三菱UFJ信託銀行(MUFJ)および、Web3インフラ開発企業Gincoは暗号資産(仮想通貨)関連企業間のステーブルコインを用いた越境取引が可能な仕組みを構築する。日経新聞が3日に報じた。
両社は6月に施行された改正資金決済法を踏まえ、24年内に円・米ドル建てのステーブルコインを発行し、仮想通貨事業者間の安価かつシームレスな越境取引を可能にする。発行の検討には仮想通貨取引所のビットバンク・メルコイン・米カンバーランドグローバルが参加する。発行はMUFJが10月に分社化したProgmat(プログマ)の基盤を用いて行われる。今後も国内外の仮想通貨事業者の参加を集う。
プログマには3メガバンクグループ・NTTデータなどが出資を行う。プログマではステーブルコインやデジタル証券などの発行基盤を提供する。これまで、大手仮想通貨取引所のバイナンスやみずほ銀行など複数社がプログマの採用を明かしている。
MUFJとGincoは8月には、国内初となる信託銀行本体による「暗号資産信託」の提供に向けて協業を開始していた。トークン発行体に対する有利な税制と、機関投資家が暗号資産に投資できる仕組みを策定する。23年度内の商業展開を視野に入れ、関係者などは必要な手続きを行い、対象トークンの権利確定(ベスティング)に基づく実装を進める。Gincoの業務用暗号資産ウォレット「Ginco Enterprise Wallet」は国内トップの導入シェアを持つ。
MUFJはWeb3事業に積極的で、10月には日立製作所・NTTデータ・富士通などを含む8社とともに、ブロックチェーンを活用した個人認証システム(分散型ID・DID)のスキームの構築に向け協議会を立ち上げていた。
なぜステーブルコイン決済が注目されるのか?
海外事業者からの仮想通貨調達に際し、従来は日本法人経由の銀行決済が必須だったが、ステーブルコイン導入により直接取引が可能に。送金のリアルタイム処理を実現し、手数料を削減。暗号資産事業以外に国内キャッシュレス決済市場でも、手数料削減と高速送金のメリットから企業の採用が見込まれ、ステーブルコインは貿易・企業間決済の効率化を促進する。ステーブルコインの社会実装が実現すれば年間1000兆円規模の企業間決済の効率化につながるとされている。
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