米国証券取引委員会(SEC)のウィリアム・アプテグローブ(William Uptegrove)弁護士は、ボイジャーの破産審問で、SECスタッフはBinance.USが未登録の証券取引所を運営していると考えていると申し立てた。
さらに、ボイジャーのVGXトークンの提供および販売には証券取引の特徴があるとSECスタッフはみていると付け加えた。
ボイジャーの破産担当裁判官はSEC弁護士との私的協議を拒否
一方、アプテグローブ氏は、自分の発言が他のSEC委員の発言を代表するものではないとしている。それら委員の中には、ゲーリー・ゲンズラー委員長や暗号資産推進派のヘスター・ペアーズ委員も含まれているとのことだ。
破産担当判事のマイケル・ワイルズ(M. Wiles)氏は、ボイジャーの債権者グループが合意した、破綻会社の資産をBinance.USに売却する計画を承認するかどうかを決定する予定である。
ワイルズ氏は、証拠がない中で買収を阻止しようとするSECの決定に積極的に反対を表明している。SECの弁護士からSECの異議申し立てについて個人的に会うよう求められた際には、同判事は、Binanceの取引に反対する根拠となるSECのいかなる主張も、公的な法廷の場で行われるのが適切と論じた。
一方、アプテグローブ氏は、SECの調査は非公開で複雑であると回答し、同時に、差し迫った強制措置については肯定も否定もしなかった。
米国法曹協会の職業行動規範では、実質的な事柄に関する一方的なコミュニケーションを禁じている。また、ワイルズ判事が独自に申し立てを調査することも規則で禁じられている。また、仮にアップテグローブ氏が個人的に重要な情報を開示した場合、反対派にも通知しなければならないという取り決めになっている。
(SECについて)、Binance.USは、違反した暗号資産のリスト(の提示)なしにSECの弁護士が同社を非難することに失望したと述べた。
他方、(米国議会においては)上院議員3名がBinance.USに対し、同社の事業の正当性を証明する財務情報およびコンプライアンスポリシーの開示を要求している。
SECに対する裁判官の見方
ワイルズ判事は、SECの異議申し立てを無計画で実質が伴わないものと見ていることを、以前に明らかにしていた。
「あなたはここに来て、私に……あなたが問題を起こすかもしれないから、私はすべての人の足を止めるべきだと言う。それは奇妙な異議申し立てだ」と判事は語っている。
SECは先に、ボイジャーの資産分配が証券取引法に「違反する可能性がある」と申し立てていた。また、Binance.USに対するマネーロンダリングや汚職の疑惑により、(ボイジャーの買収)取引を 「完了させることができない 」可能性があるとした。
「6.また、本プラン、ディスクロージャー・ステートメント、およびAPAは、以下を十分に説明していない:
潜在的な規制措置が、購入者であるBinance.US、口座保有者および暗号資産を取引する能力に与える影響。購入者及びその関連会社に対する調査に関する多くの公的な報告や報道がなされている。規制措置は、 ボイジャー、Binance.USまたはその両者を含むか否かにかかわらず、本プランにおける取引を不可能にする可能性がある。それゆえ、本プランの実現は不可能である。」
買収の不可能性をめぐるSECの申し立て|出所:SEC
SECの提出書類の表現には、憶測や将来を見通した表現が含まれており、ワイルズ判事は以前、自分の考えを変えるようなことは「何もしない」と断言していた。
「この(SECの)異議申し立ては一種の隠れ蓑としてなされたもので、後で自分たち(SEC)はこの問題を提起しただろうと言うためのもののような気がする 」と、彼は以前、公聴会で述べている。
実際に、SECは、Binance.US買収後にボイジャーの資産を債権者に分配することは、未登録の証券提供に相当する可能性があると主張している。
「5. 連邦法との整合性に沿って、予定されている取引を行うことができるかどうかについて債務者が沈黙を守ることは、確認において致命的となる。というのは、本プランの規定が実行可能であり、適用される法律に違反しないことを示す信頼できる証拠を提示するのは債務者の責任だからである。
In re Gramercy Twins Assocs., 187 B.R. 112,126 (Bankr. S.D.N.Y. 1995)を参照(「プラン 提案者は、その計画が実行可能であることを示す責任を負う……」)」
分配に関するSECの主張|出所:SEC
SECは、買収の前後で問題を緩和するためにBinance.USが従うことができるような勧告をせずに、上記の主張を行っている。
SECのピアース(Peirce)委員は以前、SECの規制方法について、明確な登録スキームの提供を支援するのではなく、SECが証券とみなすものから米国の顧客を切り離すものであると批判したことがある。
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