Anthropicは、米中による人工知能(AI)競争に関する論文を公表した。米国は適切な政策対応によって、中国に対し12~24カ月のリードを確保できると指摘する。
米国と中国は、AI開発の主導権を巡り激しい競争を繰り広げている。ただしAnthropicは、米国と同盟国が中国共産党(CCP)に対する優位性を維持する必要があると強調する。
Anthropic、米国に12~24カ月のAIリード確保を提言
論文は、輸出規制が米国の現状のリード維持に一定の役割を果たしてきた一方で、依然として十分ではないと指摘した。
中国共産党(CCP)は、十分な先端半導体を国内生産する能力を持たず、また合法的に海外から調達することもできない。
それでも中国のAI研究機関は、2つの主な回避手段によって競争力を維持している。1つはAI半導体の密輸や海外データセンターの利用など、不正かつ回避的な計算資源の確保である。
もう1つは、米国の先端AIモデルへの蒸留攻撃などによるモデルの不正取得と、それらシステムの活用による国内AI研究開発の加速である。
「もし米国や同盟国がただちにこの両問題に対処すれば、先端的AI分野で12~24カ月のリードを固定化できる可能性がある。この規模のリードを2028年までに確保できれば、極めて大きな優位となる」とAnthropicは記している。「だが、このリード確保の好機が長く続くとは限らない」
論文は、米政府がCCPによる米国の計算資源へのアクセスをさらに厳しく管理すれば、米国は中国のおよそ11倍の計算能力を持つとの推計も紹介している。
Anthropicは、民主主義国家がAI分野で先んじるための政策として、3つの行動を挙げた。
- 半導体の密輸や海外データセンター利用、半導体製造装置の規制を強化し、中国の計算能力の上限を引き下げる
- 蒸留攻撃が違法である旨を明確にし、米AI研究機関による検知・阻止能力を高める
- 米国の信頼できるAIハードウェアおよびモデルの世界的普及を促進し、CCPによる主要市場での影響確保を阻止する
Anthropicは、AIが近く、これまでにない規模で市民抑圧に利用される可能性もあり、世界の力のバランスを変えることにつながりかねないと警告する。
さらに同社は、AIの技術が急速に進化していることから、規範や競争条件を確立するための猶予期間は限られており、リスクが顕在化する前に対応が必要だと強調した。
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