暗号資産市場では7月を前に大口投資家(クジラ)の資金配分に変化がみられる。オンチェーンデータでもその動きが確認されるなか、BeInCryptoは大口ウォレットの取引を分析し、7月に買い増しが進んでいるアルトコイン3銘柄を抽出した。選定はクジラの保有動向やプロトコルのデータに基づくものであり、価格予想を前提としたものではない。
Aave(AAVE)
Aaveは7月のアルトコインリストの中心に据えられる。その理由はオンチェーンベースが継続的に拡大しているためである。ここでのクジラによる買いは、単一の大口ではなく中堅層の保有者によるもの。
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1万AAVE〜10万AAVEの保有ウォレット、いわゆる小型クジラのグループは、過去48時間で保有量を409万AAVEから427万AAVEに増やした。約18万AAVEに相当し、およそ1600万ドル規模の追加。これは特定の個人による取引ではなく、クジラ全体による広範な蓄積と読み取れる。
こうした買いはプロトコルの数値とあわせてみるとより納得がいく。AaveのTVL(預け入れられている資産の総額)は約130億4000万ドル、借り手によるアクティブな貸付残高は約102億5000万ドル(DeFiLlama調べ)。この運用で年間約9億3700万ドルの手数料収入が発生している。AAVEの時価総額(約14億ドル)と比べて、手数料収益は年間で時価総額の約3分の2に相当。
DeFiトークンの場合、こうした現金収益基盤こそが、小型クジラの買いを「モメンタム」ではなく本質的な根拠とする材料となる。
AAVEは過去24時間で約1.6%下落し90.49ドルまで値を下げた。しかし、それでも中堅層クジラのウォレットは買い増しを続けている。この下落を警戒ではなく参入のチャンスと見なしている様子がうかがえる。AAVEは7月も堅調なセットアップを維持。
ユニスワップ(UNI)
ユニスワップは7月のアルトコインの1つとして選ばれた。クジラシグナルは派手さはないが安定している。大口保有者は買い増しているが、量は控えめ。
クジラ保有量(取引所は除く)は数時間前、7億7856万UNIから7億7894万UNIにわずかに増加。増加分は約38万UNIと控えめで、クジラによる慎重なオンチェーン動静と解釈できる。
この慎重な姿勢は、「手数料スイッチ」施行後により意味を帯びる。6月のユニスワップのオンチェーン取引高は1日あたり約22億ドルに達し、これはUNIを買い戻し・バーン(焼却)する仕組みにつながる。
この仕組みで2026年上半期におよそ2250万ドル相当のUNIが供給から除外された(DeFiLlama調べ)。供給量が縮小する中でのクジラ買いであり、希少性が高まっている。そのため少量の追加でも買いに重みが出る。
UNIは過去24時間で2.4%下落し2.87ドル。ここ数週間は横ばいが続いている。クジラは追随するのではなく慎重に追加しているため、「徐々に確信が高まる銘柄」と位置付けられる。価格が静かでも、安定したフローと高い取引量が重視されており、UNIは7月の注目株。
エセナ(ENA)
エセナは7月のこれらアルトコインの中で最も大胆なクジラの動きがみられる。その動きは価格下落の中で進行している。この構図が同銘柄を最も注目すべきセットアップにしている。
過去24時間でENA保有クジラの残高が約3166%増加した。およそ63万ENAから2063万ENAへと急拡大した。クジラは1日で約2000万ENA、金額にして約150万ドル分を取得した計算となる。この1日での急増はこれまでで最も積極的な買い集めであり、全体センチメントが軟調な中で発生した。
この動きはエセナの回復と重なる。Dune Analyticsによると、同プロトコルが発行する合成ドル「USDe」のイーサリアム上の流通量は、4月下旬のレバレッジ縮小局面の最安値から約19%増え、6週間連続で45億ドル前後を維持している。USDeはエセナのガス代基盤であり、供給の回復は利回り需要とENAへの手数料還元の回復を示唆する。クジラにとっては、ステーブルコインの安定は調整局面の終了を示すシグナルとなる。
シグナルには分断も見える。ENA価格は24時間で約4.4%下落した一方、クジラの保有量は大幅に増加した。大口投資家が下落局面で買い集め、価格動向がオンチェーン需要に遅れている状況である。強い買い集めと軟調な市場が共存する際、このギャップはやがてどちらかに解消される。7月はクジラの買いがこのトークンにとって主なシグナルといえる。









