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仮想通貨Sui(SUI)とソラナ(SOL)はどっちが優れている?

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執筆&編集:
Shota Oba

18日 3月 2025年 22:40 JST
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仮想通貨Sui(SUI)とソラナ(SOL)は、スケーラビリティと手数料の問題を解決するために開発された次世代のレイヤー1(L1)ブロックチェーンです。どちらも高速なトランザクション処理と低コストを強みに、分散型アプリケーション(dApp)の基盤となることを目指しています。投資家の中ではどちらに投資すべきか悩んでいる人も少なくないでしょう。

本稿では、Suiとソラナの技術的特徴、エコシステム、取引速度、スケーラビリティ、トークノミクス、将来性などを徹底比較します。

プロジェクト概要:Suiとソラナ

オンド・ファイナンス

仮想通貨Suiとは?

Suiは、Metaの元エンジニアらが設立したMysten Labsによって開発されたレイヤー1ブロックチェーンです。2023年5月にメインネットが立ち上げられました。オブジェクト指向のデータモデルを採用し、資産管理を直感的に行えるのが特徴です。

Suiの技術的な特徴

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  • 高速取引処理:単純な取引は合意形成なしに即時処理
  • 並列処理:有向非巡回グラフ(DAG)を活用し、高スループットを実現
  • 独自のコンセンサス:「Mysticeti」エンジンを採用し、データ可用性と取引の順序確定を分離
  • PoS(プルーフ・オブ・ステーク)方式:SUIトークンをステーキングして取引検証に参加

Suiはまだエコシステムの発展途上だが、「次世代のSolana」として注目され、a16zやCoinbase Venturesなどの大手VCの支援を受けています。

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仮想通貨ソラナとは?

ソラナは、2017年に開発が始まり、2020年に正式ローンチされたレイヤー1ブロックチェーン。高速処理と低コストを実現し、DeFi、NFT、ミームコインなど幅広いエコシステムを展開しています。

ソラナの技術的な特徴

  • PoH(プルーフ・オブ・ヒストリー)+ PoS:時系列データを活用し、合意形成の効率を向上
  • 最大65,000TPSの処理能力(実際の平均は2,000~3,000TPS)
  • 0.4秒のブロックタイムで高速決済を実現
  • dAppやNFT市場での活発なエコシステム

課題と改善策

  • 過去にネットワーク停止(アウトージ)を経験
  • 2024年には「Firedancer」(Jump Crypto開発の代替クライアント)導入で安定性向上を図る

ソラナは「イーサリアムキラー」と称されるほどの性能を持ち、スケーリングと安定性向上に向けて進化を続けています。

関連記事:仮想通貨ソラナはなぜ「オワコン」と呼ばれたか?

SUI vs SOL:比較概要

最後に、Suiとソラナの主要な比較ポイントを一覧にまとめます。

項目Suiソラナ
開発開始・ローンチ2021年着手、2023年メインネット開始(Mysten Labsの元Metaチーム)2017年構想開始、2020年メインネット開始(Anatoly Yakovenkoら)
コンセンサス機構改良型PoS(DPoS)。Narwhal & Bullsharkを用いたDAGベースの並列コンセンサス「Mysticeti」PoS + PoHハイブリッド。歴史の証明(PoH)でタイムスタンプ付与しつつPoS (Tower BFT)で検証
プログラミング言語Move言語(Diem由来)。資産をオブジェクトとして扱う安全志向のスマートコントラクト言語Rust言語(およびC/C++)。高性能・安全性に優れ、開発者コミュニティが大きい
取引処理方式トランザクションをシンプル/複雑に分類。単純送金はコンセンサス不要で即処理、複雑な取引のみDAGで順序付けシングルチェーンで逐次ブロック生成。ただしPoHで事前順序化し、トランザクション実行はアカウントの非競合性に応じ並列化
性能(TPS理論値)最大120,000~300,000+ TPS(理論/テスト値)最大50,000~65,000 TPS(理論値)
性能(TPS実績)未成熟ゆえ測定中 (初期テストで10万TPS超。実ネットワークでは需要次第)平均2,000~3,000 TPS程度。実利用で業界トップクラス(2024年Coingecko調査でSuiより23%高速)
確定時間約0.5秒約0.4秒
エコシステム規模初期段階。dApp約50件(2025年初)。ゲーム・NFT・DeFiで拡大中成熟。dApp200+件。主要DeFiやNFTマーケットが多数存在
開発者コミュニティ約1,100人以上の開発者が関与。Move 2024で言語改良、積極支援で拡大中2,800人以上の開発者。大型基金やハッカソンで活発、Rust技術者も取り込みやすい
平均取引手数料約0.01ドル前後(計算+保存料)。変動が小さく、保存データ削除で99%返金約0.00025ドル。需要集中時は一時的に数¢~十数¢まで上昇例あり
コンセンサス参加ノード約100~150バリデータ規模(2024年)。DPoSにより委任型、最低ステーク要件あり1,000+バリデータ(2024年)。PoSによりインフレ報酬で誘導、ハード要件高
トークン供給上限100億枚の固定供給。インフレなし上限なしインフレ。初年度約8%、年1.5%まで逓減し以降維持
ステーキング報酬初期配分からコミュニティリザーブ50%を充当。将来は手数料収入で賄う想定インフレ報酬(現状年5%弱)で支払い。基本手数料の一部バーンで実効インフレ調整
時価総額約90~100億ドル(FDV換算、2024年時点)。トップ50前後のアルト規模数百億ドル規模(2025年、暗号資産上位常連)
強み最新技術による超高性能潜在力、Move言語の安全性、固定供給による希少性、VCバックアップ実証済みの高速チェーン、巨大かつ多様なエコシステム、開発者・ユーザーコミュニティの厚み、流動性と知名度
弱み・課題エコシステム未成熟、実環境でのスケーラビリティ未検証、流動性や橋渡し不足、初期集中度合い過去のネットワーク障害履歴、需要急増時の手数料スパイク、人気故のスキャムリスク、規制上の不透明感

