7月が終わりに近づき、トレーダーや投資家の視線は8月へと移っている。彼らはポートフォリオに影響を及ぼす可能性がある複数の米国経済指標に注目している。
今週発表される米国経済指標は特に重要視されており、ビットコイン(BTC)が12万ドルの水準を目指す中、市場の関心を集めている。
今週ビットコインに影響を与える可能性のある米国経済指標
暗号資産市場は今日上昇している。ビットコインが12万ドルに迫る中、先頭に立っている。しかし、この楽観が持続可能かどうかは、今週の米国経済指標の展開にかかっている。

消費者信頼感
米国では今週の経済指標の発表が消発者信頼感レポートで幕を開ける。コンファレンス・ボードが29日(火)に公表する7月の消費者信頼感指数は、市場関係者の注目を集めている。同指数は6月に93.0と急落しており、5月の98.0から5.0ポイント低下した。
MarketWatchによると、エコノミストの中央値予測は7月に96.0への回復とされており、市場では前月比で改善すると楽観的にみている。ただし、消費者の間ではトランプ氏が導入した関税措置への懸念が依然根強い。
消費者は、例えば貿易政策が今後安定するなど、インフレが悪化しないと確信できない限り、経済に対する信頼を取り戻すことはないだろうと、
消費者信頼感の低下は、投資家のリスク志向の後退につながる傾向がある。悲観的な消費者心理が広がれば、ビットコインのような投機的資産を避け、安全資産とされる債券や現金への投資が増える可能性がある。一方、7月の消費者信頼感指数が予想を上回れば、リスク志向が改善し、暗号資産市場にも追い風となる可能性が指摘されている。
雇用報告
米国の労働関連指標は、2025年のビットコイン相場を左右する重要なマクロ要因の一つだ。今週は米国経済指標として複数の雇用関連レポートの発表が予定されており、ビットコイン価格の変動要因になる可能性がある。
求人件数と労働移動調査(JOLTS)レポートと求人件数は火曜日に発表予定で、米国労働統計局(BLS)によって公開される。
JOLTS
まず、米国労働統計局(BLS)は29日、求人件数と労働移動調査(JOLTS)の6月分を公表する。MarketWatchがまとめた市場予測によれば、求人・採用・離職件数は740万件とみられ、5月の780万件を下回る見込み。ただ、この予測通りでも、3月の719万2000件を上回り、数カ月前に記録した低水準からは回復した水準となる。市場では依然として重要な経済指標として注目されている。
ADP雇用
さらに、31日には週間の新規失業保険申請件数が発表される。これは前週に失業保険を新たに申請した人の数を示すもので、前回発表の7月19日終了週は21万7000件だった。エコノミストは7月26日終了週について、申請件数がやや増加し22万1000件になると予想している。
新規失業保険申請件数
失業保険申請件数の増加は、一般的に労働市場の軟調さを示唆するため、米連邦準備理事会(FRB)が金融緩和に傾くとの見方につながることもある。金融政策が緩和方向に進めば、ドル安が進み、代替資産としてのビットコインに資金が流入する可能性が高まる。ただし、この失業保険申請の増加が一時的とみなされれば、ビットコイン相場への影響は限定的になるだろう。
市場関係者の間では、雇用市場が依然として堅調でインフレ圧力が残る場合には、FRBが高金利政策を継続するとの見方も根強い。一方で、雇用市場に冷え込みが確認されれば、金融政策が緩和方向に転じる可能性もある。
非農業部門雇用者数
米国労働省は今週金曜日、2025年7月の非農業部門雇用者数(NFP)を発表する。前回6月の雇用統計では、雇用者数が14万7000人増加し、4月の13万9000人から伸びが加速した。一方、6月の失業率は4.1%と、5月の4.2%からわずかに改善している。

MarketWatchの調査によると、今回発表される7月の統計では、エコノミストらは米国の雇用者数が10万2000人増にとどまり、失業率も再び4.2%へ上昇すると予測する。これらの雇用指標の減速傾向は、トランプ大統領による関税政策が米経済に影響を与え始めていることを示唆している。
雇用成長が堅調に推移すれば、米連邦準備理事会(FRB)が現在の金融政策を維持、もしくはさらに引き締めへと動く可能性がある。この場合、米ドルが一段と強含み、ビットコイン価格に対して抑制要因として作用するとみられている。
一方で、経済の基礎的な懸念材料がFRBをハト派的な政策姿勢に転じさせることになれば、投資家は代替的な価値保存手段を模索し、結果としてビットコイン価格を押し上げる可能性もある。
アナリストらは、米国の雇用環境について、「企業はホワイトハウスの貿易政策を巡る不透明感が解消されるのを待っており、それまで雇用スケジュールや計画を何度も修正せざるを得ない」と指摘している。
FOMC金利決定
一方、今週の米国経済は水曜日に控える米連邦公開市場委員会(FOMC)の金利決定に市場の関心が集まっている。この会合は、米国の消費者物価指数(CPI)が6月に前年比2.7%上昇したことを受けて行われる。
7月9日に公表されたFOMC議事録では、政策担当者らが今年中の利下げの可能性を示唆していた。議事録によると、インフレについては緩和傾向が確認されたものの、依然として「やや高止まり」の状況にあるとの認識で一致している。また、先行きの不透明感については以前より低下したが、完全には払拭されていないとの見方も示された。
ただし、7月30日のFOMCで実際に米連邦準備理事会(FRB)が金利を引き下げるかは、依然として不透明だ。CMEグループが提供する「FedWatch Tool」のデータによると、市場参加者はFRBが政策金利を現行の4.25%~4.50%に据え置く確率を96.9%と見込んでいる。

さらに興味深いのはパウエルの記者会見だ。数日前、トランプ氏はパウエルと会い、FRBがハト派であることを期待している。その他のFRB総裁も低金利を求めているため、この記者会見は重要なものになるだろう
確かに、米連邦公開市場委員会(FOMC)による金利決定を通過した後、市場関係者の関心は、米連邦準備理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長が行う会見に移る。トレーダーや投資家は、パウエル議長の発言を慎重に分析し、今後の金融政策の方向性を探る手掛かりを求めている。
もしパウエル議長が9月の利下げに前向きな姿勢を示せば、市場には楽観的なムードが広がる可能性がある。一方で、前回のFOMC会合時と同様の慎重な見解が繰り返された場合、暗号資産市場は急激な調整局面を迎える恐れもある。
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