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ビットコインの普及はなぜ進まない?|BTC保有率、世界人口の1%未満

10 mins

ヘッドライン

  • ビットコインが普及するスピードは、他の主要テクノロジーと比較して遅れている
  • そのスピードは遅すぎるのか、それとも予測通りなのか
  • ビットコインの普及を阻む要因は主に10種類ある
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ビットコイン・マキシマリストと話した経験がある人は、ビットコイン(BTC)の運用が開始された2009年以降、世界が一変したと思うかもしれない。

しかし23年現在、ビットコインを保有している人数は世界人口の1%にも満たない。なぜビットコインは誕生から14年を経てもなおニッチな存在なのか?

この点について当社アナリストが考察した

ビットコインのマスアダプションは遠い

23年2月に行われた最新調査によると、ビットコインを保有するオンチェーン・ウォレットの総数は4,415万にとどまる。

多くの人々にとってのビットコインは、そのボラティリティの高さによって一部の人々が財産を築いた(あるいは失った)ときにのみ、目を引く存在といえる。投機的な側面にばかり注目が集まり、技術的な側面には目がいかないのが現状だ。

新規ユーザーの多くは、成功者に憧れ、投機的な賭けとしてビットコインに資金を投じることはできるかもしれないが、ビットコインにそれ以上の価値を見出すわけではない。

ビットコインの普及が進まない10の理由

筆者が考える、ビットコインの普及が進まない10の理由を以下に挙げる。

①理解不足:ビットコインはまだ比較的新しい技術である。そのため、投資的な側面に加えて技術的な側面まで理解することは困難。また、ビットコインの購入や、ウォレットのセットアップ、資金の送金といったプロセスは、手軽さを求めるユーザーにとっては煩雑だ。

②ボラティリティ(変動性): ビットコインの取引価格は、他金融商品と比較すると不安定と言わざるをえない。このため、多くの投資家にとってはビットコインは信頼できない金融商品であり、あえて損失リスクを負って購入するケースは少ない。

③規制当局の不確実性:多くの国家の中央政府は、暗号資産(仮想通貨)に関する規制をまだ確立していない。そのため、安心してビットコインを保有するにはまだ多くの障害がある。

④ユースケースが少ない:ビットコインは、潜在的な可能性を持っているにもかかわらず、ユースケースは限られている。ビットコインはまだ、投機的な側面からのみ注目を浴びることが多い。オーディナル(Ordinals)はビットコインNFTとして話題を呼んだが、実世界で広く適用できる段階にはまだない。

セキュリティ上の懸念:ビットコインには、取引管理を行う中央組織が存在しない。暗号資産ユーザーの多くはメリットだと考える一方、この点を懸念に感じる者も多い。ハッキングや送金ミスによる資金紛失のトラブルに遭遇した場合、現時点では解決策が存在しないという点も、ビットコインの普及が進まない要因の一つである。

⑥取引時間の遅さ:従来の決済方法と比較すると、ビットコインの特定の状況下で取引処理に時間とコストがかかる。ブロックチェーン上のトランザクションが混雑している場合、特にこれが当てはまる。

スケーラビリティの欠如:ビットコインのブロックチェーンは現在、拡張性に限界があり、大量のトランザクションを格安の手数料かつ高速で処理することは困難である。

⑧ネットワーク効果:ビットコインは非常に人気があり、最もよく知られた暗号通貨である。しかしマスアダプションは遠いのが現状だ。

⑨ビットコイン決済の採用:ビットコイン決済の普及は、小売業者を中心に進んでいる。しかし、決済手段として世界中に普及するにはまだ長い時間がかかる。

⑩競合プロジェクトの存在:ビットコインは暗号資産市場をリードしているものの、イーサリアム(ETH)をはじめとした他の主要銘柄と競合関係にある。ライバル銘柄の台頭により、ビットコインの市場シェアが減少する可能性もある。

ビットコイン保有者数の伸び悩みは、健全な成長の証

我々は、何かがゆっくりと成長するとき、「成長率が鈍い」と危惧しがちである。しかしビットコインに関しては、ゆっくりかつ堅実な成長(スロー・アンド・ステディ)が有効なのかもしれない。

ビットコイン初期から投資を続けるNFTアーティストのガス・グリラスカ(Gus Grillasca)氏は、当社インタビューに対し次のように語っている。

「弱気市場を幾度も経験したため、ビットコインの普及には時間がかかると思う(中略)。しかし相場とは関係なく、ゆっくりとではあるが確実にビットコインは成長しており、それが変わることはないだろう」

ビットコインには健全なサイクルがあり、それが安定したペースで成長するのに役立っている。

ビットコインが直面するリスクと課題

ビットコインは過去、コミュニティの分裂に苦しんできた。グリラスカ氏曰く、17年のアップデート「Segwit」と反対派によるビットコイン・キャッシュ(Bitcoin Cash)ハードフォークのようなコミュニティの内紛は、悪影響を与える可能性があるという。

直近では、オーディナル(ビットコインNFT)に対してコミュニティ内で賛成派と反対派に意見が分かれ、緊張が走っていた。

もう一つの大きなリスクは、政府が提供する誤情報だ。グリラスカ氏は「多くの国家政府がCBDC(中央銀行デジタル通貨)を推し進めようとしている」と言う。さらにグリラスカ氏は「ほとんどの場合、政府はCBDCを国民に押し付けることに成功するだろう。なぜなら政府は、CBDCがビットコインのようなものだと国民に思い込ませることに成功しているからだ。結果、国民は政府発行の”常に監視されている”デジタル通貨を手に入れることになる」と続けた。

グリラスカ氏の見解では、政府発行のCBDCが多くの潜在的なビットコインユーザーを奪ってしまう可能性がある。

結論として、ビットコイン普及の鍵を握るのは、教育や口コミをはじめとした地道な普及活動となるだろう。グリラスカ氏はメキシコで毎週暗号資産の普及活動を行い、世界中の暗号資産カンファレンスで講演を引き受けている。

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Shunsuke Saito
青森県出身。2021年に暗号資産(仮想通貨)投資を開始後、22年よりライターとして従事。国内暗号資産メディアにてライター・編集を経て、23年3月、BeInCrypto(ビーインクリプト)にジャーナリストとして参画。ビットコイン、NFT、PoSノード、DeFiなどへの投資経験を持つ。
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