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平将明デジタル相が就任会見=税制改正、NFT活用、サイバー安保などに言及

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ヘッドライン

  • 石破新政権の閣僚人事でデジタル大臣に就任した平将明氏が就任会見を開いた
  • 暗号資産などの税制改正については明言を避けるも重要課題とした
  • その他、サイバー安保やマイナンバーの分散型IDなどについても言及した
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先の閣僚人事でデジタル相に就任した平将明氏が2日、就任会見を開いた。

平大臣は冒頭「社会のデジタル化の司令塔として、行政の縦割りを打破し、全ての国民にデジタル化の恩恵が行き渡る社会を構築する。また、DFFT(データフリーフロー with トラスト)の構築に向けて世界をリードしていく」などと語った。

Web3において税制は最重要課題

質疑応答で平氏は、「ブロックチェーン技術がより普及するためには、どういった規制緩和が必要か?」という質問に対し、「一番は税制だと思うが、税制について言える立場ではないので、そこはノーコメントとさせていただく」と語った。続けて「その上で、例えばNFT(非代替性トークン)などは一次ブームとなったが、現在は下火となっている。ただ、ブロックチェーン、NFTは日本の潜在価値を最大化するには、活用方法がある」と答えた。

「ニセコのスキー場においては15分早く乗れるリフトチケットは15分5000円が最大価格9万円で販売された。これはスマートコントラクトであり、転売した人だけではなく事業者にも利益が還元された」との一例を挙げた。

また、「これは外国人観光客からすれば、朝並ばずにリフトに乗れ、まっさらなパウダースノーのスキーを楽しめるという点で9万円の値が付いた。こうした仕組みは日本の伝統文化やコンテンツなどをグローバル価格に引き直すのに非常に有効だろう」との考えを示した。

平氏は「日本の強みとしてWeb3・ブロックチェーンゲーム、ステーブルコインなどが登場していくことでメタバース空間での新しい経済圏が生まれる」との期待を示しているが、NFTはここ1、2年、まさに下火状態が続いている。しかし、日本の強みとなっているゲーム業界やインバウンド観光業、メタバースにおける経済圏の推進などについて、具体例を示した点において、Web3業界に期待を持たせる答弁だった。

関連記事:NFTのビジネス活用事例を紹介

マイナンバーにもブローックチェーン技術を

「将来的にはDID(分散型ID)など行政分野においても今後しっかり見定めていきたい」との考えを示した平氏。DIDが普及すれば、昨年起きた、マイナンバーの公金受取口座をめぐる一連の問題を速やかに解決する可能性はある。

分散型IDはブロックチェーンなどの技術を使って、個人でIDを管理・所有できる「非集中型の個人ID」のことだが、現行のマイナンバーでは、健康保険証、銀行口座、年金記録などの名寄せにおいて別人の情報がひも付けられるトラブルが起きていた。

こうしたマイナンバーのトラブルに共通するのは、自治体や関係機関の職員が、マイナンバーや住民データを照会する際に、誤って同姓同名の人の情報を引き出してひも付けてしまうという、まさに中央集権型のシステムに起こりやすい点が挙げられる。

分散型IDの正常な普及は、こうしたマイナンバーの安全性とプライバシーを担保すると期待される。同会見においてもマイナンバーカードに関する質問は多く、国民の関心も高い。なお、平氏は1日、マイナンバーカードと保険証の一体化によって廃止される現行の保険証について、「方針は堅持したい」と語っている。

サイバー安保相を新設

石破政権で新設されたサイバー安全保障担当相について平氏は、「サイバーセキュリティーはかなり深刻度を増してきている。アクティブサイバーディフェンス(積極的サーバー防衛)といった言葉も聞かれるようになっているが、世界ではどういう対応をしていて、日本では何が足りないのかの議論を加速させる必要がある」とサイバー安保新設の意義を強調した。

平氏は、新型コロナウイルスが中国から日本に入ってきた2019年当時、内閣府の副大臣でデジタル担当と防災担当を兼務した。

なお、会見の全容は以下の通り:

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Shigeki Mori
大阪府出身。日本では雑誌編集者、読売テレビ広報記者、豪州では日系メディア編集・記者などを経てフリーに。日本とオーストラリアで20年以上、ジャーナリスト、編集者、翻訳者、ウェブプロデューサーとして活動してきた。近年は暗号資産関連の記事の執筆や翻訳、コンテンツ・マネジメントを行っている。
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