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RWA領域を牽引する仮想通貨ONDOとは?

20 mins

ヘッドライン

  • Ondo FinanceはRWA(現実資産)のトークン化を通じ、DeFiと伝統金融を融合させる革新的プラットフォームで、米国短期債をトークン化し透明性と効率性を提供します
  • 主力プロダクトとして、米国債を裏付ける「OUSG」や利回り付ステーブルコイン「USDY」があり、ブラックロックやコインベースとの提携で信頼性を強化します
  • ONDOトークンはガバナンスを担い、RWA市場の成長に貢献。2027年には価格3.41ドル予測もあり、機関投資家と小売需要が高まっている

RWA(現実資産)のトークン化が注目を集める中、Ondo Financeはその最前線を走る革新的なプラットフォームとして存在感を示しています。主に米国短期債や証券をトークン化し、DeFiと伝統金融を融合させることで、透明性や効率性を飛躍的に向上させている点が特徴です。独自トークン「ONDO」はガバナンスを担い、エコシステム全体の成長を支える役割を果たしています。ブラックロックやコインベースと提携するなど、信頼性の高いインフラを構築し、RWA市場の拡大を加速させています。

本稿では、Ondo Financeの概要や主力プロダクト、ONDOトークン、そしてRWAトークン化の可能性について包括的に初心者にもわかりやすいように解説します。

Ondo Financeとは?

トークン化された米国債市場

Ondo Financeは、RWAのトークン化を通じて、伝統的な金融市場とDeFiの橋渡しをするプラットフォームです。特に米国規制下における機関投資家向けの証券や短期米国債をトークン化し、ブロックチェーン上で提供することで、金融商品の透明性、効率性、そしてアクセス性を劇的に高めています。

Ondo Financeの使命は、伝統的な金融商品をオンチェーンで利用可能にすることで、より多くの投資家に安全かつ高品質な投資機会を提供することです。同社は高水準のコンプライアンスを維持しつつ、資産運用の効率化を追求しており、リスク管理や法規制遵守に重点を置いています。特筆すべきは、ブラックロックやコインベースといった一流の機関と提携している点で、これにより機関投資家だけでなく一般投資家も安心して参加できる基盤が整えられています。

Ondo Financeの主力プロダクト

出典:Ondo Finance
  1. USDY(US Dollar Yield)
    USDYは、米国短期債と銀行預金によって裏付けされた利回り付きステーブルコインです。年利約5%の変動利回りを提供し、従来のステーブルコイン(例:USDT)と異なり、利回りをホルダーに直接還元する構造となっています。USDYは高い透明性と堅牢な規制遵守を維持しつつ、非米国居住者を対象に提供されており、特に安定した収益を求めるリスク回避型の投資家に適しています。
  2. OUSG(Ondo US Government Treasuries)
    OUSGは機関投資家向けのフラッグシップ商品であり、ブラックロックが運用する短期米国債ETF「BUIDL」にトークン化された形でアクセスできる商品です。OUSGは24時間リアルタイム取引を可能にしており、米国国債市場の安全性とDeFiの流動性を同時に提供しています。
  3. Flux Finance
    Flux FinanceはOndoのレンディングプロトコルとして始まり、現在はNeptune Foundationに譲渡されています。Compound V2をベースに開発され、一般ユーザーはステーブルコインを貸し出し、利息を得ることができます。また、OUSGを担保として借り入れが可能で、リスクの低い資産を活用したレバレッジ戦略も実現しています。

今後の展望
Ondo Financeは現行のプロダクトに加え、さらなる公共証券のトークン化や他の金融商品の提供を計画しています。また、Ondo Bridgeの導入により、異なるブロックチェーン間でのシームレスな資産移動も実現され、RWA市場の成長を加速させることが期待されています。

拡大するOndoの採用事例と経済圏

Ondo Financeは、世界有数の金融機関および暗号資産関連企業と提携し、信頼性とセキュリティを高めることで、DeFiと伝統金融を結びつける革新的なインフラを提供しています。

