コインチェックを傘下に持つマネックスグループは4日、カナダのデジタル資産運用会社3iQデジタルホールディングスの株式97.8%を取得した。機関投資家による暗号資産投資への関心拡大に対応する戦略的な動きとなる。
同社は進化するデジタル資産業界への本格参入を加速している。
運用資産11億ドルに拡大、機関需要を取り込み
Sponsoredマネックスグループは4日、カナダ子会社3iQデジタルホールディングスの株式を追加取得したと発表した。取得額は約3100万ドル。これにより議決権比率は20.6ポイント上昇し97.8%に達した。トロント拠点の同社を実質的に完全子会社化した形となる。
マネックスは2024年4月に3iQの筆頭株主となった。その後、3iQは新たな投資商品を相次ぎ投入している。2025年4月にはソラナステーキングETFを開始した。同年6月にはXRP ETFをトロント証券取引所に上場させた。
こうした商品拡充により運用資産は急拡大している。2024年6月の7億8550万ドルから2025年6月には11億ドルまで増加した。前年同期比39%の伸びを記録している。
マネックスグループは今回の追加投資について説明した。機関投資家向けサービス能力の強化が狙いだとしている。この顧客層では構造化された暗号資産運用商品への関心が高まっている。
機関投資家の需要と市場の位置付け
この決定は、市場の動向を反映しており、暗号資産関連の投資ビークルに対する機関投資家の需要が徐々に拡大していることを示している。暗号資産市場は規制の不確実性や価格の変動性に直面しているが、3iQのような資産管理会社は年金基金やヘッジファンド、その他の機関投資家からの関心が高まっていると報告している。
したがって、マネックスが持ち株を増やす決定は、デジタル資産への戦略的コミットメントの継続を示しており、日本最大の暗号資産取引所の一つであるコインチェックを通じた既存の事業を補完している。今回の買収は、3iQをグループ構造により統合し、機関市場を対象としたさらなる商品開発の可能性を残していることを強調している。
取引が完了したことで、マネックスは経営を統合し、商品ラインナップを拡大し、カナダの事業を全体的な財務戦略に沿って合理化する可能性を持つことになった。同社は今後の投資計画や商品発売についての詳細は明らかにしなかった。