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【独占記事】 ビットコインと銀行危機の予期せぬ関係

7 mins

ヘッドライン

  • 現在、08年の金融メルトダウン以降で最大規模の銀行危機を迎えている
  • コインベースやテスラなどへの投資で知られるティム・ドレイパー氏は、今回の銀行危機に教訓を見出している
  • ドレイパー氏「シリコンバレー銀行破綻は、これまでビットコイン投資へ消極的だった人々の目を覚ました 」
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世界は今、08年リーマン・ショック以来の銀行危機を迎えている。

米国ではシリコンバレー銀行(SVB)シルバーゲート銀行シグネチャー銀行など中堅地銀が相次いで破綻。スイスでは経営不安にさらされていたクレディ・スイス銀行が、同国の金融最大手「UBS」により買収された。これを受け、投資家の間では伝統的金融(TradFi)への不信感が募っている。

本紙では今後の暗号資産(仮想通貨)市況について、著名な米ベンチャーキャピタル投資家ティム・ドレイパー(Tim Draper)氏への独占インタビューに成功した。

SVB破綻でビットコイン投資に目覚める人々

ドレイパー氏は、伝統的金融への信頼が揺らいでいる状況下でも危険から身を守る方法がある、と見解を示している。本紙に対し「銀行や政府の破綻に対するリスクヘッジとして、すべてのCFOに、少なくとも2人分の給与に相当するビットコイン(BTC)保有を推奨する」とコメントを残している。

今回、銀行破綻の連鎖にともない、DeFi(分散型金融)へと資金逃避をさせる預金者が目立った。DeFiはインターネットがあれば誰でも金融サービスを享受でき、すべての取引は公開台帳に記録される。ドレイパー氏は「DeFiは従来の銀行システムに取って代わるだろう」と予測する。

必然だったビットコインへの資金流入

暗号通貨の普及率は、先進国と開発途上国、法定通貨レートが安定している国家と不安定な国家との間で大きく異なる。国連貿易開発会議(UNCTAD)のレポートによると、暗号通貨を導入している国家のトップ3はロシア、ウクライナ、ベネズエラとなる。

ドレイパー氏は「ビットコインは法定通貨が弱い国の人々に愛されており、これはむしろ政府に左右されることなく資産を保管できるチャンスだ」と見解を示し、ビットコインユーザーが増える未来を確信している。

米国中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)は12日、金融システムの安定化に向けて、追加資金の供給に関する新たな枠組みを導入すると発表した。穿った見方をするならば、過剰に通貨を新規発行することでインフレの方向へと拍車がかかった、とも受け取ることができる。

ビットコインと伝統的金融の共存

現在の銀行危機は、今のところ沈静化したようにみえる。ドレイパー氏は、「銀行が暗号通貨の運用サービスを開始することでしか、本当の意味で金融危機を克服することはできないだろう」と付け加えている。

規制当局が暗号通貨と伝統的金融を切り離すことに固執すれば今後、暗号通貨の普及が進むにつれて破綻する銀行が増えることは想像に難くない。この点についてもドレイパー氏は「規制当局が変化を受け入れ、両者が歩み寄ることを認めたならば、ビットコインのエコシステムは繁栄するだろう」と予測する。

ビットコイン保有=リスクヘッジ

ドレイパー氏の強気な姿勢は、一部投資家にとって歓迎すべきものであると思われる。暗号資産市場は22年から深刻な弱気相場を経験し、ビットコインをはじめ主要銘柄は軒並み60%以上下落した。

1,200人以上の米国市民を対象にした最新調査では、22年以降、暗号資産の認知度は9%上昇したが、所有率は33%から30%に低下し、利益を出した所有者は3人に1人しかいないことが明らかとなった。

暗号通貨が金融危機の回復に役立った事例はあるかという本紙の質問に対し、ドレイパー氏は「法定通貨を銀行に預けつつ、ビットコインも同時に保有していた企業は、SVB破綻時もパニック状態に陥らなかった。彼らはビットコインで給与を支払えることを知っていたからだ」と振り返った。

ティム・ドレイパー(Tim Draper)氏:ビットコイン強気派として知られる米ベンチャーキャピタル投資家。

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Shunsuke Saito
青森県出身。2021年に暗号資産(仮想通貨)投資を開始後、22年よりライターとして従事。国内暗号資産メディアにてライター・編集を経て、23年3月、BeInCrypto(ビーインクリプト)にジャーナリストとして参画。ビットコイン、NFT、PoSノード、DeFiなどへの投資経験を持つ。
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