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リップル上場投資信託(XRP ETF)は承認されるのか?

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著者:
Shota Oba

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編集:
Shigeki Mori

18日 9月 2024年 07:31 JST
Trusted-確かな情報源

資産運用会社グレースケールが2024年9月13日、米国初となるXRP信託を再開し、暗号資産市場に新たな動きを見せました。この発表により、リップル(XRP)はソラナ(SOL)に次ぐ暗号資産ETFの有力候補として注目を集めています。しかし、XRP ETF(上場投資信託)は本当に承認される可能性があるのでしょうか?

本記事では、リップル社のCEOであるブラッド・ガーリングハウス氏の見解や、最新の市場動向、専門家の意見を基に、XRP ETFの承認の可能性について詳しく探ります(情報は2024年9月18日)

XRP ETFとは何か?

ETF(上場投資信託)は、特定の資産や指数に連動する金融商品で、株式市場で自由に売買できます。暗号資産のETFは、投資家が直接暗号資産を保有せずに、その価格変動に投資できるため、リスク管理や流動性の面で魅力的です。

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XRP ETFが承認されれば、より多くの投資家がXRP市場に参入しやすくなり、市場の拡大と価格の安定化が期待されるでしょう。

関連記事:ビットコインETFとは?先物・現物の違いやメリットを解説

グレースケールのXRP信託再開とその意義

2024年9月12日、グレースケールは米国初となるXRP信託を再開しました。同信託は、適格な投資家にXRPへの直接的なエクスポージャーを提供する製品です。グレースケールの製品・リサーチ責任者であるレイハネ・シャリフ=アスカリー氏は次のように述べています:

「Grayscale XRP Trustは、クロスボーダー決済を効率化し、従来の金融システムを最適化する可能性のあるブロックチェーンソリューションへの投資機会を提供する」

同信託は将来的にビットコインやイーサリアムと同様にETFに転換する可能性も示唆されており、XRP ETFの実現に向けた重要なステップとして評価されています。

関連記事:リップル(XRP)とは?将来性や特徴についてわかりやすく解説

リップル社CEOの見解と楽観論

リップル社のブラッド・ガーリングハウスCEOは、XRP ETFの将来について楽観的な見解を持っています。同氏は、ビットコインイーサリアムのETF承認が他の暗号資産ETFへの道を開くと考えており、次はXRPやソラナ、カルダノなどのETFが登場する可能性が高いと述べています。

「金に投資すれば、次は銀にも投資したくなるものだ。市場がより広範なエクスポージャーに向かうのは自然な流れである」

しかし、ガーリングハウス氏は米国証券取引委員会(SEC)の規制アプローチに対して批判的な姿勢も示しています。同氏は、SECのゲーリー・ゲンスラー委員長が一貫性のない姿勢を取っていると指摘し、規制の明確化が必要だと強調しています。

「SECのゲンスラー委員長は、米国では政治的な責任者だと思います。彼は市民や経済の長期的な成長のために行動していいない」

関連記事:リップル(XRP)価格予測 |2024年・2025年・2030年

XRP ETF承認の可能性と課題

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リップルXRP価格

規制上の不確実性とSECとの訴訟

リップルが24年現在に抱える最大の課題は、リップル社とSECとの間で続く法的争いです。SECはXRPを未登録の証券と見なしており、2020年から続く訴訟が未だ解決していません。2024年8月7日、米連邦判事アナリサ・トーレス氏は、リップル社に対して1億2,500万ドルの罰金を科しましたが、これはSECの当初要求である約20億ドルを大幅に下回る金額でした。

同裁判の結果、XRPの市場価格は一時27%急騰しましたが、SECはこの判決に対して控訴を検討しています。法的な不確実性が続く中、ETF承認への道はまだ険しいと言えます。

専門家の見解と先物ETFの必要性

専門家はSECとの法的闘争だけでなく、多角的な要因がXRP ETFの承認を後押しすると主張しています。Fox Businessの特派員エレノア・テレット氏は、XRP ETFが承認されるには、まず先物ETFが必要であると指摘しています。

ビットコインETFが承認された背景には、CMEのビットコイン先物市場の規制フレームワークを備えているというSECの信頼がありました。同様に、XRPのスポットETF承認には、先物市場での信頼性が不可欠となるという主張です。

