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初心者のためのTreasureメタバース、MAGICトークン・ガイド

24 mins

Web3にゲームがあることを知っていますか?あるいは、やったことはありますか?Web3は知っているけどゲームはまだという人、すでに慣れ親しんでいる人も、おそらく興味をそそられる魅力あるWeb3ゲーム、Treasureメタバースを紹介します。本記事ではTreasureメタバースとは何か、どのような仕組みか、そこで使用されるMAGICトークンの使い方について説明します。また、Treasureメタバースは、進化し続けるプレイ・トゥ・アーン(P2E)の中で、どのような役割を担っているのか、このエコシステムの特徴は何なのか、についても探っていきます。

Treasureとは?

成り立ち

Treasureは、相互に接続されたメタバースプロジェクトのネットワークをまかなう分散型ゲームプラットフォームです。イーサリアムのレイヤー2スケーリングソリューションであるアービトラム上に構築されています。このプロジェクトは、2021年9月に公開されましたが、それはtreasuresカード(またはtreasures)を保有するLootの派生プロジェクトでした。Lootとは、コミュニティが所有する分散型NFTプロジェクトで、adventurer gear(ランダムに組み合わされたアイテム)のNFTバッグ8,000個のコレクションを保有しています。開発者はLoot上でプロジェクトの構築もできます。

Treasuresは、非代替性トークン(NFT)のことで、プレイヤーはトークンを用いてプラットフォームのネイティブトークンであるMAGICを採掘します。プロジェクトの初期には、ユーザーはTreasureのネイティブDeFiプロジェクト-Magic FarmにLootのNFTやその他のトークンを預けることで、MAGICトークンが得られました。Treasureは2021年10月にアービトラムに移行した際にMagic Farmを閉鎖しました。

チーム構成

Treasureは3人の共同創設者によって設立されました: ジョン・パッテンカレル・ヴオンガープの各氏です。Treasureの分散型自律組織(DAO)は、共同創設者とそのチームをサポートしています。チームメンバーはTreasureのコミュニティから選ばれ、プロジェクトはオープンでコミュニティ主導で行われます。コミュニティメンバーは、チームとともにプロジェクトを構築し、その見返りにMAGICトークンが得られます。

TreasureDAOは現在、MAGICトークンをステークしている1,000人以上のコミュニティメンバーで構成されています。これらの人々は、プロジェクトを管理し、重要な決定について投票します。例えば、どのメタバースプロジェクトを進めるか、MAGICトークンをどのように配分するかなどです。またDAOのメンバーからなる専門チームがTreasure Councilを組織し、プロジェクトのビジョンを実現する責任を担っています。

資金調達

Treasureは2022年9月に、完全希薄化後評価額8,000万ドルに基づくトークンセールで350万ドルを調達しました。Digital Strategies Guildがトークンセールを主導し、他にアービトラム、1kx、ID Theory、Alchemy Ventures、Skycatcher、Neon DAO、IndiGG DAO、StreamingFastなどが参加しました。トークンセールでは、プロジェクトによる売却は14,964,375のMAGICトークンでした。Treasureは同トークンを1年間ロックする予定です。

TreasureDAOは同月、プレイ・トゥ・アーンWeb3ゲームのBattleFlyGameとの戦略的パートナーシップを発表し、その際に500,000のBattleFlyトークンを100万ドルで購入しました。

アーリーステージ投資会社の1kxは2021年12月、300万ドルの資金調達ラウンドを主導し、TreasureDAOプロジェクトの規模拡大を支援しました。Merit Circle、Neon DAO、METAT8、AcadArena、Ready Player DAO、その他の戦略的投資家がラウンドに参加しました。

ロードマップ

Treasureは、短期間でいくつもの画期的な成果を上げています。それらは、DAOの構築、アービトラムへの移行、NFTマーケットプレイスTroveの立ち上げ、Chainlinkの価格参照オラクルとの統合、MagicSwapの展開、自動マーケットメーカー(AMM)プロトコルの導入などです。プロジェクト全体の公式なロードマップはまだ公表されていませんが、創設者たちは、Treasureによる独自のアプリ専用チェーンの構築を考えています。

おもしろい点は、Troveには独自のロードマップがあることです。そこではユーザープロフィールのカスタマイズ化、ユーザーインターフェイスのゲーム化が計画されています。

Treasureの仕組みはどうなっているか?

