米国30年物国債利回りが5%を突破し、約20年ぶりの高水準に接近している。イラン戦争に伴うインフレ懸念で上昇が進んでいる。
顕著なのは、利回りがイールドカーブ全体で上昇した点。前日、2年債と10年債はいずれも6ベーシスポイント超上昇。30年債は5ベーシスポイント上昇し、10年債は9カ月ぶりの高値となった。
30年債利回りが重要な5%水準を突破、債券急落が深刻化
グローバル・マーケッツ・インベスターによれば、30年債の5%ラインは過去2年間「天井」として機能してきた。2023年末と2025年初めに到達したが、いずれも定着せずに終わった。
同投稿によると、S&P500は利回りが5%付近に近づく、あるいは超えるたびに調整してきたという。5%を明確に突破し続ければ、約20年ぶりの高水準となる領域に突入する。2023年のピークである約5.17%が次の大きな試金石。
「利回り5%になれば、国債は株式市場から資金を吸い上げるほど魅力を持つ。一方で住宅ローン、企業向け融資、米国債務の借入コストも上昇する」とグローバル・マーケッツ・インベスターは指摘。
イラン紛争がこの動きに拍車をかけている。原油高がインフレ圧力となり、FRBは引き締め政策を維持せざるを得ない。市場は年末までの利上げ確率を37%と織り込む一方、利下げは3%のみにとどまっている。
エコノミスト「高金利が債務危機を招く恐れ」
エコノミストのピーター・シフ氏は、米国の債務水準を踏まえた場合、危機が加速する方向性にあると指摘する。
「30年債利回りが5%を超え、過去20年で最高水準に迫る。5%から6%への上昇ペースは、4%から5%より速い。6%から7%に上へ動くなら、さらに加速する。財政赤字が極度に膨らむなか、この動きが経済危機を引き起こす」と同氏は述べた。
アナリストのFinancelot氏は、30年債利回りがウェッジ・パターンから上放れ、2年債は4%に迫ったと指摘。1968年の国債利回りが不況下で倍増した状況と比較した。
債券市場が政策の再転換を強いるかどうかは、エネルギーショックがインフレ指標にどれほど早く反映されるかにかかっている。
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