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なぜDeFiは大衆に普及しないのか|ユニスワップラボレポート

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ユニスワップの開発元であるユニスワップラボは16日、公式ブログを更新し、独自に行なった調査のもとDeFi(分散型金融)に関する見解を示した。

ユニスワップラボでは、暗号通貨が直接購入可能なアプリなど、DeFiへの参入を促す製品を開発している。しかし、未だDeFiの大衆への認知に向けての道筋は立っていない。同社は2023年初めにDeFi普及に関する調査を行い、1860件の回答が集まった。調査では、DeFiに山積する課題が見られた。調査の結果によると、多くの米国のCeFi(中央集権金融)ユーザーがDeFiを使うことに興味を示しているが、教育資料、UXの改善、サポートの提供があれば、参入障壁が低下するだろうとの結論づけている。

何が参入障壁を生み出すのか

調査によると、下落相場が続く中にも関わらずCeFiユーザーの半数が12ヶ月以内にDeFiを試す意欲があることが判明。しかし、DeFiの複雑さ、理解の欠如、コストが主な懸念材料となりDeFiへの参入が滞っているという。

同社の「なぜ、すべての暗号通貨取引を分散型暗号通貨プラットフォームで行わないのか」という質問では、UXを最優先に考えて構築する必要性があることが強調された。DeFiプロダクトは、チェーン間の切り替え、秘密鍵の管理、オンチェーンデータの読み取りなど、暗号資産特有の複雑さを簡素化したアプリケーションの設計に焦点を当てる必要があると同社は主張。 取引手数料とコストも参入障壁となっているがイーサリアムがスケールアップを続け、レイヤー2がより広く採用されるにつれて、ユーザーは DeFiを手頃に使用することが可能になるだろうとしている。

さらに、同社は「もし『複雑さ』が主な懸念材料であるなら、我々はこれらのCeFiユーザーに対して複雑さを減らすために何ができるか」と尋ねた。それに対し回答者は、より良い教育リソース、ユーザーサポートの強化などをCeFiユーザーがDeFiプラットフォームで取引する意欲を高める改善点として挙げた。

暗号資産に詳しくない人にとって馴染みのないDeFi

同社はDeFiについて、スマートコントラクトの活用により、透明性が高く、自己管理が可能な金融市場ではあるが、一般的な人々にとっては、1990年代初頭のインターネットと同じくらい馴染みがないと主張。一方で、CeFiプラットフォームは、初心者が暗号資産への参入を助けるコンテンツを提供することが多い。しかし、これらのCeFi製品は、破産したFTX、セルシウス、ボイジャーの例に見られるように、既存の金融システムが抱える透明性と説明責任の欠如という問題を引き続き抱えている。同社は「暗号資産業界全体がDeFiの使用方法と自己管理の利点についてユーザーを教育するために努力しなければならない」と主張した。

DeFi市場の今後は需要が高まることが予想される一方、同社のレポートにもあるように、大衆のDeFiへの参入には規制の観点を含むさまざまな障壁が存在する。ブロックチェーンのゴールの一つである「非中央集権化」に向けて業界全体が普及に向け理解を深める必要があるだろう。

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Shota Oba
国際関係の大学在籍中に国内ブロックチェーンメディアでのインターンを経て、2つの海外暗号資産取引所にてインターントレーニング生として従事。現在は、ジャーナリストとしてテクニカル、ファンダメンタル分析を問わずに日本暗号資産市場を中心に分析を行う。暗号資産取引は2021年より行っており、経済・社会情勢にも興味を持つ。
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