  • Ondoは2024年3月、同社は、米国債を裏付けとするトークン「OUSG」の即時決済を実現するため、約9,500万ドルの資産を資産運用最大手のブラックロックの新たなトークン化ファンド「BUIDL」へ移行しました。同移行により、OUSGのサブスクリプションと償還の処理時間が従来のT+2日から即時に短縮され、暗号資産市場における24時間365日の取引ニーズに対応しています。
  • 2024年12月には、暗号資産カストディアンのAnchorage DigitalがAptosブロックチェーン上のトークンに対するカストディサービスを拡大し、BUIDLやOndoのUSDYトークンを含む複数のトークンの保管をサポートすることを発表しました。
  • Arkham Intelligenceのオンチェーンデータによると、ドナルド・トランプ次期大統領とその家族が資金提供する分散型金融(DeFi)プラットフォーム「World Liberty Financial」は2024年12月16日、WLFIはCow Protocolを通じて約25万ドル(USDC)で134,216 ONDOトークンを購入したことが確認されました。
  • Ondoは、BNY Mellon、Citi、JP Morgan、およびState Streetといった大手金融機関と連携し、伝統金融の強固なインフラを活用しています。これにより、資産の保管、決済、および管理の信頼性がさらに高められています。

Ondo Financeの24年1月データによれば、OndoFinanceはトークン化された証券のグローバル市場シェア約40%を掌握しています。

Ondo Global Marketsによる広範なユーザーへのサービス拡大

Ondo Global Marketsは2024年にOndo Financeが発表した革新的なプラットフォームであり、リアルタイム取引を通じてトークン化された証券へのアクセスを提供します。従来の金融市場では取引時間に制限がありましたが、このプラットフォームでは24時間365日の取引が可能となり、資産の流動性とアクセス性が飛躍的に向上しました。

特に注目されるのは、ブラックロックの「BUIDL」を基盤としたトークン化証券(OUSG)で、投資家は仲介業者を介さずに直接取引が可能です。これにより、手数料の削減や運用効率が大幅に改善され、一般投資家と機関投資家双方に柔軟な投資環境を提供します。

さらに、Ondo Global Marketsはイーサリアムやソラナなどのブロックチェーンと統合しており、迅速な取引と低コストを実現しています。これにより、地理的な障壁を超えたグローバルな市場参加が可能となり、トークン化資産の普及を加速させています。

関連記事:トランプ暗号資産プロジェクトのトークン購入=ONDOは過去最高値

Ondo Financeの仮想通貨ONDOとは?

マントラ RWA

ONDOトークンは、Ondo Financeエコシステムのガバナンストークンとして機能し、主にOndo DAO(分散型自律組織)内での意思決定に使用されます。投資家やコミュニティメンバーはONDOトークンを保有することで、Ondo、そしてFluxプロトコルのガバナンスや将来的なアップデートに関与し、経済的パラメーターやスマートコントラクトの改善提案などの重要な投票権を得ることができます。

ONDOトークンの供給とトークノミクス

出典:cryptorank

ONDOトークンの総供給量は100億枚と設定されており、インフレ計画は存在しません。これは、一定の供給量を維持することで長期的な価値の希薄化を防ぐ狙いがあります。

  • 初期供給量:2024年1月時点で約14億枚が市場に流通しており、これは主にトークンセール資金調達に使用されました。
  • 配分構成
    • 資金調達用トークンセール:初期段階の主要用途。
    • エコシステムの成長・開発:長期的な運営とプロトコルの拡大を支援するため段階的にアンロックされます。
    • チームと初期投資家への報酬:特定のベスティングスケジュールに基づいてトークンがリリースされます。

Ondo DAOのトークンホルダーは、プロトコルの方向性やガバナンスを支える意思決定に投票することができます。これには、経済的パラメーター(例:手数料の変更や利益分配構造)や、スマートコントラクトのアップデート、さらには新しいRWAトークンの導入や運用方針に関する議論も含まれます。なお、米著名ファンドのダン・モアヘッド代表も注目しているトークンとしてONDOをあげています。

関連記事:トークン化の大手Ondo Finance、アジア太平洋地域にビジネス展開を開始

RWA(現実資産)のトークン化とは何か?

RWAトークン化、トークン化された現実世界の資産、ParaFi

RWA(現実資産)とは、物理的な資産である不動産、債券、商品、機械などを指し、これらをデジタルトークンに変換し、ブロックチェーン上で管理や取引を行うことが可能です。このプロセスにより、従来の資産がブロックチェーンエコシステムに統合され、流動性、透明性、アクセス可能性が大幅に向上します。特に、高額な資産へのアクセスを広げ、多くの人々にその恩恵をもたらすことを目指しています。

トークン化のプロセス

現実資産をトークン化するとは、物理的な資産をブロックチェーン技術を利用してデジタルなトークンに変換することです。このプロセスを通じて、資産の分割所有権が実現し、より多くの人々が高価値の資産を小さな単位で所有できるようになります。例えば、不動産やアート、商品、さらには知的財産などをトークン化することで、これらの資産へのアクセスが容易になり、流動性の向上とともに従来の金融市場の進化が期待されます。

