米ニューヨーク・タイムズは27日、AIの訓練のために記事を無断で使用したとして著作権侵害でOpenAIおよび、マイクロソフトを提訴した。同紙は、マイクロソフトとOpenAIが数百万の著作権付き記事を使用したと主張している。
同紙は、これら企業が新聞の記事を用いてチャットボットなどのAIプロダクトを開発したと主張しており、訴訟はマンハッタンの連邦裁判所で提出された。同紙は、特定の金額を請求していないが、損害賠償として「数十億ドル」を見積もっている。同紙はOpenAIとマイクロソフトによる「大規模な著作権侵害」に基づくビジネスモデルを採用し、知的財産を不正利用したと訴えている。
OpenAIは訴訟をうけ「驚いており、失望している」と表明。ニューヨーク・タイムズとの建設的な会話が進んでいたと述べている。マイクロソフトはコメントを差し控えている。同紙は、チャットボットが読者に事実とフィクションを区別させず、誤った情報を新聞に帰属させているとも主張している。同社はAIチャットボットの普及によるニュースサイトへのクリック減少を懸念している。OpenAIはニューヨークタイムズとのライセンス契約を模索してきた。
OpenAIはウェブからテキストを広く収集し、ChatGPTを訓練しているが、これは主要なメディア機関からの初の法的措置である。一方でOpenAIは7月、米AP通信と提携し、一部のコンテンツと技術を共有することで合意していた。
アップル、AIトレーニングに向け出版社に契約持ちかけ
アップルは22日、AI開発のための記事データ使用許可を求め、主要なメディア企業との交渉を開始した。ニューヨーク・タイムズが報じた。交渉では、アップルが少なくとも5000万ドル相当の複数年契約を提案している。
対象となるメディア企業には、ファッション誌「ヴォーグ」や「ニューヨーカー」を運営するコンデナスト、NBCニュース、雑誌「ピープル」、ニュースサイト「デイリー・ビースト」を傘下に持つIACなどが含まれる。同社によれば、これらの企業すべてがアップルの提案に積極的であるわけではないという。
日本政府のAIがもたらす著作権問題への対応は?
文化庁は20日、AIによる著作権者の許諾なしの絵や文章学習に関する著作権法の素案を発表し、特定作品出力目的の学習は対象外とする可能性を示した。文化審議会小委員会で議論され、年度内に報告される。現行法はAIによる著作権者の許諾なしの学習を認めているが、著作権者の利益を害する可能性があり、海賊版を学習させた場合、開発事業者が責任を負う可能性がある。一方、生成AIによるプロ並みといえる作品が容易に作成できることに対し、日本音楽著作権協会(JASRAC)は7月に批判を表明。音楽関連の仕事やプロ志望者の減少を懸念していていた。
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