イーサリアムの共同創設者であるヴィタリック・ブテリンは9日、Web3のセキュリティについて議論し、ディープフェイクが蔓延する世界においてその重要性が増していることを強調した。
ブテリン氏は9日、2500万ドルを失った企業に関する最近の報告を引用した。これは、金融機関の従業員が説得力のあるディープフェイクのビデオ通話に騙されたことで発生した。
ディープフェイクの脅威で注目されるWeb3セキュリティ
AIが生成した偽の音声や動画であるディープフェイクが蔓延しつつある。同氏によれば、ディープフェイクを見たり聞いたりしただけで人を認証するのは危険だという。
「2024年現在、ある人物の音声やビデオストリームさえも、その人物が誰であるかを認証する安全な方法ではなくなっていることに変わりはありません」とブテリンは言う。
秘密鍵でメッセージに署名するような暗号化手法では不十分だとブテリンは指摘し、複数の署名者が身元を確認するという目的を回避してしまうと説明した。とはいえ、共有された経験に基づいてパーソナライズされた「セキュリティ・クエスチョン」を尋ねることは、誰かの身元を認証する効果的な方法だと同氏は付け加えた。
良い質問はユニークで推測が難しく、人々が覚えている「ミクロな」詳細を探るものである。
「退屈でつまらないものであれば、人々はセキュリティの実践をやめてしまうことが多いので、セキュリティの質問を楽しいものにするのは健全なことです」とブテリンは提案する。
同氏によれば、セキュリティ・クエスチョンは他の手法と組み合わせるべきだという。これには、事前に合意された合言葉、複数チャンネルによる情報の確認、中間者攻撃対策、不可逆的なアクションの遅延や制限などが含まれる。
個人対個人のセキュリティ・クエスチョンは、銀行のセキュリティ・クエスチョンのような企業対個人とは異なるため、関係者に合わせる必要がある。
ブテリンは、完璧な手法はひとつもないと結論づけた。しかし、状況に応じて技術を重ねることで、音声や映像が偽造できる世界でも、効果的なWeb3のセキュリティを提供することができる。
「ディープフェイク後の世界では、フェイクしやすいものとしにくいものという新たな現実に戦略を適応させる必要があるが、そうしている限り、セキュアな状態を維持することは十分可能だ」とブテリンは強調した。
2月9日、ディープフェイクの声や画像、その他の操作されたオンライン・コンテンツが、今年のアメリカ選挙にすでに悪影響を及ぼしていることが報告された。ホワイトハウスは、すべての通信を検証し、さまざまな形態のジェネレーティブAIのフェイク、操作、悪用を防ぐ方法を模索していると明らかにした。
先月、世界経済フォーラム(WEF)は、AIが生成する誤報やディープフェイクが世界最大の短期的脅威であることを明らかにした。また1月には、マイクロストラテジーの創業者マイケル・セイラーが、ユーザーからビットコインをだまし取ろうとするディープフェイクについて警告した。
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