OpenAIは6日、起業家のイーロン・マスク氏からの提訴を受け、これまでに得た知見や、創設者の1人であるマスク氏との関係についての情報を公開した。声明では、マスク氏の訴状での主張にすべて反論した。
第1に、OpenAIは汎用人工知能(AGI)が全人類に利益をもたらすことを目指していると主張した。同社はこの実現には安全で有益なAGIの構築と利益の広範な分配が必要であるとしている。OpenAIを立ち上げた当初、2015年末にグレッグ・ブロックマン氏とサム・アルトマン氏は1億ドルの資金を調達する計画だった。
しかし、マスク氏は「100億ドルよりも大きな数字を提示しなければ希望がないように聞こえる」とのメールを送り、10億ドルの資金調達をした上で起業することを提案。他の誰も提供しない部分は自身がカバーすると述べていた。結果的に、OpenAIはマスク氏から4500万ドル未満、他の寄付者から9000万ドル以上の調達に至ったという。
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マスク氏、OpenAIにテスラの合併または自身の経営下になることを求めていた
17年初め、AGI構築には予想外に多大な計算能力が必要であることが明らかになった。実現するには年間数十億ドルの資金が必要であり、特にマスク氏は非営利団体として、この規模の資金を調達できるとは思っていなかった。このことから、OpenAIとマスク氏は営利企業としての再編が必要との認識に至ったという。
マスク氏はAI競争でGoogleに対抗できる策としてOpenAIに対しテスラと合併するか、同氏の経営下になること求めていた。しかし、OpenAIは、結果的にマスク氏は資金提供をやめ、最終的にOpenAIを去ったと主張。マスク氏は自身でAGIの競合を起業する計画を立て、OpenAIの方向性に異を唱えた。
マスク氏は6日現在、自身が率いるXで生成系AI「Grok」を提供している。
OpenAIがAGIを非公開で開発することに理解
マスク氏は、OpenAIがAGIを非公開で設計することと理解、AIが構築されるにつれて情報の開示を控えることが合理的であるとの立場を示していた。しかし、同氏はOpenAIの方向性に異を唱え、自身でAGIの競合を起業する意向を示し、OpenAIを去った。
一方、2月29日の訴状によれば、マスク氏はOpenAIはMicrosoftの実質的な子会社に変貌し、マイクロソフトの利益を最大化するためにAGIを開発していると主張。OpenAIにオープンソースへの回帰を求めた。
マスク氏はさらに、マイクロソフトがアルトマン氏とOpenAIの理事会を支配下に置き続けることで、技術を独占し収益を増やす目的でGPT-4をAGIとして宣言しないよう操作していると訴えている。OpenAIは、技術の広範な利用と人々の生活改善に貢献することを通じて、使命を前進させることに注力しているとしている。実際、アルバニアはOpenAIのツールを使用してEU加盟を最大5.5年早めたとされている。
一方で、金融大手ゴールドマン・サックスが23年3月に発表したレポートによれば、日本がAIを本格導入した場合、全体業務の25%が自動化される。これは世界で3番目に高い水準だ。社会のデジタル化を受け、日本政府は2月27日、事務職従事者いわゆるホワイトカラー職が、非ホワイトカラーに転職し活躍できるような支援の検討を開始した。
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