「XRPのスポットETFを実現するためには、まず先物ETFが必要だ。これはSECが市場の監視と信頼性を確認するための重要なステップだ」

これにはブルームバーグのリサーチアナリストであるジェームズ・セイファート氏も同意しており、24年末までにアメリカでスポットXRP ETFが立ち上がる可能性は低いと考えています。

同氏は先物ETFがXRPは取引されていないことを指摘し、リップルとSECの間で続いている訴訟も1つのネガティブな要因であるとも示唆。これらがXRPのステータスに不確実性をもたらしているとしています。

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「CMEで既に先物が取引されており、CFTCによって規制されている。これは規制された市場であり、先物ETFも取引されている。それがスポット型のETFを進める要因となっている。しかし、リップルにはそういったものがない」

ブラックロックの動向と虚偽のETF申請

Fox Businessのシニアレポーターであるチャールズ・ガスパリーノ氏によると、同社はXRP ETFの申請に後ろ向きであると表明しています。これはビットコインETF承認の流れからするとネガティブな要因かもしれません。

さらに2023年11月、ブラックロックを装った「iShares XRP Trust」の虚偽の申請が行われ、XRPの価格が一時的に急騰しました。しかし、ブラックロックはこの申請をフェイクニュースと否定しました。同事件は、市場の過熱と投資家の期待感が高まっていることを示していますが、同時に規制上の課題も浮き彫りにしました。

21SharesのETP提供

一方で、21SharesはすでにXRPのETP(上場投資商品)を提供しています。これはETFとは異なりますが、投資家にとってXRPへのエクスポージャーを得る手段となっています。このような商品の存在は、市場の需要が高いことを示しています。

他の暗号資産との比較と市場需要

各暗号資産のETF承認の可能性スコア:GSR

ソラナの台頭

ソラナは高い分散性と市場需要を持ち、ETF承認の有力候補として注目されています。資産運用会社VanEckや21SharesがソラナのスポットETFを申請しており、暗号資産マーケットメーカーGSRの分析でもソラナは分散化と需要の両面で高い評価を受けています。

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カルダノや他の暗号資産

カルダノ(ADA)やリップルは、GSRのETF可能性スコアでマイナス評価となっており、ETF承認の可能性は低いとされています。これは、規制や市場需要の面で課題があるためです。

関連記事:カルダノETFがスイス証券取引所に上場

政治的要因と今後の展望

ビットコインなどと同様に、2024年の米国大統領選挙が暗号資産市場に影響を与える可能性があります。ETFアナリストのネイト・ジェラチ氏は、現在の米国政府の規制姿勢を考えると、XRPやソラナのETF承認は2025年以降になる可能性が高いと指摘しています。

「現在の状況を考えると、XRPやソラナのスポットETFが今後1~2年で承認される可能性は低い。これは政治的な要因が大きく影響している」

また、スタンダードチャータード銀行のアナリスト、ジェフリー・ケンドリック氏は、イーサリアムのETF承認が他の暗号資産ETFへの道を開く可能性があると述べていますが、これも2025年以降の話になると予測しています。

24年9月時点でのXRPを取り巻く環境

  • グレースケールが米国初のXRP信託を再開し、将来的なETF転換の可能性を示唆。
  • リップル社のガーリングハウスCEOは、XRPETFの将来的な承認に対して楽観的な見解を持つ。
  • SECとの法的な問題が、XRP ETF承認の障壁となっている。
  • 先物ETFの必要性が指摘され、XRP ETF承認には先物市場での信頼性が不可欠。
  • ブラックロックの虚偽申請事件が市場の過熱と規制上の課題を浮き彫りにした。
  • ソラナが次の暗号資産ETFの有力候補として注目されている。
  • 政治的要因が今後のETF承認に影響を与える可能性がある。

まとめ:XRP ETFは承認されるかは規制次第

2024年9月時点では、XRP ETFの承認は多くの課題を抱えています。SECとの法的な問題や規制上の不確実性、先物ETFの無承認などの課題が残っています。ただし、リップル社のガーリングハウスCEOは将来的な承認に対して楽観的な見解を持っており、市場や規制環境の変化によっては可能性が開けるかもしれません。

XRP ETFの承認は、多くの投資家や市場関係者が期待するところですが、法的な問題の解決や規制の明確化、市場規制の明確化など進めば、新たな展開が見られる可能性があります。また、大統領選を含む政治的な変化や市場需要の高まりも重要な要因となるでしょう。

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