起業家のイーロン・マスク氏が7月に設立したAI企業「xAI」は4日、同社初となる生成系AI「Grok」を発表した。早期ベータ版が終了し次第、GrokをX(旧Twitter)上で有料プランユーザーを対象に提供する。
GrokはSFシリーズ「銀河ヒッチハイクガイド」倣って開発されたAIで、ユーモアを交えて質問に答えるよう設計された。同社はGrokは反骨精神を持っているため、ユーモアが苦手な方は使用を控えて欲しいとしている。Grokは2ヶ月のトレーニングを行った独自AIモデル「Grok-1」により稼働する。GrokはXプラットフォームを通じた全世界的な情報アクセス能力を持つ。
同社はxAIの起業を明かしたのち、33億のパラメータを持つプロトタイプLLM(Grok-0)をトレーニング。Grok-0は訓練の過程で、言語モデルの標準的なベンチマーク「LLaMA 2(70B)」の匹敵する能力を記録。Grok-1では複数のベンチマークでGPT-4nには劣るものの、ChatGPT-3.5やInflection-1を上回る強い結果を示した。ハンガリー国立高校数学試験の成績(同社による自己採点)では、GrokはC評価(59%)と合格点を獲得。Claude-2(55%)との比較では僅かながらも上回っている。
同社は異なるバックグラウンドや政治観を持つ人々にも法令に遵守した状態で、最大限の利益をもたらすAIツールの構築を目指す。Grokは米国ユーザーを対象に早期アクセスプログラムを開始。参加希望者(米国在住者)はXのアカウントを通じウェイトリストへ登録が可能だ。
マスク氏が見据えるX(Twitter)のビジョン
米大手ITメディアThe Vergeが10月に報じたところによれば、X(旧Twitter)は24年末に金融サービスを開始する見込み。マスク氏は従業員との電話会議で金融プラットフォーム上でのサービス内容に関し「「お金、証券、何でも当社のプラットフォーム上で取り扱われる。銀行口座は必要なくなるだろう」と述べた。Xは現在、金融送金ライセンスの取得に取り組んでいる。
同氏は同日、同氏が率いる全ての企業が暗号通貨(仮想通貨)を開発することはないと改めて明言した。一方で、ウォール・ストリート・ジャーナルの8月の報道によれば、マスク氏はドージコイン(DOGE)の開発に資金提供しており、XではDOGEを用いた支払い機能も考慮している。
英ロンドン近郊のブレッチリーで2日に開催された「AI安全サミット」での英スナク首相との対談で、同氏はAIに関するリスクも指摘。「必ずしもAIが社会に貢献だけをするわけではない」と述べた。同氏はAIがもたらすディープフェイクなどにも懸念を示した。
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