RWAトークン化の利点

RWAをトークン化することには、数々の利点があります。その中でも最も顕著なのが、流動性の向上です。ブロックチェーン技術を利用することで、取引時間に制約されることなく、24時間いつでも取引が可能となり、資産運用の柔軟性が大きく増します。また、トークン化により、透明性が確保され、投資家は資産の所有元や取引履歴を簡単に追跡できるため、詐欺や所有権に関する問題を防ぐことができます。さらに、従来の金融市場におけるコスト(書類作成、仲介者、法的手数料など)を削減し、資産管理を効率的に行えるようになることが期待されています。

関連記事:現実資産(RWA)銘柄6選 |日本で買える銘柄や買い方

高まるRWA領域への注目

同領域にはすでに、ブラックロックJPモルガンVISAなどの大手金融企業が参画しており、その成長性に期待が高まっています。

ボストン・コンサルティング・グループによれば、2030年までの同技術によってトークン化された資産の市場は約16兆ドルに達すると見られています。ブラックロックのラリー・フィンクCEOは1月米CNBCに対しRWA領域への強気の見解を示し、以下のように語りました:

ETFは金融モデルを改革する1段階目のステップだった。トークン化はその第2段階といえるだろう

ラリー・フィンクCEO|ブラックロック

さらに日本総研が23年11月に発表したレポートによれば、「RWAトークンは資金調達の新手段として注目され、グローバル市場で取引可能な点が魅力だ。一方で、権利の移転や契約の理解が課題。消費者にとってアクセスの難しさや投機的な過熱を防ぐ必要がある」との見解を示唆しました。国際決済銀行(BIS)は「暗号資産業界はRWAのトークン化の成長を見据えているが、仮想通貨は従来の金融システムの役割を代替できるほどの完全なシステムではない」と評しています。

関連記事:ブラックロックCEOのラリー・フィンクがビットコイン、イーサリアム、トークン化について語ったすべてのこと

ONDO価格予測:2024年~2027年

BeInCryptoのONDO価格予測によれば、27年までのONDOの価格の動きは強気と見られています:

最低価格平均価格最高価格
2024年2.16ドル2.23ドル2.56ドル
2025年2.38ドル2.45ドル2.82ドル
2026年2.62ドル2.70ドル3.10ドル
2027年2.88ドル2.97ドル3.41ドル
  • 2024年の見通し
    • 2024年のOndoの価格は、最低2.16ドル、平均2.23ドル、最高2.56ドルが予測されています。リアルワールドアセット(RWA)のトークン化が市場に浸透するにつれ、需要の増加が価格上昇の大きな要因となるでしょう。
  • 2025年から2026年の動向
    • 2025年には最低価格が2.38ドル、最高価格が2.82ドルと予測されており、徐々に上昇する見込みです。2026年にはさらに成長し、最低2.62ドル、最高3.10ドルに達する可能性があります。この期間は、オンチェーン資産の取引量増加が成長を支えるでしょう。
  • 2027年の価格予測
    • 2027年にはOndoの価格はさらに上昇し、最低価格2.88ドル、平均2.97ドル、最高3.41ドルに到達する見通しです。市場インフラの強化とトークン化資産の普及が、安定した成長を後押しすると考えられます。

まとめ:小売・機関投資家からの需要が高まるONDOに注目

RWAを証券化する

Ondo FinanceはRWA(現実資産)のトークン化を通じて、DeFiと伝統金融の融合を加速させる革新的なプラットフォームです。同社はブラックロックと提携し、米国短期債ETF「BUIDL」のトークン化商品「OUSG」を提供することで、24時間365日の取引と高い透明性を実現しています。また、ドナルド・トランプ関連のプロジェクトによるONDOトークン購入が話題となるなど、RWA市場への注目が急速に高まっています。

Ondoの主力商品USDYやOUSGは、機関投資家だけでなく一般投資家にも安全かつ効率的な投資機会を提供し、信頼性の高いインフラを築いています。今後、RWA市場の拡大とともにONDOトークンの需要が増し、エコシステムの成長がさらに加速すると期待されています。

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Shota Oba
国際関係の大学在籍中に国内ブロックチェーンメディアでのインターンを経て、2つの海外暗号資産取引所にてインターントレーニング生として従事。現在は、ジャーナリストとしてテクニカル、ファンダメンタル分析を問わずに日本暗号資産市場を中心に分析を行う。暗号資産取引は2021年より行っており、経済・社会情勢にも興味を持つ。
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