Treasureのプラットフォームは、カートリッジ、コミュニティ、インフラの3つの主要レイヤーで構成されています。以下に、各レイヤーについて説明します:

カートリッジ

カートリッジは、Treasureや他のプロジェクトが構築したゲームやメタバースです。このプラットフォームの中心となるメタバースは、Treasureの代表的なゲームである「Bridgeworld」で、プレイヤーはMAGICトークンを獲得できます。このゲームをプレイするには、プレイヤーはlegions(ゲームの一部である戦士のNFT)を購入する必要があります。また、Bridgeworldでは、プレイヤーはMAGICとtreasures(NFT)を使用します。legionsはtreasuresを使ってMAGICの採掘を行い、またMAGICを用いてtreasuresが使える新しいアイテムの構築や探索もできます。これらのアイテムは、legionsの冒険をアシストします。

こうしたtreasuresとMAGICの関係は、他のプロジェクトにおけるメタバース経済構築のためのベースレイヤーとなっています。

Smolverseは、もう一つのTreasureのメタバースプロジェクトで、参加者はsmol brains、smol bodies、smol pets、smol carsといった様々な非代替性トークン(NFT)を収集できます。このメタバースは、アービトラム上に構築された自由に歩けるインタラクティブな世界で、参加者はストーリー仕立てのオンチェーンアクティビティに参加できます。

Treasureはまた、BattleFly、Knights of Ether、The Beacon、LifeVerse、Tales of Elleria、The Lost Donkeysなど、10以上のゲームプロジェクトを支えています。

コミュニティ 

Treasure上に構築されたメタバースプロジェクトには、それぞれ小さなコミュニティがあります。これらのプロジェクトは、すべてMAGICを使用し、経済的に結びついています。プレイヤーはMAGICで報酬を獲得しますが、各メタバースにはそれぞれ独自のトークンがあります。

Treasureのエコシステムはオープンであり、プレイヤーはゲーム間をシームレスに移動し、異なるメタバース間でゲーム資産を利用できます。エコシステムのコミュニティメンバーは、2023年4月時点で10万人を超えています。

インフラストラクチャー 

Treasureのインフラは、Troveマーケットプレイス、MagicSwap、TreasureTags、Treasure Createから成っています。Troveは、2021年11月13日にスタートしたNFTマーケットプレイスです。マーケットプレイスでは、NFT価格はETHとMAGICで表示されます。プレイヤーはTroveでTreasureゲームをプレイするために必要なNFTを購入します。

Troveにはleaderboardがあり、ユーザーは取引量別にトップのNFTコレクションが見れます。Troveは2.5%のプラットフォーム手数料を徴収し、コレクション所有者は0~20%の範囲でクリエイター手数料を設定できます。プレイヤーがTroveを利用するには、アービトラムとイーサリアムに対応しているウォレットに接続する必要があります。Dune Analyticsデータによると、Troveの30日間の取引量(2023年4月上旬時点)における価格は10.3ETHでした。

MagicSwapは、自動マーケットメーカー(AMM)プロトコルを用いた分散型取引所で、ユーザーはTreasureゲーム経済内で資産を取引できます。例えば、プレイヤーはMagicSwap上でMAGICをBattleFlyのトークンであるGFLYに交換できます。またユーザーは、MagicSwap上で取引を促進する報酬と引き換えに、利用可能なプールを通じて流動性の提供ができます。報酬は、トレーダーがトークン交換のために支払うトランザクション手数料から得られます。

TreasureTagsは、ゲーマーのための譲渡不可の無料IDです。プレイヤーは、1つのタグをTreasureのゲームエコシステム全体で自分のアイデンティティとして使用できます。タグには名前と4桁の数字が書かれています。Treasureでは、1つのウォレットにつき1つのタグに制限しています。将来的には、タグをアバターや獲得したバッジに関連付け、外見の修正ができる予定です。ゲーマーは、Trove上でタグを要求できます。

Treasure Createは、Treasure上のゲームに寄与する参加者のためのプログラムです。このプログラムでは、ゲームクリエイターを認定し、その貢献度に応じて報酬を与えます。トップクリエイターは、ゲーム内アイテム、バッジ、Discordでのクリエイターとしての役割、ベータプレイテストへのアクセスなどの特典が得られます。

Treasure NFTとは?

Treasure NFTは、プレイヤーが様々なメタバースでプレイする際に収集する資産です。これらのNFTは、ユニークかつ異なる特性や希少性を備えています。TreasureエコシステムのNFTには、 legions、treasures、smol bodies、 smol brains、smol cars、battleflys、seeds of life、consumables、toadzなど様々なものがあります。

Consumablesは、treasuresから生成されるBridgeworld内のNFTで、プレイヤーにはユーティリティが供与されます。他方、「Tales of Ellaria」というゲームには、遺物、英雄、装備品のNFTがあります。プレイヤーは英雄を集めて訓練し、冒険に出る準備を整えます。ゲームを通して、ヒーローはクエストを探索し、タスクをクリアして遺物や装備品を手に入れます。 

Toadstoolzゲームでは、プレイヤーはToadzの購入や鋳造ができます。冒険中には、NFTのアイテムの収集もできます。Treasure NFTはTroveで購入します。ユーザーは、所有するNFTの販売も可能です。本記事執筆時点では、Trove leaderboardで1日の取引量で最も多かったNFTは、treasuresとsmol brainsでした。

マジック(MAGIC)とは?

