人工知能(AI)などを手がけるクオンタムソリューションズ(東証スタンダード上場:2338)は23日、ビットコイン(BTC)を長期的な企業財務の準備資産と位置づけ、今後12カ月間で最大3000BTCを段階的に取得する計画を発表した。初期投資として、国際投資会社である統合資産管理(アジア)有限公司(香港)から1000万ドル(約14.6億円)が拠出される。
実現すればメタプラネットに次いで国内2番目のビットコイン財務企業となる同計画の運用は、同社の100%子会社であるGPT Pals Studio Limited(香港)が担い、安全性と監査性の高いデジタル資産インフラの構築を進める。
導入するインフラには、コールドウォレットとホットウォレットの分離管理や内部統制、会計管理体制が含まれる。運用状況については、取締役会および監査委員会が定期的に評価・監督を行う。
金融安定と株主価値の両立を狙う
取得目標である3000BTCは、現在の市場価格に換算すると約538億円(3億6700万ドル)に相当する。同社は本計画を短期的な投機ではなく、財務安定と株主価値の向上を目的とする長期戦略と位置づけている。市場動向や資本の可用性、規制環境を踏まえて取得のタイミングや規模は柔軟に判断する。
「我々は、ビットコインを中心とした資本構造を構築する独自の立場にある。制度的な規律を持って運用していく」と、クオンタム・ソリューションズのCEOであるフランシス・チョウ氏は語った。
同社は今後、著名な資産運用会社や政府系ファンド、フィンテック企業との連携を通じて、財務戦略の拡充を図る方針だ。
統合資産管理、制度的ビットコイン導入を後押し
今回の初期投資を担う統合資産管理(アジア)は、2014年にフォーブス・メディアの買収を主導した実績を持つ香港拠点の投資会社である。同社の創業者タク・チュン・ヤム氏は、フォーブス・メディアの筆頭株主でもある。
ヤム氏は「クオンタム・ソリューションズの戦略は明確で意欲的だ。機関投資家の道を切り拓く試みを支援したい」とコメントしており、デジタル資産を巡る企業財務の進化に対する制度的な関心の高まりを反映している。
香港を拠点に、制度的な運用体制を整備
運用を担うGPT Pals Studioは、香港における政策の明確性と国際金融都市としての地位を活かす。信頼性の高い規制枠組みの下で、BTC取得の運用・会計・監査体制を整える構えだ。
ビットコインを企業の準備資産とする動きは、インフレヘッジや金融政策リスクへの対応策として、世界の上場企業や機関投資家の間で徐々に広がっている。クオンタム・ソリューションズもその流れに加わることで、従来のAI・テック企業から、分散型金融資産を取り入れた先進的な財務戦略を持つ企業への転換を図る。
なお、ビットコイン保有計画が将来的に同社の財務状況に重要な影響を与える場合には、東京証券取引所の規定に従って適時開示を行うとしている。
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