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トランプ関税15%で米国株急落=ビットコインは6.4万ドル台に下落

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執筆&編集:
Shigeki Mori

24日 2月 2026年 10:41 JST
  • 米最高裁の違憲判決を受け、トランプ大統領が通商法122条に基づく世界一律関税を翌日に10%から15%へ引き上げ、米株とビットコインが急落した。
  • ビットコインは一時4.8%安の約6万4,300ドルと2月6日以来の安値を記録し、ETH・SOLなど主要アルトコインも全面安となった。
  • AI(人工知能)がハイテク株を直撃した懸念が暗号資産にも波及し、安全資産の金と対照的なリスクオフの売り圧力が鮮明となった。
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ニューヨーク株式市場で24日朝、ダウ工業株30種平均が前週末比821.91ドル安の4万8,804ドルと急反落し、ビットコイン(BTC)も連動して一時4.8%安の6万4,270ドルと、2月6日以来の安値を記録した。トランプ大統領が世界一律15%の関税措置を表明したことに加え、AI(人工知能)の台頭がソフトウェアをはじめとした幅広い業種の既存ビジネスモデルを破壊するとの警戒感が投資家心理を急速に悪化させた。暗号資産市場ではアルトコインの清算額が2億7,000万ドルに達し、市場全体にリスクオフ(危険回避)の売り圧力が広がっている。

関税政策の混乱が世界市場を直撃

週明けの米株式市場でダウ平均は前週末比821.91ドル安の4万8,804.06ドルで引け、ハイテク株中心のナスダック総合指数も258.80ポイント安の2万2,627.27と大幅に下落した。

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ダウ平均チャート:Yahoo Finance

今回の下落の発端は、米連邦最高裁が2月20日に下した歴史的判決だ。最高裁は6対3の賛成多数で、トランプ政権が国際緊急経済権限法(IEEPA)を根拠に発動した相互関税などの措置について「大統領に関税賦課の権限を与えていない」と判断、無効とした。トランプ大統領は判決当日、対抗策として1974年通商法122条に基づく世界一律10%の追加関税布告に署名。しかし翌21日には、同条が認める上限である15%への引き上げを自身のSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)で表明し、わずか1日で方針を変更した。通商法122条は国際収支の深刻な赤字に対処する目的で、事前調査なしに最大15%の関税を150日間課せる権限を大統領に与えるものだ。同条に基づく関税発動は史上初めてであり、その法的有効性を巡っても不確実性が残る。今回の関税は2月24日午前0時1分(米東部時間)に発効した。

ビットコインは一時4.8%急落、先物清算が連鎖

ビットコインはアジア時間帯に6万7,700ドル近辺から急落を開始し、一時約6万4,300ドルの安値を記録。その後6万5,900ドル超まで値を戻したものの、米国市場の取引時間中は再び上値が重い展開となった。Bloombergのデータによると、同日の下落幅は一時4.8%に達し、2月6日以来の安値圏となった。

本稿執筆時点で6万4000ドル台に落ち込んでいる:BeInCrypto
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先物市場では清算の連鎖が発生し、過去24時間の暗号資産先物全体の強制決済額は約4億6,800万ドルに拡大。このうちビットコイン先物は2億1,362万ドル、イーサリアム(ETH)が1億1,389万ドル、ソラナ(SOL)が1,989万ドルとなった。主要アルトコインも全面安となり、ETHが前日比4.5%安の1,888ドル、XRPが3.7%安の1.37ドル、SOLが7.4%安の78.97ドルまで下落した。

恐怖・強欲指数が「極度の恐怖」圏に急落

市場センチメントを示すクリプト恐怖・強欲指数は、23日に100点中5点まで急低下し、「極度の恐怖」に分類される水準に逆戻りした。同指数が開始された2018年以来、この水準を記録したのは2019年8月、2022年6月、そして2026年2月初旬にビットコインが6万ドル台へ下落した局面に続き、今回が4度目にあたる。

ブロックチェーン分析会社Glassnodeのデータでは、短期保有者(STH:保有期間155日未満)の純実現損失の7日間移動平均が依然として1日あたり約5億ドル近辺で推移しており、2月初旬の急落以降も個人投資家を中心に投げ売りが続いていることを示している。一方で大口投資家(クジラ)のオンチェーンデータでは、下落局面での累積買いも確認されており、需給の二極化が進んでいる。

AIショックがハイテク株と暗号資産に二重の打撃

株式市場の急落に追い打ちをかけたのが、AI(人工知能)を巡る構造的な懸念だ。生成AIツールの急速な普及により、従来のソフトウェア企業のビジネスモデルが代替されるとの見方が拡大。ナスダック総合指数は前週末比258.80ポイント安の2万2,627.27で引け、ハイテク株中心に売りが集中した。

ナスダック総合指数:Yahoo Finance

市場関係者は「投資家はAIの脅威に神経質になっており、影響を受けそうな銘柄をとりあえず売っている」(日系証券、時事通信より)と指摘する。ビットコインをはじめとした暗号資産は、こうしたリスクオフ(危険回避)環境でハイテク株と同様に投機的資産として扱われており、リスク資産全体に及ぶ売り圧力を受けやすい構造となっている。

関税の不確実性と今後の焦点

今回のトランプ関税は、通商法122条の規定により2026年7月24日を期限とした最大150日間の暫定措置だ。市場では期限到来後の対応を巡る不確実性も意識されている。外交問題評議会(CFR)のイヌ・マナック上級研究員は「次のフェーズでは301条と232条が中心的な役割を果たす可能性がある」と指摘しており、関税政策の長期化観測もくすぶる。

ベッセント財務長官は20日、米国財務省の公式プレスリリースで「2026年の関税収入は実質的に変わらない」と述べているものの、市場の不透明感は払拭されていない。

英バークレイズは「代替関税によって実行関税率は最終的にはほとんど変わらない」と分析しているが、政策変更の頻度と速度が投資家心理の重石となっている。当面は新たな301条調査の行方と、関税発動後の米インフレ指標がビットコインを含むリスク資産全般のボラティリティを左右する主要因となりそうだ。

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