先週は暗号資産価格が全体的に調整傾向を見せた1週間となった。ビットコインは16日、再度3万8000ドル台突破の様相も見せたが至らず、同週は最終的に3万5600ドル台まで後退した。本稿執筆時点(20日午前2時現在)、3万6500ドル台を上下している。
投資家にとっては幸いにも、ビットコイン価格が11月初旬以降、上昇と下降を繰り返しながらも、着実に安値を更新する動きを見せていることだ。11月第1週から暗号通貨業界に投資資金が本格的に流入し始めたと見る方もある。暗号資産運用会社コインシェアーズによると、11月第1週に約2億9300万ドルの投資資金が流入した。
このような時期の資金流入は、暗号通貨の価格に直結する。では、どのコインが最も多く上昇したのか?
BeInCryptoは、ビットコインが本格的に上昇し始めた10月15日から1カ月間、時価総額基準で上位20位の暗号通貨の価格上昇率を分析した。 その結果、メジャーコインの中で最も多く上昇したコインは、ソラナ(SOL)、チェーンリンク(LINK)、アバランチェ(AVAX)だった。
ビットコインの「早期承認説」は空振りに
しかし、このような雰囲気は続かなかった。 15日以降、ビットコインの価格が3万5500ドル台までで調整されたためだ。 同じ期間、アルトコインの価格はさらに大きく下落した。
ビットコイン現物ETFの承認に関して、それほど良いニュースが出なかったことが原因か、当然予想されていた流れとなった。さらに同日、一部で期待されていたハッシュデックスのビットコイン現物ETFの早期承認も頓挫してしまったた。
投資心理の面でも有利な状況ではない。 たまたま、年初来の高値となる3万8000ドルを突破せず、短期的には価格の流れが「ダブルトップパターン」を形成したためだ。 これは価格が下落反転する前に現れるパターンの1つ。
10月17日、米証券取引委員会(SEC)が今年中に予定されていたビットコイン現物ETFの承認審査をすべて来年に延期したことで、かなり大きな調整がなされると予想した向きは多いだろう。 しかし、この日、ブルームバーグのETFアナリストであるエリック・バルチュナス氏は「SECがビットコイン現物ETFに関連し、コミュニケーションを続けている」とXに投稿したことで、ビットコイン価格は堅調な動きを見せた。
BTC、ボックス圏横ばい予想―ワールドコイン、ボラティリティ注意
2023年もあと40日ほど。 年末までSECがビットコイン現物ETFに関して消化しなければならない公式スケジュールはない。 投資家にとっては、暗中模索のまま承認されるのを待たなければならない状況となっている。
こうなると、再び市場の一部では否定的な意見も出るだろう。暗号資産受託企業ビットゴー(Bitgo)のCEOのマイク・ベルシュ氏は18日、ビットコイン現物ETFが承認されない可能性がかなり高いと主張している。ほとんどのETF申請書に名を連ねているコインベースが、取引所機能と受託機能を明確に分離していないため、SECが不承認になるとの予想だ。
ここ数週間とは異なり、特に大きなニュースがないため、今週のビットコイン価格の変動性は大きくないと予想される。下方には3万4000ドル線、上方には3万8000ドル線がそれぞれ強力な支持線と抵抗線として機能している状況だ。
ただ、市場が18日未明に投稿されたバルチュナス氏の投稿を一種の好材料として受け止めたことを念頭に置く必要がありそうだ。同氏の主張の骨子は、SECがビットコイン現物ETFだからといって無条件に拒否・排除するのではなく、通常のETF審査の手順に沿って手続きを進めているというものだった。承認とまではいかなくても、同様のニュースが伝播することでビットコイン価格が上昇する可能性は高い。
ワールドコイン(WLD)の動向も顕著となった。ワールドコインは18日、創業者のサム・アルトマン氏がOpenAIのCEOを解任されるニュースが出ると、WLDは20%ほど下落した。 しかし、19日、同氏が再びオープンAIに復帰する可能性があるというニュースが出ると、再び暴落前の価格まで回復した。おそらく今週中もサム・アルトマン関連のニュースによって大きな変動を見せることが予想されるため、投資家は注視している。
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