の徹底
仮想通貨SUIを取引する際は、口座開設時に必ずSMS認証やGoogle Authenticatorで二段階認証(2FA)を設定しましょう。ログインだけでなく出金時にも2FAを設定することで、不正アクセスを防げます。
強力なパスワード管理
仮想通貨取引のアカウントでは、複雑で予測困難なパスワードを設定しましょう。他サービスと同じパスワードを使い回さず、定期的に変更を行うことも重要です。安全性を高めるため、パスワードマネージャーの使用を推奨します。
フィッシング詐欺に注意
仮想通貨SUIを扱う取引所の公式サイトをブックマークし、不審なメールやリンクは開かないようにしましょう。怪しい連絡があった場合、直接公式サイトからアクセスして情報を確認してください。加えて仮想通貨SUIで高配当を約束するような怪しい勧誘には警戒し、信頼できる公式取引所やサービス以外には資産を預けないようにしましょう。
余裕資金で投資を行う
仮想通貨SUIの価格は大きく変動するため、生活費ではなく余裕資金で取引を行うことが大切です。特に初心者はレバレッジ取引を控え、リスク管理を徹底しましょう。またリスク軽減のため、仮想通貨SUIだけに投資を集中させず、ビットコインやイーサリアムなど他の仮想通貨にも分散投資を行いましょう。また、利益確定や損切りのルールをあらかじめ決めておくことが重要です。
関連記事:暗号資産(仮想通貨)の初心者が知っておくべき7つのこと
仮想通貨SUI取引における税金・法規制の注意点

仮想通貨の利益は雑所得扱い
仮想通貨SUIの取引で得た利益は「雑所得」となり、年間20万円以上の場合は確定申告が必要です。最大で約55%(住民税含む)の累進課税が適用されます。
取引履歴の保存
仮想通貨SUIの取引履歴は必ず保存し、専用の計算ソフトなどを使って正確に損益計算を行いましょう。特に初心者はDEXなどではなく、仮想通貨SUIの取引は必ず金融庁に登録された正規業者を利用し、無登録業者の利用を避けることが大切です。
損益通算と繰越控除の制限
仮想通貨SUIで生じた損失は株式やFXとの損益通算ができず、損失の繰越控除もありません。利益が出た際には納税資金を必ず確保しましょう。
税制改正動向を把握
今後の税制改正で仮想通貨の課税方法が変わる可能性があるため、最新情報を常にチェックしておきましょう。
AML/CFT規制への対応
仮想通貨SUIを含む暗号資産取引ではマネーロンダリング防止策として送金先情報の提出が求められる場合があります。規制を理解し適切に対応しましょう。
関連記事:仮想通貨Sui(SUI)とソラナ(SOL)はどっちが優れている?
まとめ|自分の投資スタイルに合った仮想通貨SUIの国内取引所を選ぼう

仮想通貨SUIは元Facebook技術者チームが開発した高性能L1ブロックチェーン「Sui Network」のネイティブトークンであり、高速性と安全性を兼ね備え、今後の成長が注目されています。国内ではOKCoin Japan、BitTrade、BITPoint、Binance Japanの4社が取引に対応しており、手数料やサービス内容の違いから自身の目的に応じた取引所選びが重要です。また、初心者は販売所形式での少額購入から始め、セキュリティ対策や税務上の留意点を押さえることが安全に取引を行うポイントとなります。
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