関連記事:ソラナ(SOL)ETFはいつ承認されるのか?将来性や特徴も解説

仮想通貨Suiとソラナはどっちが投資対象として優れている?

本稿執筆時点の市場では、ソラナが実績とエコシステムの充実度で一歩リードしており、より安定した投資対象と考えられます。一方で、Suiは革新的な技術と急成長を遂げており、将来的にその差を縮める可能性が十分にあります。「安定性を重視するならソラナ」、「成長ポテンシャルを狙うならSui」といった選択肢になり、投資家のリスク許容度やリターンの期待値によって判断が分かれるでしょう。

ソラナの強み:安定したエコシステムと機関投資家の支持

ソラナは3年以上の稼働実績を持ち、DeFiやNFT分野で確固たる地位を築いています。特に、ビザやフランクリン・テンプルトンといった伝統金融機関がソラナを採用しておりETF承認に向けた動きも加速中で、機関投資家の信頼も厚い点が大きな強みです。さらに、時価総額が暗号資産市場のトップクラスであることから、流動性が高く安定した投資対象となっています。

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Suiの強み:革新技術と急成長

SuiはMove言語を採用した高性能なブロックチェーンで、並列処理や動的NFTといった技術面ではソラナを上回る部分もあります。2024年には驚異的な成長を遂げ、TVL(総預かり資産)が5倍以上増加。25年3月にはトランプ一族率いるワールド・リバティ・ファイナンシャル(WLFI)がSui提携し、SUIを「戦略的リザーブ」に追加しました。また、グレースケールがSUI信託を設立し、フランクリン・テンプルトンがスイと提携、資産管理会社のカナリー・キャピタルは、デラウェア州でSUI上場投資信託(ETF)のための法定信託を登録するなど、大手プレイヤーの参入も進んでいます。

具体的な市場データと比較

  • ソラナの2024年実績
  • Suiの2024年実績
    • TVLが5倍増で10億ドル超え
    • DEX取引高で競合チェーンを上回る場面もあり
    • グレースケールがSUI信託を設立し、機関投資家の参入が進行中

ただし、SUIは上場後に大きく変動し、最高値5ドルから半値程度に落ち着いているため、市場はまだ慎重に見ている様子です。

投資判断のポイント

ソラナとSui、それぞれに異なる強みがあるため、投資判断は安定性と成長性のどちらを優先するかにかかっています。

  • 安定した投資を求めるならソラナ(実績・流動性・機関投資家の支持)
  • 将来的な成長を狙うならスイ(革新技術・急成長・新規参入プレイヤーの増加)

とはえいえ、どちらを選ぶかは、投資家自身のリスク許容度や戦略次第となるでしょう。

関連記事:暗号資産運用会社グレイスケールとは?

