三菱UFJ信託銀行(MUFJ)・日立製作所・NTTデータ・富士通などを含む8社は10日より、ブロックチェーンを活用した個人認証システムのスキームの構築に向け協議会を立ち上げる。日経新聞が8日、報じた。
同社などはブロックチェーン技術を活用し、1つのIDで複数のオンラインサービスが利用ができるサービスの提供を試みる。これにより、ユーザーのID管理の負担を軽減し、大手テック企業によるデータ独占の防止も視野に入る。現状、オンラインサービスごとにIDを持つことは、ユーザーにとってネックとなっており、セキュリティリスクも伴う。MUFJは、認証に必要な個人情報をデジタル化し、複数のサービスでの身分証明として使える技術の実用化を目指している。
利用者は独自のIDを獲得した後、自治体や金融機関から個人情報に基づくデジタル認証(VC)を取得し、これをブロックチェーンに載せる。この組み合わせにより、オンラインでの普遍的な身元証明が可能となる。この仕組みの強みには、利用者が主体的に自己の情報をコントロールし、大手企業のエコシステムから独立している点にある。ブロックチェーンの採用により、情報の開示範囲を利用者が独自に設定できる。
サービスを展開する企業も、情報を自らのサーバーに蓄積せず、セキュリティの危機を回避できる。この一貫した身分証明方法により、スマートフォンでの身元確認を活用し所属組織や学籍に応じた特典が享受できるなど、多岐にわたるサービスの利用が効率化される。一方、これらの分散型IDの発行にはプライバシー問題の懸念も引き起こす可能性があるため、政府との連携なども視野に入るだろう。
大手企業・省庁も注目する分散型ID
MUFJは3月29日、分散型IDの技術開発とビジネス化が目的とし大日本印刷(DNP)と技術開発および事業化について基本合意していた。デジタル庁は8月8日、凸版印刷が実施する「令和4年度補正 Trusted Web実証事業」にPitPaとフォースバレー・コンシェルジュを採択していた。同事業では、在留カードのDID作成と学歴・職歴の管理を通じて、海外人材のエコシステムを創出する。
日本発の暗号資産(仮想通貨)Jasmy(ジャスミー・JASMY)は7月31日、IDとパスワード不要の認証ソリューションを開発。分散型ID「Jasmy Personal Data Locker」と新たな特許技術を組み合わせて、パスワードレスの強固なセキュリティを提供している。分散型IDを使用した著名な暗号資産(仮想通貨)プロジェクトにはワールドコイン(WLD)があり、同プロジェクトでは独自の認証デバイスOrbでのアイリススキャン技術を用いて人間とボットを識別する。同プロジェクトはWorldID、WorldApp、WLDの3つで構成され、アイリス認証でトークンが発行される。World IDはWeb3での民主的ガバナンスと資産の平等な分配を実現する。
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