アーム・ホールディングス(ARM)の株価は2日、年初来で194%上昇したが、6月中旬以降は伸び悩み、下落基調に転じている。大口投資家による売却も進むなか、市場の焦点は7月14日に公表される米消費者物価指数(CPI)だ。インフレ圧力が再び強まれば、FRBの利上げ観測が強まり、金利に敏感なARM株は一段の下押し圧力を受ける可能性がある。
大口資金は6月中旬から流出
最も明確な警告は資金フローに現れている。機関投資家の買い動向を示すチャイキン・マネー・フロー(CMF)は6月15日頃に0.37でピークを付け、現在は0.01まで低下した。つまり、大口買い手がほぼ消えた状況である。
補足:アームは英国に本拠を置くが、株式はニューヨークで米ドル建てで取引されており、FRBの金利動向は米国の半導体株同様に大きく影響する。
このタイミングは偶然ではない。インフレ率は6月10日に4.2%となり、過去3年で最も高い水準となった。数日後の6月17日、FRBは金利を据え置いたが、利上げの可能性を示唆した。さらに、FRB会合が近づくにつれ、機関投資家の資金が市場から抜け始めていた。
その後も市場は利上げを織り込み直している。ブルッキングス研究所のロビン・ブルックス上級研究員(元IIFチーフエコノミスト)は、「1つの数字」が流れを左右すると語る。
アーム(ARM)が最も打撃を受ける理由はここにある。インフレ統計が高水準となればFRBが利上げを実施する可能性が高まる。金利が上がれば将来得られる利益の現在価値は下がる。アームは大手半導体株の中で最も割高で、利益の多くは将来に期待されるものだ。投資家は現時点の収益より、今後数年のAI半導体設計による成長に資金を投じている。
このため、アームは半導体セクターの中で金利感応度が最も高い銘柄となる。アームの株価は、他の大手半導体株より金利水準と逆方向に動く度合いが強い。
このため、金利への懸念が高まると平均的な半導体銘柄以上に下落する。6月23日、大手金融機関が最大3回の追加利上げを警告した際、アーム株は1日で10%超下落した。
オプション取引も守りへ転換
オプション市場も同様のシグナルを示している。アームのプット・コールレシオは、株価下落を見込む取引と上昇を見込む取引の比率を示す。6月15日にアーム株が412ドル付近の時は出来高比率が0.51で、コール(上昇予想)の買いがまだ優勢だった。
ただし、未決済建玉比率はすでに1.22となり、中長期の動きでは弱気が優勢だった。
7月1日にアーム株が337ドル付近となると、両指標とも弱気に転じた。出来高比率は1.75まで上昇、建玉も1.17に達した。
要するに、利上げ観測が強まる中、市場参加者は強気から防御姿勢へと傾いた。ARMの株価チャートがこの状況を示している。
ARM株のチャート、警戒シグナルを裏付け
上昇トレンドはすでに勢いを失っていた。5月6日から6月30日にかけてARM株は上昇したが、各上昇局面での売買高は減少が続いた。
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このもろさが約362ドルでARM株の上値を抑制した。現在は337ドル付近で推移し、維持すべき340ドルをわずかに下回る水準となっている。
下抜けが進めば303ドル、さらに298ドルが視野に入る。売り圧力が強まれば、198ドル付近のより深いサポートまで下落する可能性もある。反転には362ドルをしっかりと買い戻す必要があり、これが資金フローを回復させる。ただし、本格的な節目は399ドル(400ドル台)である。
400ドルを上回れば、ARMは本来の強さを取り戻す。だがその下では、7月14日の重要決算発表が金利に再び警戒感を与える中、戻り売りが優勢となる可能性が高い。400ドルはもう一段の上昇と、戻り局面での売り圧力を分ける重要な境界線となる。