技術的特徴の比較:コンセンサスと取引処理

Sui価格分析、SUI

Suiとソラナはどちらも高性能なブロックチェーンを目指していますが、その技術アーキテクチャ、コンセンサスアルゴリズム、トランザクション処理方式には大きな違いがあります。ここでは、それぞれの技術的特徴を詳しく比較します。

コンセンサスアルゴリズムとネットワーク設計

ソラナ(PoH + PoS ハイブリッド)

ソラナは、PoSとPoHを組み合わせたハイブリッドなコンセンサスアルゴリズムを採用しています。

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  • PoH(履歴証明)
    • 暗号学的なタイムスタンプとして機能し、各トランザクションの順序を事前に決定する。
    • これにより、検証者(バリデータ)はブロックを構築する際に取引の順序を即座に合意できるため、高速な処理が可能。
    • 従来必要だったタイムスタンプ合意のオーバーヘッドを削減し、ブロック生成速度を向上。
  • PoS(ステーク証明)
    • ネットワークの安全性を確保するために採用されており、バリデータがトランザクションの最終承認を行う。
  • ネットワーク設計
    • シャーディングやサイドチェーンを使わず、単一チェーンでスケーリングする設計
    • すべてのノードが同じ台帳を保持することでデータの一貫性を維持しながら、高TPSを実現。
    • PoHにより、ノードは順序付けされた取引データを即座に処理でき、ネットワーク全体の高速化に寄与。

このアーキテクチャにより、ソラナは短いブロックタイム(約0.4秒)と高TPSを実現しています。ただし、高負荷時にはネットワーク停止や遅延が発生することがあり、その点が課題とされています。

関連記事:PoSとPoWの違いやメリット・デメリットを解説

Sui(Mysticetiプロトコル + 並列処理設計)

Suiは、Delegated PoS(DPoS)を基盤としつつ、独自のMysticetiエンジンを組み込んで、低レイテンシと高スループットを両立しています。

  • Mysticetiエンジン(Narwhal & Bullshark)
    • DAG(有向非巡回グラフ)構造を活用し、複数の検証者が並行してブロック提案を行える。
    • 従来の単独リーダー提案型の合意形成と異なり、ネットワーク帯域を最大限に活用して並列処理が可能
    • 検閲耐性が高く、分散性を維持しながら合意形成が行える。
  • Bullsharkコンセンサス
    • 3ラウンドのメッセージ交換でブロックを確定(従来のBFTよりも素早く確定可能)。
    • リーダーノード不要でコンセンサスが成立するため、障害耐性が高い。
  • ネットワーク設計
    • 並列処理を前提としたアーキテクチャで、複数のトランザクションを同時に処理可能。
    • 「シンプルな取引」と「複雑な取引」を分類し、それぞれ最適な処理経路を選択する設計
    • これにより、ネットワーク負荷が増えてもスケーラビリティを確保できる。

Suiは取引の分類と並列処理を活用することで、ソラナよりも柔軟なスケーリングを実現しています。リーダーレスな合意形成により、ネットワークの安定性が高く、障害発生時でも取引の遅延を最小限に抑えることができます。

取引速度(TPS)とファイナリティ(確定時間)

項目ソラナSui
理論最大TPS50,000~65,000 TPS300,000~400,000 TPS
実際のTPS約2,400 TPS未確定(取引量が少ないため)
ファイナリティ時間0.4秒(400ミリ秒)0.5秒未満

Suiは理論上、ソラナを大幅に上回るTPSを誇ります。実際、Mysten Labsのテストでは50ノード構成で40万TPSを達成したと報告されています。ただし、現時点では取引量がソラナほど多くないため、実際のパフォーマンスがどの程度発揮されるかは今後の成長次第です。

分散性の比較

項目ソラナSui
バリデータ数約1,000以上(2025年3月時点)約111台(2025年3月時点)
地理的分散世界各地に分散(AWSやHetznerなど主要プロバイダーに分散)13か国以上に分散
ステーキング要件高スペックなサーバーが必要(32コア以上のCPU、1TB以上のストレージ)DPoS(委任型)で参加しやすいが、バリデータになるには最低30百万SUIのステークが必要
初期トークン配分投資家・財団に多く割り当て(シードセール16.23%、ファウンディングセール12.92%、チーム12.79%、ソラナ財団10.46%)コミュニティリザーブ50%

ソラナはバリデータ数が多く、地理的にも分散されていますが、高性能なハードウェアが必要なため、個人運営のノードは少なく、寡占化のリスクがあるとの指摘もあります。

一方、Suiは現時点でバリデータ数が少なく、一部の機関投資家や開発チームの影響力が強いため、初期段階ではやや中央集権的な傾向があります。ただし、DPoSの特性上、時間が経てば一般ユーザーの影響力が増していく可能性もあるため、今後の展開に注目が集まります。

