米国の有料ケーブルテレビ放送局HBOは9日(日本時間)、ドキュメンタリー映画『Money Electric: The Bitcoin Mystery(マネー・エレクトリック:ビットコインの謎)』を放送した。ビットコイン開発者とされる「サトシ・ナカモトの正体を暴く」として大きな話題となったが、放送後、SNSでは議論を呼んでいる。
同作品は、映画製作者カレン・ホバック氏がビットコインの起源と、その生みの親であるサトシ・ナカモトの正体に迫るドキュメンタリー映画。ホバック氏が調査した主要人物に自ら切り込み、新たな手がかりを模索する様子と、ビットコインが生まれてから急激な価格上昇について迫るもの。
ホバック氏は同作品の中で、サトシ・ナカモトの正体をカナダ人の元大学教授ピーター・トッド氏と特定する内容で、トッド氏が「私はサトシ・ナカモトだ」と冗談めかして口にする映像を紹介した。しかし、トッド氏は自身のXやForbesなど大手メディアでのインタビューで「私はサトシ・ナカモトではない」と否定した。
サトシ・ナカモトを特定のHBO、SNSではさらなる考察
CNNでのインタビューでトッド氏は「(監督の)ホバック氏は藁をもつかむような気持ちだったのでは」と語り、「この映画は無責任であり、私の命を危険にさらしている」と非難した。
ピーター・トッド氏はかつて初期のビットコインコア開発者のプログラマだが、サトシ・ナカモトとして噂に上ったことはこれまでほとんどなかった。2020年まで仏のビジネススクールで知られるHEC経営大学院の局長を務めていた。
同氏は実際、映画公開に先立ってHBOから連絡を受けたこともなかったことや、放映前日まで同作品の試写に招かれる機会も提供されなかったと主張している。
HBO広報担当者はCNNの取材に対し、「トッド氏の否定に驚いていない」と述べ、「このドキュメンタリー作品の結論に自信を持っている」などと語った。
一方、放送前日のPolymarketでは、サトシ・ナカモトの正体は暗号学者のレン・サッサマン氏という投票が60%を超えていたためか、放送直後、SNSでは「茶番だ」「ひねりのある展開!」など賛否の声が上がり、本当のサトシ・ナカモトは誰かを考察するポストが相次いだ。
日本国内では、日本人らしい名前とあって、ビットコインの開発初期にサトシ・ナカモトは日本人ではないかという噂も飛び交ったが、結局のところ、ミステリーの種明かしはまだされないようだ。
なお、同番組放送後、ビットコイン価格は若干の下落を見せたが、大きな下落とはならず、本稿執筆時点で6万2400ドル付近で推移している。
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