Anthropicは火曜日、同社のClaude AIが2つの暗号化システムに新たな脆弱性を発見したと発表した。暗号化とは、他人からメッセージやログイン情報、銀行の詳細を隠すための数学的手法である。
現時点で一般利用されているものが危険にさらされているわけではない。しかし、このニュースが意味するのは別の点にある。AIがトップ専門家でも見落としていた問題を発見した。
HAWKとは何か、そして何が破られたのか
HAWKはデジタル署名である。ウェブサイトやメッセージのID確認のようなものだ。将来の量子コンピューターにも耐える設計とされ、専門家が2年間検証したが問題が見つからなかった。Claudeは60時間でHAWKの数式に隠れたパターンを発見した。
Anthropicの公表によれば、HAWKの最小鍵を破る計算量が2の64乗ステップから2の38乗ステップへ大幅に減った。労力は約6700万分の1になった。この手法はAnthropicの論文に掲載されている。
対応策は単純だが負担が大きい。鍵長を2倍にするしかない。これではHAWKを選ぶ意義そのものが失われる。
AESの結果を簡単に解説
AES(高度暗号化規格)は、インターネット通信の多くに使われている。2001年以来データを守ってきた。
AnthropicはAESそのものを破ったわけではない。通常10回の暗号化処理のうち7回だけ実装した弱いバージョンを攻撃した。
Claudeはモービウス・ブリッジと名付けた新たな近道を発見した。この手法で1段階分の推測が不要となった。
その結果、これまで最速とされた攻撃法より200~800倍高速化した。
Claudeは3日間単独で解析を行った。人間2人がその後ほぼ1か月かけて検証した。
なぜ重要か
いま最も時間がかかるのは検証作業である。Anthropicは、人間がモデルの速度に追いつけないと述べている。
暗号設計が土壇場で破られた例は過去にもある。2022年には、研究者が別の候補SIKEをノートパソコンでおよそ1時間で破った。
ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)は異なる方式に依存している。量子コンピューターがそれらを破る時期については専門家の見解も分かれている。今回の攻撃は該当しない。
それでも対応は待ったなしである。グーグルは2029年までの移行計画を進めている。米国連邦機関には2031年の量子対応期限がある。
今後の注目点
NIST(米国標準技術研究所)は、新たな公開攻撃が加えられた方式の評価を迫られている。Anthropicは未発表の成果が他にもあると示唆した。数週間以内に学術研究者らとワークショップも予定している。
あなた自身のデータの鍵をAIにテストさせることに信頼を置けるだろうか。








