サウジアラビアのエネルギー省は4月12日、今月初めの攻撃で減少した東西パイプラインの搬送能力を全面的に復旧し、スループットがおおよそ1日700万バレルに戻ったと発表した。
この復旧は、イスラマバードでの米国とイランの和平協議が合意に至らず決裂し、週明けの市場オープンを前にエネルギー市場に再び不透明感が広がる中で実現したもの。
サウジの石油インフラに何が起きたか
米イラン戦争下での最近の攻撃により、サウジの生産量は推計60万バレル/日に減少した。マニファ油田は約30万バレル/日を失い、フライス油田も同様の減産となった。加えて、東西パイプラインのスループットも70万バレル/日減少した。
「エネルギー省の公式筋によると、同王国内の重要なエネルギー施設は、最近複数の攻撃を受けており、その対象は石油・ガスの生産、輸送、精製施設のほか、石油化学施設やリヤド、東部州、ヤンブー工業都市の電力分野にも及んでいる」と当局者らは記した。
エネルギー省は攻撃者の指摘は控えたが、リヤドは戦争期間中、イランのドローンやミサイル攻撃を相次いで迎撃している。JPモルガンのアナリストは、被害規模を戦闘前のサウジ原油輸出量の約10%と推定し、「明確な供給ショック」と指摘した。
直近の発表でエネルギー省は、東西パイプラインとマニファ油田の出力が復旧したと述べた。ただし、フライス油田の復旧作業は継続中で、完了次第発表するとしている。
「エネルギー省は、東西パイプラインの全搬送能力(約1日700万バレル)を短期間で復旧し、マニファ油田の生産(約1日30万バレル)における被災分も回復できた、と発表した」とプレスリリースで述べた。「フライス油田については、全面的な復旧に向けて作業が続いており、完了次第発表する予定。」
同省は、アラムコによる迅速な復旧は「高い運用回復力と危機管理能力」を裏付けるものとした。
米イラン協議決裂、週明けの市場へ圧力
パイプラインの復旧発表は、JD・バンス副大統領がイランとのイスラマバード協議21時間を経ても合意に至らなかったことを認めた数時間後だった。双方はホルムズ海峡やイランの核開発問題など核心事項で依然対立している。
同海峡は通常、世界の海上原油の約20%を運ぶ。国際エネルギー機関は、この混乱を世界石油市場史上最大の供給ショックと位置付けた。
原油価格は2月下旬の紛争開始以降、急騰している。食糧やアルミニウム、液化天然ガス市場も動揺している。
サウジの部分的な回復は一助となるが、ホルムズ海峡の混乱で失われた全量の補填にはならない。週明けの市場では、パイプライン復旧による効果が、イスラマバードでの外交失敗をどこまで相殺できるかが試される。
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