MAGICを購入する:Treasure.lol

トークノミクス

MAGICは、Treasureのネイティブトークンです。デフレになるように作られたERC-20トークンです。MAGICトークンの最大供給量は347,714,007です。本記事執筆時点では、MAGICの流通供給量は213,538,759(最大供給量の61%)でした。

MAGIC(トークン)はBridgeworld内で放出(emit)され、回収(harvest)されます。放出量は、毎年発生する半減イベントにより、時間の経過とともに減少します。

Treasureはトークンをそれぞれ、treasure farm-33%、マイニング-25%、ステーキング-17%、エコシステム基金-15%、チーム-10%に配分しました。

MAGICトークンの使い方

MAGICトークンはユーティリティトークンとして使用され、ユーザーはTrove上のNFTをトークンで購入できます。また、プレイヤーはTreasure上に構築された様々なゲームに参加する際にMAGICを使用したり、トークンで報酬も得られます。

加えてMAGICは、ガバナンストークンとしての役割も担っています。ユーザーがステーキングでMAGICトークンをロックした場合、(Treasureにおける)改善提案への賛否を問う投票権が得られます。

MAGICのステーキング

MAGICのステーキングとは、Bridgeworld内でプレイヤーがharvesterを構成するパーツをステーク(預け入れ)することを指します。harvesterはBridgeworldに存在する古代生物(ancient creatures)で、MAGICを見つけ出して採取します。Legions(プレイヤーを指す)はharvestersを手なずけて、彼らが採取したMAGICを自分たちのものにできます。

プレイヤーは、1匹のharvester当たり最大500個のパーツにステークできます。ただし、harvesterのパーツ1個当たり、30,000MAGICトークンをステークする必要があります。パーツは(ゲーム内の)鍛冶屋でプレイヤーが作るか、Troveでの購入もできます。

MAGICウォレット

Treasureのユーザーは、イーサリアムウォレット(MetaMask、Rainbow、Coinbase Wallet、Gnosis Safe)のどれかを使用して、MAGICの購入、保管ができます。ユーザーはMAGICトークンを購入する際、自分がアービトラムネットワーク上にいることの確認が必要です。またMAGICは、Treasureエコシステム内のすべてのメタバースを支えているので、これがなければスタートはできません。

Treasureエコシステムのメリット、デメリット

メリット

  • エコシステム内の様々なゲームは相互に運用でき、プレイヤーは様々なゲームやメタバース間でゲーム内資産を移動できる。
  • ゲーム開発者は、ゼロから始めるのではなく、Treasureのインフラを利用して迅速にゲームを構築できる。
  • Treasureのゲームは、プレイ・トゥ・アーン(P2E)方式なので、ゲームからは単なる暇つぶしではない、大きな価値が得られる。
  • TreasureのゲームでNFTを使用して、プレイヤーはゲーム内のアイテムを所有し、売却して利益が得られる。
  • Treasureはコミュニティが主導している。

デメリット

  • ユーザーは、Treasureのプラットフォーム(マーケットプレイス、ゲームネットワーク、取引所)利用で多くのことができるため、初心者は戸惑うかもしれない。
  • 初心者には、Bridgeworldのステーキングは複雑かもしれない。

TreasureのWeb3ゲーム:相互運用が発展の鍵

Treasureは、相互運用を実現してWeb3ゲームに変化をもたらしています。これは、プレイヤーが様々なメタバースのゲーム内資産から多くの価値を引き出せるということです。プラットフォームは、Web3ゲームのエコシステムを促進し、開発者が迅速にゲームを構築できるインフラも提供しています。

Treasureは、レイヤー2ネットワーク上の構築が成功し、10万人以上のプレイヤーを抱えるゲームプロジェクトとして、大きく発展していく可能性を秘めています。今後数年以内に脚光を浴びるプロジェクトとして期待が高まっています。

よくある質問

Treasure MAGICとは何ですか?

アービトラムにおけるMAGICとはどういうことですか?

Treasureマーケットプレイスの基本通貨は何ですか?

MAGICの創設者は誰ですか?

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Takashi Higashi
国際広報、海外の先端技術調査、海外企業との提携等をこれまで行ってきました。ここ数年、暗号資産に関心を持ってウオッチしています。
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