トークノミクス(経済設計)と市場動向

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SUIトークンの供給

コインゲッコー
  • 発行上限100億枚の固定供給:新規発行なし。
  • 初期トークン配分
    • コミュニティリザーブ:50%(ステーキングやエコシステム助成)
    • 初期貢献者:20%
    • 投資家:14%
    • Mysten Labs財務:10%
    • コミュニティアクセスプログラム:6%
  • 長期的に希少性が高まり、価格上昇要因となる可能性がある。

SOLトークンの供給

コインゲッコー
  • インフレ型(上限なし):毎年1.5%のインフレ率で新規発行。
  • 初期トークン配分
    • シードセール:16.23%
    • ファウンディングセール:12.92%
    • チーム:12.79%
    • ソラナ財団:10.46%
  • バーン(焼却)メカニズム:取引手数料の50%をバーンし、供給量の増加を抑制。
  • ステーキング報酬が得られるため、株式の配当のような仕組み。

2025年以降の展望:Suiとソラナの将来性

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両チェーンの今後の成長戦略や技術的進化を踏まえ、それぞれの優位性や将来的な市場ポジションについて考察します。

ソラナの開発目標と展望

ソラナは、高速かつスケーラブルなブロックチェーンとしての優位性を維持・強化することを目標としています。2025年以降の主な開発計画と方向性は以下の通りです。

  • 1. スケーラビリティとパフォーマンス向上
    • 2025年初頭にFiredancerクライアントの完全運用が予定されており、1秒あたり100万トランザクション以上の処理能力を目指しています。この技術により、ネットワークの安定性とセキュリティが向上し、大規模商用利用が可能になります。
  • 2. 実世界での利用拡大
  • 3. エコシステムの成長
    • Solana Dapp Storeの拡充や開発者向けツールの提供を強化し、DeFi・NFT・ゲーム分野の新規プロジェクトを積極的に支援しています。2025年以降もこの戦略を継続し、Web3エコシステム全体の活性化を目指しています。
  • 4. 技術革新の継続

ソラナは、これらの技術革新と実用化の取り組みを通じて、市場リーダーとしての地位を維持し、日常生活に浸透するブロックチェーンの実現を目指しています。

Suiの開発目標と展望

Suiは、2023年のメインネット立ち上げ以降、急成長を遂げており、2025年以降もその勢いを維持することを目標としています。主な開発計画と今後の方向性は以下の通りです。

  • 1. スケーラビリティとパフォーマンス向上
    • オブジェクト指向モデルを採用し、並列トランザクション処理を可能にする独自のPrimacy Consensusを活用。2025年以降もこのスケーラビリティを強化し、低コストで高速なトランザクション処理を実現する計画です。
  • 2. セキュリティとプライバシーの強化
    • Move言語の安全性が評価されており、2024年のアップデート「Move 2024」により開発者の利便性が向上しました。2025年以降も、セキュリティ監査やバグ修正を継続し、より信頼性の高いネットワークを構築していきます。
  • 3. クロスチェーン機能の統合
    • ネイティブブリッジの開発が進んでおり、イーサリアムやソラナとの相互運用性が向上する見込みです。2025年以降は、資産やデータのシームレスな移動を可能にするマルチチェーン環境の実現を目指しています。
  • 4. エコシステムの拡大
    • ゲーム・メタバース・金融機関向け基盤としての成長が期待されており、大規模ブロックチェーンゲームのリリースも噂されています。開発者向けツールの改善やハッカソンの開催を通じて、新規プロジェクトの参入を促進しています。
  • 5. 新しいユースケースの探索

Suiの目標は、開発者とユーザーが安全かつ簡単にWeb3を活用できる環境を提供し、次世代のデジタル体験を創出することにあります。

関連記事:SUI財団、2025年計画とブロックチェーンゲーム、リブラなどを語る

まとめ:安定した投資ならSOL、将来的な成長を狙うならSUIが堅実

ビットコインベアマーケットETF流出インフレーションCPIデータ

Suiとソラナは、スケーラビリティと低手数料を強みに持つ次世代のレイヤー1(L1)ブロックチェーンです。ソラナはすでに確立されたエコシステムと機関投資家の支持を得ており、流動性の高さや安定性を求める投資家に適しています。一方、Suiは革新的な技術と並列処理を活用し、急成長を遂げています。特にMove言語の採用やDAGベースのコンセンサスなど、今後の拡張性とセキュリティ強化が期待されるポイントです。安定したリターンを重視するならソラナ、将来的な成長と高リターンを狙うならSuiが有望な選択肢となるでしょう。

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